「“○○くんが僕のこと叩いた~”と、泣いてママに訴えてきたわが子。それをすぐ真に受けて“○○くんがウチの子にひどいことをしたんだ”などと思ってはいけません。お子さんは、ただただ悲しくて、慰めてほしくて、ママのところにきたのです。ですから、こんなときは、“よしよし、悲しいね”と、悲しい気持ちを受け止めて抱きしめてあげましょう。現場を見ていない限りは事の真相はわかりません。わが子が先に手をだしたことが原因かもしれませんし、一方的に相手を非難しないようにしてくださいね」(立石さん 以下同)
また、子どもは他人の行いをママに告げ口してくることも。
「“○○ちゃんがお友達を叩いて、先生に怒られた”などと、告げ口してくるケースです。実は、子どもの深層心理のなかに“私は悪いことしてないよ。だからいい子でしょ?”と、ママに認めてもらいたい気持ちがあるだけなんです。子どもが学校の担任の先生に“○○くんが授業中に落書きしてました~”などと、友達のことを告げ口するケースも同じです。つまり、どちらもお手柄をみせて自分をアピールしたい、気を引きたい、かまってほしい気持ちの表れなのです」
では、こういうときの対処法とは?
「自分をアピールしたい、気を引きたいがために他人の粗さがしをしているだけ。決して悪いことではないのです。ですから、“お友達のことを告げ口なんかしてはダメ!”と、どうか叱らないでください。“あら、そうなのね”と、あえて軽く受け止めましょう」
また、安易に同調してしまうことも、ますますエスカレートさせてしまううえに、次のような弊害も…。
「“そうなの。○○ちゃん悪い子ね。真似しちゃダメよ”とか、“○○くんのように○○しないようにね”というふうに同調してしまうと、また手柄をあげようと告げ口がエスカレートするだけでなく、人を見た目や態度で見下すようになってしまいます。他の子の良くない態度を告げ口してきたときは、サラリとかわしましょう。人は人です。お友達がどうであれ、わが子がそのときやらなければならないこと、正しいことを教えていくだけでいいのです」
子どもの言動の深層心理を汲み取り、親が子どもに翻弄されないようにしっかり導いてあげたいものですね。
(構成・文/横田裕美子)