弁護士に相談してみたいと思っても、「弁護士は怖い」というイメージが先に立ち、躊躇してしまう方も少なくないことでしょう。
たしかに、世間一般では弁護士に対して「かたくるしい」「怒られそう」「費用が高くつきそう」などなど、マイナスのイメージが多々あると思います。
しかし、実際に弁護士の法律相談を利用した方の感想として、「親身に話を聞いてもらえた」「とても心強かった」「もっと早く相談に来ればよかった」という声が多いことも事実です。
そこで今回は、
弁護士はご相談者、ご依頼者の味方であること
弁護士費用についても無理なく支払う方法があること
弁護士に相談する方法と問題解決までの流れ
などについて、根拠を踏まえてわかりやすくご説明いたします。
弁護士は怖い人という誤ったイメージのために相談を先延ばしにしていると、問題が悪化して取り返しのつかないことにもなりかねません。
本記事が、弁護士に相談したいけれど怖いという理由で一歩踏み出せない、という方の手助けとなれば幸いです。
1、弁護士相談が怖い理由ベスト7
はじめて弁護士相談のご利用をお考えの方が、何だか「怖い」と感じてしまうお気持ちはとてもよくわかります。
怖がる理由は人それぞれですが、多くの方は共通した理由をお持ちのはずです。
ここではまず、弁護士相談が怖いと感じる主な7つの理由をみていきましょう。
(1)弁護士費用がものすごく高そう
ほとんどの方が、弁護士費用はものすごく高いもの、といったイメージをお持ちのことでしょう。
たしかに弁護士費用は安いものではありません。
「相談するだけでも数万円かかりそう」「制限時間を1分でも過ぎると延長料金を請求されるのではないか」「依頼すれば少なくとも数十万円、場合によっては100万円以上も要求されそう」このようなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
「ものすごく高い」というイメージにとらわれていると、「弁護士に高額の費用を支払うくらいなら、今回は泣き寝入りした方が得策ではないか」と考えてしまうことにも無理はないのかもしれません。
(2)「あなたが(も)悪い」と取り合ってくれなさそう
弁護士に相談すると怒られそう、怒鳴られそう、といったイメージも根強いものです。
例えば、夫(妻)が浮気をしたので離婚したいというと、「あなたにも悪いところがあるから浮気をされたんだ」と言われそうな気がするのではないでしょうか。
借金を抱えて相談すると「だらしない生活をしているのだから自業自得だ」と言われる気がするかもしれませんね。
罪に問われたことで相談すると「弁解の余地はない。反省しなさい」と叱られるような気もすることでしょう。
どうすればよいのかについてアドバイスがほしいのに、弁護士に怒られることを恐れて相談することを億劫に感じてしまう人も少なくありません。
(3)難しい法律の話をされそう
弁護士に話を聞いてもらえたとしても、素人には理解できないような法律の話をされて終わるのではないかという不安もあることでしょう。
法律問題で悩んでいる方は、法律の解説よりも、具体的にどうすれば問題を解決できるのかを聞きたいはずです。
その根拠として、法律の話もかみ砕いてわかりやすく説明してもらえることが理想的です。
それにもかかわらず、弁護士が難しい法律の話ばかりして内容が理解できないようでは、相談する意味がないと言っても過言ではありません。
(4)明らかな法律問題がない場合や些細な問題のケースだと取り合ってくれなさそう
弁護士がとっつきにくいと思われる理由のひとつとして、つまらないことで相談すると相手にされず、あしらわれてしまうのではないかということもあるでしょう。
「夫(妻)と価値観が合わず、夫婦生活が楽しくない」、「職場で上司から嫌みを言われるので会社に行くのが辛い」このような問題で悩んでいる方は非常に多いものです。
これらの問題は、程度によっては離婚やパワハラといった法律問題になることもありますが、そこまでの問題ではないケースもたしかにあります。
それでも苦しい、辛いと感じているからこそ相談したいのに、弁護士から「法律問題以外で相談しないでください」「些細な問題は我慢しなさい」などと言われたら、ガッカリしてしまうのは当然です。
(5)まだどうしたいかわからないのに依頼を強く勧められそう
いったん弁護士に相談すると依頼を強く、しつこく勧められるのではないかという不安をお持ちの方も少なくありません。
しかし、弁護士に相談してみたいと思うとき、「とりあえずアドバイスを聞いてみたい」ということも多いのではないでしょうか。
