赤ちゃん用体温計のメリット・選び方
一般的な大人用の体温計と赤ちゃん用には、どのような違いがあるのでしょうか?赤ちゃん用の体温計を使うメリットと、商品を選ぶポイントを解説します。
手間をかけずに体温測定できるのがメリット
赤ちゃん用の体温計を使う大きなメリットは、早さと使いやすさです。
計測時間は数秒から数十秒と短く設定されている商品が多く、わきで測るタイプの赤ちゃん用体温計は、肌に触れる検温部が曲がるなど、赤ちゃんの体になじみやすい工夫がされています。
うまくわきに挟まらなかったり、検温中に赤ちゃんが泣いたりするリスクを減らして、親子ともに快適に体温を測れます。
希望に合ったタイプを選ぶことが大切
体温計には、検温開始からの温度変化などにより体温を予測する「予測式」と、検温時の検温部をダイレクトに計測する「実測式」の2種類があります。検温部位はわき・耳・おでこが一般的です。
なかには予測式・実測式の「両用タイプ」や、肌に触れないで検温できる「非接触タイプ」もあります。
できるだけ短時間で正確な体温を知りたい場合には、わきに挟む予測式がおすすめです。一方で家族の体温チェックといったように複数で共有する場合は、衛生的かつスピーディーに検温できる非接触タイプが向いているでしょう。
なお、実測式は正確な数値が分かる反面、計測には10分ほどの時間が必要になる場合があります。親子の負担を考慮すると、赤ちゃん用の体温計には予測式か両用タイプが適しています。
その他の機能・医療機器表示もチェック
赤ちゃん用の体温計には、育児の負担を軽減する便利な機能が付けられています。例えばバックライト・ミュート機能は、寝ている赤ちゃんの体温チェックにぴったりです。
バックライト機能があると体温計の液晶部分が光り、暗い部屋でも数値を確認でき、ミュート機能で音が消せると、赤ちゃんの睡眠を妨げずに体温を測れます。ミルクをつくる機会が多い場合は、温度計機能が付いた赤ちゃん用体温計も便利です。
体温計は医療機器に該当するため、製造・販売する際には第三者認証が必要になります。認証されていない商品を避けるため、購入時は商品パッケージに「医療機器」と明記されているか、日本語の説明書が付いているかを確認しましょう。
参考:Q1 体温計を購入する際、気を付けることは何でしょうか。| 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
わき専用・予測式の赤ちゃん用体温計
わき専用・予測式の体温計は、病院などでも使用されています。わきに挟んで使う予測式の体温計は、赤ちゃんから大人まで幅広い年代での使用が可能です。
オムロン「電子体温計 MC-682 けんおんくん」
約15秒で10分後の体温を予測し、液晶画面に日時・数値が表示されます。検温部にはやわらかいゴム素材が使われており、赤ちゃんのわきにもフィットしやすい設計です。
「ブザー音オフ機能」で検温終了の音をオフにしておくと、寝ている赤ちゃんを起こすリスクを減らせます。体温計がきれいにすっきりと収まるケース付きで、衛生的に使えます。
10回分の数値を記憶できるメモリー機能は、育児記録・発熱時の体温チェックにも便利です。使わないまま時間がたつと自動的にオフになるので、うっかりと電源を切り忘れたときも安心です。
・商品名:オムロン「電子体温計 MC-682 けんおんくん」
ドリテック「TO-200 やわらかタッチ体温計」
電池カバーを除き抗菌加工をした樹脂を使用し、衛生面にも配慮されています。先が曲がる検温部は、赤ちゃんのわきにフィットしやすい形状です。
約30秒で予測体温が分かり、測定結果が37.8度以上だとブザーのリズムが変わります。画面を見なくても音で発熱を把握できるので、慌ただしい育児期にぴったりの商品です。
電源の切り忘れに便利なオートパワーオフ機能や、体温計がぴったりと収まるケースも付いています。電池を交換して使うタイプのため、長く使えるのもポイントです。
・商品名:ドリテック「TO-200 やわらかタッチ体温計」
タニタ「電子体温計 BT-470」
大型の液晶表示や、青く光るバックライトで数値を確認しやすい体温計です。検温部にはやわらかな素材を使用し、曲がりやすく設計されています。
約20秒で測定できるので、赤ちゃんの不快感を少なくした体温チェックが可能です。前回の値を記憶するメモリー機能は、毎日の体調管理にも役立ちます。
さらに検温部が水洗いできるため、衛生的に使えるのもポイントです。赤ちゃんはもちろん、家族で共有する体温計にも向いています。
・商品名:タニタ「電子体温計 BT-470」
耳・おでこで測る赤ちゃん用体温計
じっとしない赤ちゃんのわきに体温計を挟むのは、時間と手間がかかる傾向にあります。できるだけスムーズに体温測定をしたい場合には、耳・おでこに当てる赤ちゃん用体温計がおすすめです。
コンビ「ベビーレーベル 耳式たいおん計」
ベビー・育児用品を販売するコンビの体温計は、手になじみやすい丸みのある形状をしています。本体に25回分のデータを記憶できる機能は、育児日誌はもちろん、発熱した際の体温記録にも便利です。
測定温度が37.5度を超えるとアラームが鳴るため、発熱を見逃しにくいのが特徴です。さらに測定結果が表示される画面にはLEDのバックライトが付いており、夜間でも赤ちゃんの体温をチェックできます。
