暖房を入れても部屋が寒い原因と、お財布にやさしい防寒対策

窓と床以外のポイントもご紹介! 具体的な防寒対策

部屋が寒い原因を知ったら、実際に防寒対策を施していきましょう。ここでは窓と床を中心とした、具体的な方法をご紹介します。

窓の防寒対策、具体的に何をすればいい?

Yuuさん曰く、「空気はとても優秀な断熱材」。そのため、窓まわりの断熱性能を上げるには、窓の内側に空気層を作ると良いそうです。

「まず、窓にはカーテンを隙間なく掛けること。カーテンと窓の間に空気層ができて、部屋の中を暖かく保ちやすくなります。カーテンは厚手で密に織ったものを選び、“リターン”と呼ばれるサイドを巻き込んだスタイルにするといいですね。コツは空気ができるだけ漏れないようにすること。冷気は下に流れますから、カーテンは床のぎりぎりまで長くしておくのもポイントです。長さを若干調節できるアジャスターフックを利用しても良いでしょう。

このほか、以前もお話
したように、ハニカムスクリーンを使ったり、内窓を取り付けたりするのも効果的です。最近は戸建ての窓の交換リフォームでも、外壁の補修なしでできるようになっているので、気になる方は検討してみては?」

手軽なものからリフォームまで、具体的な床の防寒対策

「床にラグやカーペット、コルクマット、ジョイントマットを敷くと足元が暖かく感じられるようになり、寒さが軽減できます。暖かくふわふわとした感触で、温もりを感じさせてくれる点も良いですね。また、ホットカーペットを敷く際は、熱が床下に逃げないように、その下に断熱シートを敷きましょう。電気代の節約にもなるうえに、フローリングを熱から守る効果も期待できます。こたつの場合も同じように、床敷きの下に断熱シートを敷くのがおすすめ。

なお、最近の床暖房リフォームは、意外と手軽な工事で設置できるようになっています。床暖房対応のフローリング材も多いので、好みにあった床材を選べますよ。その際は一緒に床下の断熱工事もしておきましょう」

家全体の断熱性を上げるなら……本格リフォームのポイント

「本格的に断熱リフォームをするなら、窓を中心に、玄関ドアや床下、壁、天井なども対象にしましょう。国や自治体ではさまざまな補助制度を設けているので、検討する際は確認してみてくださいね。ただし、本格的な断熱リフォームには技術が必要となります。断熱は気密、通気、そして換気とセットで考える必要がありますから、断熱工事の経験豊富な事業者に依頼してください」

他にもいろいろ! 寒さを軽減するためにできること

「断熱性能を上げるという点では、壁に対策をするのも良いでしょう。マンションの場合、北向きの部屋はコンクリートの壁から冷えを感じることもあるので、壁にラグを掛けるアイデアも。

このほか、インテリアの工夫でも温かみを感じさせる空間にできます。たとえば、照明の色。色温度が低い黄色やオレンジといった白熱灯の色は、温もりを感じさせてくれます。ちなみに、色温度が高い白や青白い色の照明は、涼しげで夏向き。今どきは色が簡単に切り替えられるLED照明がありますから、季節によって光の色を変えると良いでしょう。インテリアも同じように考えて、クッションやソファカバーなどを暖色系でふわふわとした肌触りのものにすると、温もりを感じる空間づくりができますよ」

さらにYuuさんによると、湿度を上げることも効果的なため、加湿機は必須だとか。これについては、次項で詳しくご紹介しましょう。

できるだけ早く快適にしたい! 効率の良い部屋の暖め方

「効率良く部屋を暖めることができれば、寒い冬を暖かく過ごしながら、地球にもお財布にもやさしい暮らしができるようになります」と、Yuuさん。

寒さの原因を理解して、太陽光も活用しよう

「そのためには、まず寒さの仕組みを知ることです。先ほどもお話しした、窓から流出する熱が多いこと、冷気は足元に流れていって下方に溜まることを理解しておけば、自然と対策が見えてきます。

また、太陽を味方に付けることも大事。日射熱は夏の暑さの主な原因ですが、冬は暖かさの源。太陽が入る時間帯は太陽光をたっぷりと室内に取り込んで、部屋を暖めましょう。たとえば雨戸が付いている家なら、日が差し込んでいる間はカーテンを開けて日射を取り入れ、日が陰ってきたら早めに雨戸を閉めると、暖かさを保ちやすくなります」

部屋の湿度を上げることで体感温度をアップ

「実は室温を上げなくても、湿度が上がると暖かく感じるようになります。湿度は体感温度と大きく関係しており、湿度を上げると暖かさを、下げると涼しさを感じるもの。快適な湿度は50%前後なので、加湿機などを上手に使うと良いでしょう。わが家の場合、冬は洗濯物の部屋干しをしています。ただし注意したいのが過加湿。湿度を上げすぎると結露とカビを促進してしまうので、湿度計を利用するなど、適正な湿度となるように心がけてください」

お部屋を加湿するなら、加湿機能付きの空気清浄機やPanasonicのジアイーノも編集部としてはおすすめです。

エアコンの風向きを調整して温度ムラを解消

「暖かい空気は上に溜まりますから、エアコン暖房の風は下向きが基本です。今どきのエアコンは暖かい空気を上に行かせずに、足元を暖めてくれる機能が付いていたりするんですね。そういった機能を上手に使えば、設定温度を上げ過ぎずに暖かさを感じることができるので、結果、省エネとなり、電気代の節約ができるようになりますよ」

例えばPanasonicのエオリアLXシリーズなら、温風を足元にしっかり送る機能が。しかも暖房しながら加湿もできるので、冬も快適に過ごせそうです。

エアコン+サーキュレーターで効率良く暖める

「以前の記事でもお話ししたように、電気代を節約しつつ部屋を快適に暖めるには、エアコンとサーキュレーターの併用がとても効果的。サーキュレーターはエアコンの斜め対角線上に置き、上向きに風を送ると室内の上にたまった暖気を巡らせることができ、温度ムラを抑えられます」

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