離婚拒否を成功させる6つの対処法と法的手続き

離婚拒否を成功させる6つの対処法と法的手続き

3、離婚を拒否する手段|離婚届不受理申出制度を利用しよう

婚姻届、協議離婚届、養子縁組届、協議離縁届、認知届の5つの届出については、予め各市町村役場に申し出ることで届出を拒否することができる不受理制度を利用できます。

配偶者が勝手に離婚届を出してしまいそうな場合には、離婚届不受理制度を利用してみるといいでしょう。  

(1)離婚届不受理申出制度とは

離婚届不受理申出制度とは、各市区町村役場に勝手に申請書が提出されないように阻止する制度です。

例えば、配偶者が離婚を望み配偶者が勝手に押印し役場に離婚届を提出しそうな場合には、先回りして不受理にしてもらえる制度。

この届け出は提出された日時から効力を発揮し、離婚届不受理申出を行った本人が一緒に役所に行かない限り離婚届は受理されません。

また有効期限がないため、取り下げをするまで有効です。  

(2)手続きの進め方

離婚届不受理申出制度を利用したい場合の手続き方法は簡単です。

本籍地か住民票のある市区町村の役場の戸籍課で申請ができます。

申請に必要な物は免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類です。離婚届不受理申出書は戸籍課でもらえます。

離婚届不受理申出書に必要事項を記載し本人確認書類と一緒に提出すれば完了です。

4、離婚を拒否しても相手から別居したいと言われたら?

離婚を上手に拒否したとしても相手から別居を申し入れされた場合には、どのような対処が適切でしょうか。

もしも離婚をしたくないなら安易に別居を受け入れてはいけません。

(1)法律上、夫婦には同居義務がある

民法752条では「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と、夫婦の同居義務、協力義務、扶助義務について規定されています。

しかし、夫婦にも事情がありますから法律的な強制力はありません。

仕事の都合で同居できないパターンもありますし、DVなどの被害から身を守るためも考えられるからです。

また別居期間が長引けば「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとして、事実上の夫婦関係の破綻とみなされ、調停離婚や裁判離婚では不利になってしまうでしょう。

そのため、どうしても離婚を回避したいなら簡単に別居に同意しないことをおすすめします。  

(2)収入次第では婚姻費用を請求される可能性がある

また別居したとしても夫婦関係は継続しています。

婚姻費用の分担は民法760条で定められた義務です。

別居したとしても生活費を配偶者に渡さなければいけません。

勝手に家出をしたにもかかわらず婚姻費用を請求される可能性がありますので注意してください。

ただし、婚姻費用の分担は夫婦間の収入差で請求できる側が決まります。

専業主婦が家出をしたなら妻から夫に婚姻費用を請求できるというわけです。  

(3)話し合いでできる限り回避できることが望ましい

できるだけ話し合いで別居を回避するようにしてください。

別居をすることで後々裁判離婚に発展した場合に不利になってしまいます。

とはいえ、離婚は阻止できても別居したいと言われたならなかなか別居を阻止できない可能性があります。

相手の離婚する意思が固いケースでは、話し合いで譲歩することも必要です。

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