・商品名:コンビ「ベビーレーベル 耳式たいおん計」
オムロン「耳式体温計 MC-510 けんおんくんミミ」
手のひらサイズの耳式体温計は、検温部を鼓膜に当てて測定します。耳の奥にある鼓膜は方向が分かりづらく、測定にはコツがいるのも事実です。
商品に搭載されている「ぴったりセンシング機能」は、鼓膜の位置をセンサーで知らせてくれます。耳式タイプを使った経験がない人でも、スムーズに検温しやすいのが特徴です。
最短だと鼓膜に当ててから1秒ほどで体温を測れるため、赤ちゃんを待たせる時間を少なくして体温を測れます。専用の収納ケースを使うと、帰省・旅行の際にもバッグに入れて持ち運べます。
・商品名:オムロン「耳式体温計 MC-510 けんおんくんミミ」
温度計にもなる非接触型の赤ちゃん用体温計
触れずに使える非接触型の体温計は、感染症の予防という観点からもおすすめです。赤ちゃんのミルク・離乳食・お風呂など、様々なシーンで役立つ温度計機能付きの体温計を紹介します。
アイリスヘルスケア「ピッと測る体温計 スティックタイプ すみっコぐらし DT-104」
1秒ほどおでこにかざすだけで検温できる体温計は、握りやすいコンパクトなデザインが特徴です。
大型のバックライトには、体温によって色が変わる機能が付いています。32〜37.4度は平熱の緑、37.5〜38.4度は微熱の黄、38.5〜42.9度は高熱を表す赤に変わります。
色で発熱の状態が分かるので、赤ちゃんが成長したら「何色だった?」と質問しておおまかな測定結果をチェックする方法もおすすめです。
最大で32件の測定結果を残せるため、育児日誌に体温を書き忘れた際に振り返って確認できます。
・商品名:アイリスヘルスケア「ピッと測る体温計 スティックタイプ すみっコぐらし DT-104」
ベビースマイル「非接触式体温計 ベビースマイル Pit S-709」
対象年齢0歳から使える体温計には、寝ている赤ちゃんを起こしにくいサイレントモードが搭載されています。
持ちやすいスティック型で、丸い画面の下に電源・モードの切り替えボタンなどが付いているのが特徴です。本体を握ったまま体温計・温度計に切り替えられるので、育児のシーンに合わせて使えます。
センサーを搭載しており、おでこにかざしてから約0.1秒で体温を測定できるのもポイントです。37.6度以上になると画面が赤に変わる高温アラーム機能は、赤ちゃんの健康管理にも役立ちます。
最大で19回分の測定値を保存できるメモリー機能は、育児日誌はもちろん、発熱時の体温チェックにも便利です。
・商品名:ベビースマイル「非接触式体温計 ベビースマイル Pit S-709」
エジソンママ「さっと測れる2Way体温計 KJH1004」
耳・おでこの両方で検温できる体温計は、そら豆のようなデザインが特徴です。耳で測る場合はキャップを外し、検温部を耳のなかに入れると約2秒で温度が画面に表示されます。
おでこで測る際はキャップを付けたまま、体温計を横にスライドさせます。約3秒で、スライドした範囲内のうち1番高い温度が測定結果とされる仕組みです。ミュート・バックライト機能は、赤ちゃんの昼寝・夜間の計測に役立ちます。
使用しないままで約30秒が経過すると自動的にオフになるので、電源を切り忘れた際にも安心です。赤ちゃんから大人まで、すべての年代で使用できる体温計は家族用にも向いています。
・商品名:エジソンママ「さっと測れる2Way体温計 KJH1004」
実測もできる赤ちゃん用体温計
「予測よりも正確な数値を知りたい」という場合には、実測ができる体温計が便利です。予測・実測の両方に対応した、赤ちゃん用の体温計を紹介します。
シチズン「電子体温計 CTE707」
シンプルなデザインの体温計は、約15秒の予測式・約10分の実測式の両用タイプです。予測式の検温が終了してからもわきに挟んだままでいると、自動的に実測式に切り替わります。
やわらかくて曲がりやすい検温部は、赤ちゃんのわきにフィットしやすい形状です。ボタンの中央が凹んでいるため、測定中に赤ちゃんが動いて電源が切れるリスクを抑えられます。
防水タイプの体温計なので、赤ちゃんの汗・よだれなどで汚れたときに丸洗いできるのもうれしいポイントです。
・商品名:シチズン「電子体温計 CTE707」
ピジョン「チビオンフィット」
育児用品を幅広く扱うピジョンからは、赤ちゃんのわきに挟みやすい、だ円型の体温計が販売されています。
一般的なわき型の体温計よりも検温部が短いため、動きが活発な赤ちゃんにも使いやすいのが特徴です。予測式は約30秒、実測式だと約10分で赤ちゃんの体温チェックができます。
ライトが付いているので、暗い部屋でも体温計を差し込みやすいのもポイントです。測定結果が小数点以下2ケタまで表示されるため、正確な体温を把握したい人にも向いています。
・商品名:ピジョン「チビオンフィット」
まとめ
赤ちゃん用の体温計は、検温部が曲がったり、測定時間が短かったりするのが一般的です。できるだけ赤ちゃんに負担がかからないように設計されているため、検温の手間が少なく済みます。
赤ちゃんの検温には、時間がかからない予測式タイプがおすすめです。より正確な体温を知りたい場合には、わき専用の体温計を選ぶ方法もあります。
耳やおでこに当てるタイプ・非接触タイプは、毎日の体温チェックにも便利です。希望に合った赤ちゃん用体温計を選び、育児の負担を減らしましょう。