「グローバル化も進むこれからの時代を生き抜くためには、自分のやりたいことを、自分でどんどんやっていく“自主性のある人=自己実現力”のある人がますます必要とされていきます。昔のように、社会の歯車になり、上司に言われたことを効率よくこなす…という人では、生きづらい世の中になっていくのです」と、話すのは教育評論家の親野智可等先生。
その流れは、すでに学校教育にも反映されているという。
●学校教育が「知識の詰め込み」から「能動的に学ぶ」へ
「皆さんは、“アクティブ・ラーニング”という言葉を聞いたことがありますか? これは、次回の学習指導要領改訂の一番の目玉とされているもので、“能動的に学ぶ”ということです。つまり、わかりやすく言うと、先生からの知識を詰め込む教育ではなく、子どもたちが自ら能動的に学ぶ教育に転換していくということなのです」(親野先生、以下同)
以下のように、学習指導要領が改訂になるという。
●幼稚園…2018年度(平成30年)から
●小学校…2020年度(平成32年)から
●中学校…2021年度(平成33年)から
●高等学校…2022年度(平成34年)から
もう、その時期はすぐそこまできている。つまり、このように自主性なくして生き抜けない将来を見据えて、教育はもちろん、親たちもしっかり子どもたちを導いていかなければならないという。
●これからの時代は、自分の人生を自分で展開できる「自主性」が求められる
「家庭でも、しっかりお子さんの自主性を育てていかなければ、大人になって急に自主的に行動などできません。自主性というのは、親に言われたことをしっかりこなす子、親がやらせたいことをやる子ではありません。自分でやりたいことをみつけて、自分でどんどんやっていける子です」
そのために親がすべきことは、子どもがやりたいことの芽を摘まないことだという。
「子どもがやりたいこと、興味を持ったことを親御さんがどんどん応援してやることです。そういう環境で育った子は、“自分はやれる”という自己肯定感が育まれ、自主性を持って力強く、そして幸せに人生を生き抜いていけるのです。言われたことはしっかりできるけれども、特に自分でやりたいことはない…こういう生き方はなんとも寂しいですね。人は、自分の人生を自分で展開する、そのために生まれてきたのですから…」
子どもが笑顔になれること、輝けることを、親としてせいいっぱい応援する。それこそが、わが子がこれからの世の中を生き抜いていくための大きな原動力となるようです。
(構成・文/横田裕美子)