子育ての“自由のびのび”と“放任放置”の違いに要注意!

第1回 子育ての“自由のびのび”と“放任放置”の境界線
親の子育ての過保護・過干渉が問題視される昨今。ならば、わが子を自由にのびのび育てたい! と思っている親御さんは多いはず。しかし、“自由のびのび”も意味を履き違えてしまうと、”放任放置“になってしまう危険性もあるという。そこで、子育ての“自由のびのび”と“放任放置”の違いについて、子育て本作家の立石美津子さんにお話しを伺いました。

●“自由のびのび”子育ては、ほったらかしの子育てではない

「“自由のびのび”という言い方を隠れ蓑に、お子さんを“放任放置”してしまっていることに気付かないケースがあります。このふたつは、根本がまったく違うので、きちんと理解していなければなりません」(立石さん 以下同)

では、“自由のびのび”子育ての真意とは?

「子どもの判断や意思を尊重することで、自立心を養い、可能性を広げ、自分らしさ・個性も伸ばせる子育てです。しかし、だからといってすべてほったらかしでいいということではないのです。つまり、重要なことは、親として、子どもが健全・健康に育つ環境を確保するという育児義務を果たし、生きていくうえで必要な規範意識も身につけさせることは当然のことと理解しておかなければなりません」

子育ての“自由のびのび”と“放任放置”の違いに要注意!

●放任放置は、親が子の将来を考えていない愛情のない行為

子どもは、放っておいていろいろなことが身に着くのではなく、大人が教えてこそ身に着くもの。だからこそ、小さいうちからその点は親がしっかり導かなければいけないという。

「例えば、お菓子は食べ放題、ゲームはし放題、門限はない…と、何をしてもOKと放任放置されて育った子は、健全な生活環境が得られないだけでなく、規範の中でルールを守ることや我慢することを知らないので、恥ずかしい思いをしたり、人との関わりで亀裂が生じやすく、将来生きていくうえで大きなダメージになりかねません。これでは、親御さんはそんなつもりはなくても、“子どもがどんな大人になっても知ったことではない”…というのと同じで、放任放置=子どもの将来を考えていない愛情のない親の行為とも言えるのです」

まずは、親がきちんと土台となる規範意識やしつけを教育していることが前提。それ以外の日常のさまざまな選択、例えば何を着る、何をして遊ぶ、好きなメニューを選ぶ、挑戦するかしないか…などといった選択については子どもの意思をできるだけ尊重し、親は子を遠くから見守り、サポートしていく。そういう点が、“自由のびのび”子育ての重要なポイントだと、立石先生は話します。

「ルールのないゲームがゲームとして成り立たないように、一定の枠組みがない自由は社会では認められるものではありません。“自由のびのび”を教育方針に掲げて、間違っても子どもを“放任放置”してしまうことのないように気をつけましょう!」

しっかり親としての愛情を注ぎ、育児義務を果たしたうえで、お子さんが“自分らしく生きる”ためのサポートをしてあげたいものですね!
(構成・文/横田裕美子)

お話を伺った人

立石 美津子
立石 美津子
子育て本作家・講演家。著書は『一人でできる子が育つ テキトーかあさんのすすめ』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『1人でできる子になるテキトー母さん流子育てのコツ』『立石流 子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方 』など。
子育て本作家・講演家。著書は『一人でできる子が育つ テキトーかあさんのすすめ』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『1人でできる子になるテキトー母さん流子育てのコツ』『立石流 子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方 』など。