心配な子どもの留守番。効果的なオススメ対策

第3回 子どもの留守番。親として気をつけたいこととは?
子どもに留守番をさせるとき、危険回避対策はもちろんですが、安心して過ごせるために親としてどんな対策をしていますか? そこで、子どもの留守番に効果的なおすすめ対策を、子どもの危険回避研究所の所長・横矢真理さんに教えていただきました。

「お留守番は、お子さんの成長につながる経験にもなります。しかし、それは安全な環境の確保や精神面のフォローがあってこそ。お子さんが安心して留守番できる環境づくりに役立つ工夫をいくつかご紹介します」(横矢さん 以下同)

●親のメッセージ入りのチェックリストを置いていく

安全面や生活面などのチェック項目リストをチェックさせることで、子どもに気をつけなければならないこと、やらなければならないことをしっかり認識させ、実行させる効果があるそう。

「これは、実践していらっしゃる親御さんがとても効果があるとおっしゃっています。お子さんが帰ってきたときに、テーブルに置いておきます。“お帰りなさい! 今日は学校楽しかった?”など、メッセージを書いて、確認しなければならないチェック項目を書いておきます。“玄関の鍵はしめましたか?”“手洗い、うがいはしましたか?”“宿題はしましたか?”など。こうすることで、お子さんはとっても喜んで項目に書かれていることをやり、チェック印を書き入れるそうです。安全面だけでなく、親御さんがちゃんと自分のことを見守っていてくれる安心感にもつながり、とても効果的です! もちろん、その日ちゃんと留守番ができたら褒めてあげることも忘れずに!」

留守番する子どもへのチェックリスト

●親子がそれぞれの予定をきちんと把握しておく

親が子どもの予定を把握していることは当然ですが、意外と忘れがちなのが、子どもに親の予定をしっかり伝えておくことだそう。

「親の帰宅時間はもちろん、何時から何時までは何をしていて、何時から何時までは電話がつながる。緊急時に電話がつながらない場合は、誰に電話する、誰を頼る…など、しっかり伝えておくことで、お子さんの安心感はもちろん、いざというときの行動がとりやすくなります」

●防災、救急グッズの備えと対処法

地震、火事などの突然の災害や、お子さんの留守中のケガなどがあった場合の対策として、子ども用のグッズを揃えておくこともおすすめだそう。

「留守番中用に、防災グッズや救急グッズを揃えることで、より安心、安全な状況を確保できることはもちろんですが、そのグッズを通してお子さんとそういった緊急事態が起こったとき、どう対処するか? などについて、親子でいろいろ話し合うきっかけにもなるんです。グッズの管理も子ども自身にさせると、より意識を高めることにも役立ちます」

●日ごろから、家族で緊急事態を想定した話し合いをしておく

子どもの留守番中の危険回避対策として、もっとも効果があるのがコレだそう。

「留守番については、お子さんの環境、お子さんの成熟度、経験値…などみんなそれぞれまったく違うので、“こうすれば完璧!”という正解はありません。わが子の日々の生活を見て、ここまでならできる、ここからはまだ無理…など、判断したうえで、親子で“こういうときは、どうする?”という、具体的な想定について話し合っておくことが何より大事です。想定パターンもひとつでは違った事態が起こったときに、どうしていいかわかりません。いろいろなありうる想定について考えておきましょう」

“留守番中に、カギをなくしてどうしていいかわからずさまよってしまったお子さんのご両親が、次回からはこうするといいよ、というオリジナルストーリーの絵本を作って、お子さんに対処法を伝えたというお話も参考になります。絵本の中では、危機を次々乗り越えていて、次回はきっとうまくいくと自信をつけるような内容です。良い工夫ですね。わが子の性格、置かれている環境、成長の段階などをよく観察し、その子が無理なく安心して留守番できる環境づくりを心がけることが何より重要なようです。
(構成・文/横田裕美子)

お話を伺った人

横矢真理
横矢真理
子どもの危険回避研究所・所長
平成11年より、「親子で生きる力を養う」ためのサイト「子どもの 危険回避研究所」(http://www.kiken-kaihi.org/)を主宰・ 運営し、子どもに関わる事故・犯罪・災害・虐待・環境問題など の情報を提供。全国各地での講演活動、新聞・雑誌への寄稿 など、幅広いフィールドで「生活安全教育」の普及活動を続けている。
平成11年より、「親子で生きる力を養う」ためのサイト「子どもの 危険回避研究所」(http://www.kiken-kaihi.org/)を主宰・ 運営し、子どもに関わる事故・犯罪・災害・虐待・環境問題など の情報を提供。全国各地での講演活動、新聞・雑誌への寄稿 など、幅広いフィールドで「生活安全教育」の普及活動を続けている。