3、むち打ちの後遺障害認定の方法
(1)後遺障害診断書を作成してもらう
後遺障害認定を請求するためには、医師に後遺障害診断書を作成してもらう必要があります。
書式が定められていますので、依頼した法律事務所からもらうなどして入手しましょう。
作成に際しては、自覚症状をもれなく医師に伝えることが重要になります。
自覚症状は本人にしかわからないものであるため、医師に伝えなかったことは記載されません。
特に、むち打ちの場合には画像による客観的な裏付けが不十分な場合もあるので、認定のためには自覚症状の記載も重要になります。
完成した後遺障害診断書の自覚症状の欄に伝えたことが反映されていない場合には、修正をお願いするとよいでしょう。
(2)請求の方法は2種類
後遺障害認定を請求する方法には、「事前認定」と「被害者請求」の2種類があります。
①事前認定
事前認定とは、相手方の保険会社を通じて請求する方法です。
事前認定の場合は、必要書類を保険会社が集めてくれますので、手間が少ないというメリットがあります。
しかし、保険会社があえて自社の支払額を増やすような手伝いを積極的には行わないでしょう。
後遺障害の認定が下りれば、保険会社が支払うべき損害賠償額が増額することとなるからです。
また、どのような書類を提出したかがわからないので、透明性がないという問題もあります。
②被害者請求
被害者請求とは、被害者が自ら書類を集めて請求手続きをする方法です。
被害者請求には、どのような書類を提出するのかを自分でコントロールできるというメリットがあります。
しかし、認定のために必要な書類を正確に把握することは難しいですし、書類を収集するのにも手間がかかります。
被害者請求にて後遺障害認定手続きを行う場合には、弁護士に依頼することを検討してみてください。
弁護士は、認定に必要な書類を熟知しており、手続きを代わりに行うことができます。
少ない手間で適切な認定を得るには、弁護士への依頼が効果的です。
(3)納得いく結果が出なかったら?
請求したものの、等級が認定されなかったり、思っていた等級にはならなかったりすることがあります。
そのような場合でも、異議申立の手続をとることが可能です。
ただし、異議申立手続をしても、後遺障害が残っているという新たな証拠がなければ、結果は同じになってしまう可能性が高いです。
どのような証拠が必要となるのかを判断し、結果を変えるのは簡単ではありません。
どうしても納得がいかないという場合には、弁護士に相談してみてください。
4、むち打ちの後遺障害の認定は弁護士にご相談を
むち打ちの場合、症状が残っていると感じていても、後遺障害等級が認定されないというケースがよくあります。
特に、画像上で明確な異常がみられない場合、認定を受けるためには、後遺障害診断書に以下のような情報が適切に記載されていることが重要です。
陽性であった場合のスパーリングテストその他の検査結果
自覚症状
増悪・緩解の見通し など
しかし、後遺障害認定には、医学知識のみならず、法律的な専門知識も必要になります。
以下のような点については、専門家に相談しなければ把握するのは難しいでしょう。
どのような検査を受けるべきか
後遺障害診断書にはどのような記載が必要か
請求のために必要な書類の種類
残存している症状を適切に伝えるためにはどのようにしたらいいか
弁護士に依頼すれば、後遺障害認定に必要な知識がわかりますし、請求手続きを代わりにしてもらえます。
また、事前認定では提出しないことが多いものの、後遺障害等級の認定に有用な書類・証拠などを揃えて出してもらうこともできます。
保険会社との示談交渉も任せられますので、時間的負担や精神的負担が軽くなるでしょう。
さらに、示談交渉は弁護士基準で行いますので、賠償金の増額も期待できます。
弁護士費用は一定程度かかってしまいますが、ご自身の保険に弁護士費用特約が付帯していれば実質負担がゼロになることが多いので、確認してみるとよいでしょう。
仮に弁護士費用特約が附帯していなかったとしても、弁護士が入ることで増額する賠償金額で、弁護士費用をまかなえることがほとんどです。
むち打ちの後遺障害認定でお悩みの方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
配信: LEGAL MALL