【圧力鍋の仕組みと原理】お肉や魚の骨がやわらかくなる理由を解説!

本当なら長時間煮込まなくてはならない料理も、圧力鍋を使えば短時間で完成。肉も魚の骨も、ホロホロにやわらかくなります。なぜ、圧力鍋は食材をやわらかくすることができるのでしょうか。その理由や仕組みを解説します。また、火加減を見る手間のない電気圧力鍋もご紹介します。

【圧力鍋の仕組みと原理】鍋を密閉し圧力を上げ高温調理を可能に

各メーカーから様々なタイプの圧力鍋が販売されていますが、こちらでは2種類の弁を備えた一般的な圧力鍋の仕組みや原理について説明していきます。

圧力鍋とは

そもそも圧力鍋とは、水蒸気の圧力を調理に利用する鍋のこと。ふたを密閉することで鍋の内部の圧力を上げ、通常よりも高い温度で調理することができます。調理時間が短縮でき、また余熱もムダなく利用できるのもメリットです。

密閉したふたが、鍋の内側の圧力を上げる

普通の鍋は、内部に水蒸気が充満したら吹きこぼれる

圧力鍋はふたを密閉した状態で加熱します。中に入れた肉や魚、野菜などの食材の水分は、加熱されることにより水蒸気に変わります。ふたが密封されていない普通の鍋の場合、水蒸気は外部に逃げていきますが、圧力鍋の場合は密閉されているので逃げられません。

水分は、水蒸気になると体積が大きくなります。加熱によりどんどん増えていく水蒸気が鍋の中で充満していくことになるので、どんどん圧力が上がっていくのです。

圧力が高まると100℃以上の高温調理ができる

沸騰する温度は気圧とともに上がるため、圧力の上がった鍋の中では沸点が高くなります。地上(1気圧)の場合、普通の鍋で調理すると沸点は100℃ですが、1気圧以上になった圧力鍋の内部は100℃を超え、120℃ほどの高温に。だから、普通の鍋よりも高い温度で調理ができることになります。

高温調理で組織を分解しお肉も魚の骨もやわらかくなる

圧力によって100℃以上の高温調理を可能にする圧力鍋、お肉や魚の骨がやわらかくなる理由もこの高温調理にあります。

魚の骨はコラーゲンからなる網目状の組織の中に、カルシウムの結晶が入り込んでいる構造になっています。高温で加熱することによりコラーゲンが分解され、骨の組織が崩れるのでホロホロの食感に。同じく肉の場合も高温加熱により組織が分解されるので、やわらかく仕上がります。

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