産後ケアの間違い!骨盤はゆがまない!おしりの深層筋ケアで、腰痛改善

産後の身体におも〜くのしかかる腰痛。休むひまのない育児で、わが子を抱いた重みがグッと腰にくるという方も多いはず。
今回は、産後の腰痛対策について、理学療法士の山崎 愛美先生にお聞きしました!

骨盤はゆがまない!産前産後のウソ・ホント

妊娠によって身体のバランスが変化し、“骨盤がゆがむ”。
よく聞く話ではありますが、本当に骨盤はゆがむのでしょうか?

「解剖学的に考えて、骨盤がゆがむということはありません。ただ、妊娠・出産で骨盤が前後左右に“傾く”ことはあります。骨盤は周囲の筋肉のバランスによって位置が保たれているので、腹部が変化する出産は骨盤周りのトラブルにつながりやすいのです。
妊娠中の重心の変化や、産後の筋肉バランスの違いによって骨盤が傾くと、関節に負荷がかかり、結果的に腰痛や肩こりなどさまざまな痛み・不快感につながっていきます」。

背中、おなか、そして「おしり」!骨盤を支える3つの筋肉に注意

骨盤の位置は、大きくわけて背中、おなか、おしりの3つの筋肉のバランスで保たれているそう。妊娠・出産でこれらの筋肉は大きな変化を受けると山崎先生は話します。

「おなかの筋肉は妊娠中に引き伸ばされることが多く、多くの人が産後も戻りにくいんです。また、おなかが大きくなることで、体幹にあたる背中やおしりの筋肉に多大な影響も。身体のバランスの変化で姿勢が崩れて背中やおしりに負荷がかかると当然、筋肉は硬くなっていきます。特におしりは、表面だけでなく内部の深層筋まで硬くなってしまうことも。そうなってしまえば赤ちゃんのお世話が大変な時期に、お母さんのQOLが下がった状態で面倒を見ることにもなりかねません」。

大切なのは、“おしり”だった!おしり筋の硬さチェック

おなかの筋肉の復旧具合や、背中の硬さはなんとなく意識できるものの、おしりの硬さに至っては自覚が難しい、という人もいるかもしれません。山崎先生におしりの筋肉のチェック方法を教えてもらいました。

あなたのおしりは大丈夫?おしり筋の硬さチェック!

さっそくチェックしてみましょう!

おしりのエクボ部分(おしり上部の2つの凹み)を親指で押すと、硬さや痛みがある

仰向けに寝て、片側ずつ順に膝を胸に抱えたときに、左右で股関節の曲げやすさに差がある。また、おしりにつっぱるような張りがある

仰向けに寝て両膝を立て、左右に倒すと、倒しやすさに差がある。また、おしりが突っ張るかんじがする
仰向けに寝て片膝を立てた太もも部分に、もう一方の外くるぶしをつけ胸の方に引くと、おしりに痛みや突っ張りがある(両側の足で確認)

上記4つの項目のうち、1つでもチェックが入れば、おしり筋が硬くなっているかもしれません。

「おしりの筋肉は、表面の筋肉と深い部分にある深層筋でできていて、これらは放っておくと奥の方まで凝り固まってしまう可能性があります。背中やおなかの筋肉のケアも大切ですが、なるべくこまめにチェックし、ケアできるとよいかもしれません。また、おしりの筋肉の硬さから、坐骨神経痛などに発展し、長時間座ったり、寝返りのたびに腰痛を感じるようになってしまうこともあるので、要注意です」。

それでは、おしりの硬さを解消するためには、どうしたらよいのでしょうか?

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