例えば、「夫(妻)が浮気しているような気がするが、証拠はつかんでいない。
離婚した方がよいのかどうかで迷っている」「今のところ滞納はしていないけれど、借金を減らせる方法があれば聞きたい」と思っているだけのこともあるでしょう。
そんなとき、相談すればすぐに離婚や債務整理の依頼を迫られるのだとしたら、怖くて相談できないのも無理はありません。
(6)話したことが相手に漏れそう
法律相談では、人には言えないような秘密を弁護士に話すことになります。
多くの場合、自分が弁護士に相談したこと自体を知られたくない相手がいることでしょう。
離婚問題なら配偶者やその家族、職場の問題ならハラスメントをしてくる相手、刑事事件なら犯行を指示した黒幕の存在や共犯者などにバレてしまっては、明日を気持ちよく生きられないくらいの状況に追い込まれている方も数多くいらっしゃいます。
そんなとき、「もし弁護士から秘密が漏れたら…」と考えると、怖くて相談できないのも当然のことといえます。
(7)きちんとした身なりで行かないとあしらわれそう
弁護士や法律事務所というと、「お堅い」「かたくるしそう」というイメージがあるためか、相談時にはスーツなどのフォーマルな服装でなければ相手にされないのではないか、という不安もあることでしょう。
「カジュアルな服装で相談に行ったのでは印象が悪く、真剣に話を聞いてくれなさそう」「安っぽい服装で相談しても、自分の言い分を信じてもらえないのではないか」このように考えてしまうために弁護士相談のハードルが高くなり、弁護士が怖いと感じてしまう方は少なくありません。
2、弁護士費用は高額すぎる?!弁護士費用について
弁護士に相談・依頼するために、それなりの費用が必要となることは事実です。
ただ、期待できる成果に見合わないほど高額の費用がかかるわけではないので、過度に心配する必要はありません。
(1)法律相談料が無料の事務所も多い
弁護士の法律相談は原則的に有料ですが、最近では初回の30分~1時間程度は無料で相談に乗ってくれる法律事務所が増えてきています。
時間がオーバーするときの対応は事務所によりますが、多くの場合は弁護士から「以後は有料となります」とアナウンスがありますし、多少の時間オーバーなら相談料を請求されないこともよくあります。
有料となる場合でも、相談料の相場は30分につき5,000円(税別)程度です。
やはり、相談時間が長引く場合には弁護士から相談料が加算される旨の説明があります。
そのため、「相談するだけで何万円も請求されるのではないか」という心配はいりません。
無料相談だけで問題解決の方法がわかることも少なくありません。
(2)成功報酬は獲得した金銭の中から支払う
一般的に、弁護士費用の中で高額となりやすいのは「成功報酬」です。
しかし、成功報酬の金額は得られた成果に応じて決まり、かつ、事件の相手から獲得した金銭の中から支払うものです。そのため、手出しをして支払わなければならないことは基本的にありません。
ただし、「着手金」は原則として依頼時に支払う必要がありますし、成功報酬についても以下の場合は自力で捻出しなければならないこともあります。
請求金額が低いケース
金額の請求ではなく、相手に謝罪等の行為を求めるケース
相手から受けている請求を拒否、または減額したいケース
このような案件では、どうしても手出しによる負担が発生してしまいます。
とはいえ、後でもご説明しますが、弁護士が依頼を強制することはありません。
法律相談で弁護士からのアドバイスを聞いた上で、あなたが求めたいものがその弁護士費用に見合っているのかどうかを検討することになるでしょう。
(3)弁護士費用の支払い方法についても相談に乗ってもらえる
事務所にもよりますが、着手金については分割払いや後払いに応じているところも数多くあります。
法律相談時に弁護士費用の支払い方法についても相談すれば、無理なく支払える方法を提案してもらうことも可能です。
また、法テラスと契約している弁護士に相談した場合には「民事法律扶助制度」を利用することも可能です。
民事法律扶助制度とは、収入や資産についての一定条件を満たす場合には、一般の事務所における報酬規程よりも安価な料金で弁護士に依頼できる制度です。
かつ、その料金は法テラスから弁護士へ立替払いを行い、依頼者は原則として毎月1万円ずつを法テラスへ償還していくことになります。
現在では「○○万円を持ってこなければ依頼は受けられません」といった対応をする事務所は減ってきています。
手元にまとまったお金がなくても、無理なく弁護士に依頼することが可能となっているのです。
配信: LEGAL MALL