ひじきの栄養と期待される効能「鉄分豊富って本当?」効率的に摂るコツや注意点を管理栄養士が解説

ひじきの栄養と期待される効能「鉄分豊富って本当?」効率的に摂るコツや注意点を管理栄養士が解説

ひじきは成長期の子どもに必要な栄養や、美容面や健康面が気になる大人が取り入れたい栄養などが豊富で、カロリーが低いのもうれしいポイントです。

具体的な効能や、効率的に栄養補給するコツ、取り入れる際の注意点を知り、ひじきを上手に取り入れましょう。

今回の記事では「ひじきの栄養」や「注意点」について、管理栄養士が解説します。

ひじきの栄養と期待される効能

ひじきはカルシウムや食物繊維、β-カロテンなどの栄養豊富な食べ物です。

骨の健康づくり、便秘の予防、血糖値や血中コレステロール値の低下など、さまざまな効能が期待されます。

100があたり11kcalとカロリーが低いこともあり、ダイエット中でもたっぷり食べてOKです。

実際に、ひじき(水戻し・茹で)の栄養成分値を見てみましょう。

※出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

乾燥したひじきは水戻しすると約10倍の量になります。

これらに期待される効能について、詳しくお伝えします。

骨の材料となる「カルシウム」

カルシウムは骨を作る材料となり、強い骨をつくるために欠かせません。

日本人はカルシウム摂取量が不足気味であるため、子どもから大人まで積極的に取り入れましょう。

便秘や生活習慣病対策に「食物繊維」

食物繊維は便秘の予防や、血糖値や血中コレステロール値の低下に役立ちます。

食物繊維は便のカサを増やし、排便をスムーズにし、腸内環境を整えるサポートをしてくれます。

また余分な糖や脂質を吸着したり、吸収を妨げたりすることで、血糖値や血中コレステロール値の低下に関わるなど、生活習慣病予防にも大切です。

甲状腺ホルモンをつくる「ヨウ素」

ひじきなどの海産物に多く含まれるヨウ素は、甲状腺ホルモンがつくられる際に必要なミネラルです。

甲状腺ホルモンは、成長や発達に欠かせない働きや、新陳代謝を活発にする働きがあります。

抗酸化作用のある「β-カロテン」

β-カロテンは抗酸化作用があり、活性酸素を除去してくれます。

過剰に産生された活性酸素は細胞を傷つけ、動脈硬化やがん、免疫機能の低下、肌の老化などに関わることが知られています。

骨の健康づくりと血圧低下を期待「マグネシウム」

マグネシウムは骨に存在するミネラルで、骨の健康を守ってくれています。

ほかにも、血圧を下げる働きがあることが注目されており、血圧が気になる方も積極的に取り入れたい栄養素です。

※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

ひじきは鉄がたっぷりじゃないの?

昔はひじきというと「鉄がたっぷり」といわれていましたが、実は今のひじきはそれほど鉄が含まれていません。

昔はひじきを加工する際に鉄釜が使われており、鉄釜から溶けだした鉄のおかげでひじきの鉄が豊富だったのです。

現在はステンレス釜で加工されているため、以前の9分の1ほどの含有量となっています。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

鉄を補給したい方は、ひじきだけでは不十分なので、ほうれん草や小松菜、レバーなどの鉄が豊富な食べ物を組み合わせるようにしましょう。

ひじきとわかめはどちらが栄養豊富?

同じ海藻であるひじきとわかめは、どちらが栄養豊富なのか見てみましょう。

下記は茹でたもの100gあたりの栄養成分値です。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

比較してみると、ひじきの方が栄養豊富であることがわかります。

またひじきはわかめに比べ、たっぷりと食べやすい点からも、栄養補給に向いています。

わかめも栄養豊富ではありますが、より効率的に栄養を摂りたいときは、ひじきがぴったりといえるでしょう。

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