弁護士に相談するのは怖い?はじめて弁護士相談を利用される方へ

弁護士に相談するのは怖い?はじめて弁護士相談を利用される方へ

5、法律事務所は「あなたの味方」です

ここまでの説明をお読みになってもまだ、弁護士や法律事務所は何となく敷居が高い、「きちんとした身なりで行かないとあしらわれそう」といったイメージを拭えない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、弁護士・法律事務所は悩みを抱えている方の味方です。

相談するために身構える必要はまったくありません。

(1)法律事務所はかたくるしい場所?

もちろん、弁護士は正義の味方として毅然とした態度で仕事に打ち込んでいますし、法律事務所のスタッフも節操を持った態度で業務に当たっています。

そのため、かたくるしいイメージがあるかもしれませんが、ご相談者にまで「かたくるしい」態度を求められることはありません。

それでも人に言えない悩みを抱えている方は、身なりや話し方、生活態度をきちんとしなければいけないのではないか、あるいは依頼をするなら今の何かを改めなければならないのではないか、という気持ちになることもあるでしょう。

ですが、まずは抱えている悩みと、その背景にある事実を弁護士に伝えなければ何も始まりません。

そのため、法律事務所では初めて来所する方でも話しやすい雰囲気を心がけているものです。

弁護士も、まずは事実を把握しなければ何も解決できませんので、「気楽にお話しください」という感じで対応します。いきなり何かを「改めなさい」などと言って叱りつけてくることはありません。

相談する前から弁護士や法律事務所に対して身構える必要はまったくないのです。

(2)調停や裁判に進んだときにアドバイスをすることはある

ただし、依頼後に事件を処理していく過程で、現状を改善するために弁護士からさまざまなアドバイスを受けることはあります。

例えば、離婚問題で調停や裁判に進んだ場合には、社会人としてふさわしい身なりで裁判所に出頭し、常識のある発言をしなければ調停委員や裁判官からの印象が悪くなるおそれがあります。

また、離婚を阻止したい、あるいは子どもの親権を獲得したい、という場合には、生活の中で何かを改めなければならないことも多いものです。

債務整理の事案では、ギャンブルをやめる、その他の浪費も控える、家計の収支を見直す、などの努力によって生活を改善しなければ、借金問題を根本的に解決することはできません。

これらの場合には、ご依頼者が直面している状況を改善するためにこそ、弁護士からアドバイスがあります。

とはいえ、怒鳴られたり叱られたりするわけではありません。

何をどのように改めればよいのかを具体的に指摘されて、「こうした方がよいですよ」と勧められます。その場合には、素直にアドバイスに従った方が、よりよい結果が期待できます。

6、弁護士への相談から解決までの流れ

弁護士の法律相談をよりスムーズにご利用いただくために、ここでは弁護士に相談する方法と、問題解決までの流れをご紹介します。

(1)予約をとる

通常、弁護士の法律相談は予約制となっています。

飛び込みの相談が一切できないわけではありませんが、弁護士が不在であったり、他の業務で手が離せないことも多いので、必ず予約をしてから来所するようにしましょう。

法律相談の予約をとるには、事務所に電話で連絡をするのが一般的です。

スタッフに事案の概要を簡単に伝えた上で、来所する日時を約束します。

事務所によっては、ホームページ上のフォームからの送信やメール、LINEなどで予約できることもあります。

その場合は説明をよく読み、手順に従って予約をとりましょう。

予約の際に、相談料についても確認しておくことが大切です。無料の場合でも、どこまでが無料なのかを確認しておくべきです。

多くの場合は初回の30分~1時間程度が無料とされており、その後は有料となります。

(2)弁護士との面談

弁護士の法律相談は基本的に面談で行われます。予約した日時に事務所に赴いて相談しましょう。

事務所によっては電話やZoomなどによるオンラインでの相談に応じているところもありますが、できる限り面談での相談をおすすめします。

弁護士と直接会った方が話しが伝わりやすいですし、わからないことの質問もしやすいからです。

また、弁護士の人となりを把握し、ご自身と相性が合うかどうかを判断しやすいというメリットもあります。

ただ、どうしても事務所に行けないという事情がある場合には、オンライン相談について気軽に尋ねてみるとよいでしょう。

なお、面談時にはご相談内容に関する証拠や関連資料をできる限りご持参ください。

証拠や資料が豊富にあれば弁護士も事情を把握しやすいですし、解決方法も的確に検討しやすくなります。

(3)プランや費用の説明と委任契約

ご相談の結果、弁護士による対処が必要な場合には、弁護士からプランや費用の説明があります。

例えば、離婚したいというご相談であれば、話し合いによる解決を目指すのか、早期に調停や裁判といった法的手続きを進めるのか、離婚条件として何を求めていくのか、といったプランが示され、それぞれのプランにかかる弁護士費用も提示されます。

その場で方針が固まり、費用についても納得できる場合は、委任契約を結ぶことになります。

迷いがある場合や、家族などと一度話し合って決めたいという場合は、いったん持ち帰ってじっくり検討しても構いません。

持ち帰った場合は改めて事務所に連絡した上で来所し、委任契約を結びます。

委任契約を結んだら、弁護士への「依頼」が完了します。

(4)弁護士が事件処理に着手

委任契約を結んだ後は、弁護士が事件処理に着手します。

離婚や債務整理、交通事故の示談交渉など相手がいる事案の場合には、まず弁護士が「受任通知」を相手に送付します。

その後は弁護士が代理人としてすべてに対応しますので、ご自身で相手とやりとりをする必要はなくなります。

相手との交渉や裁判手続きなどは基本的に弁護士に一任することになりますが、状況に応じて打ち合わせを要することもあります。

その場合には弁護士から連絡がありますので、速やかに応じるようにしましょう。

(5)納得のいく結果が得られたら解決

弁護士による事件処理の結果、納得のいく結果が得られたら問題解決となります。

このとき、ご自身の希望が100%満たされないこともありますが、その場合には納得できるまで弁護士に質問することができます。

例えば、離婚事件で慰謝料300万円を求めたにもかかわらず、100万円しか得られないというケースがよくあります。

このような場合には、交渉や裁判を継続すればより高額の慰謝料を獲得できる見込みがあるのか、見込みがあるとしても早期に100万円を回収する方が得策といえるのか、などについて、弁護士が豊富な経験に基づいてアドバイスします。

弁護士からのアドバイスを参考にしつつ、ご自身にとって悔いのない判断をすることが重要です。

そのためには、何度でも弁護士に質問をして構いません。