●ユーチューバーでもいいけど、なりたい理由が大事
「夢というと、ものすごく大きくて立派なものじゃないといけないと思うかもしれませんが、夢に大きいも小さいもありません。将来の夢じゃなくても、“家族で旅行に行きたい”など、身近な夢でもいいのです。何よりも重要なのは、夢を持つこととその“理由”なのです」(菅野氏 以下同)
最近の小学生に多い「夢はユーチューバー」という答え。「なぜこの夢なの?」と聞いていくと、理由は実に様々だ。「自分の知識をみんなに伝えたい」なら映画監督やテレビプロデューサー、「みんなに注目されたい」ならタレントやアナウンサーという選択肢もあるかもしれない。子どもが単純に「ユーチューバー」と答えるのは、職業に結び付ける「知識」がないだけで、彼らのなかにある「理由」に目を向けると、夢は大きく広がる。その「知識」の部分をサポートするのが大人の役目なのだ。
●楽しみながら夢が見つかる4ステップ
夢と理由をうまく導き、発見できたら…そんな想いから生まれた「日本ゆめ教育協会」が実践している“夢探検マップ”のプロセスを、菅野氏がナビゲートしてくれた。
「まず始めに行うのは『GOOD!CLAP!SMILE!』です。子どもからどんな答えが出てきても『いいね!拍手!笑顔!』で、今日はなんでもOKという空気にしてあげてください。ワークショップなどで行う場合は、子どもと保護者を分けて本音を言いやすくしています」
1、 好きなことゲーム
「好きなこと・もの」「欲しいもの」「やってみたいこと」をそれぞれ2分以内で書き出します。
そうすると頭のなかにある“夢のタネ”が見えるようになります。
2、 自分の夢探検マップ
夢につながる6つの項目に思いつくワードを書いて「なぜ?」と自分に問いかけながらキーワードをどんどん書いていきます。ペアで質問し合うことでさらに広がっていきます。
3、 夢まとめシート
「夢と叶えたいこと」「なぜそう思ったのか?」「それを叶えてどんなことをしたいのか?」の3つをまとめます。一番大事なのは、「なぜそう思ったのか?」です。
4、 見つかった夢を色紙にデザインします。
3つのなかから今一番ワクワクするものを色紙に描きます。
イベントで実践する時は、その場で夢を発表するが、家でやる場合は、見えるところに貼っておき、夢が変わったら書き直すのもいいかもしれない。常に見えるようにしておき、今やっていることや勉強が将来の夢にどんな風に役に立つのかを話し合う機会を作れば、勉強への取り組み姿勢も変わる可能性がある。また、夢がなんだかわからなくなってしまった時は、プロセス2でやった「夢探検マップ」を見直せば、たくさんのキーワードのなかに、必ず夢のタネがあるはずだ。そこから再び夢探しをすれば、親子のコミュニケーションにも! 夏休み終了まであとわずか。親子で一度、トライしてみてはいかが?
(取材・文/谷亜ヒロコ)