替え玉受験は依頼した方も犯罪!刑罰や発覚したときの対処法は?

替え玉受験は依頼した方も犯罪!刑罰や発覚したときの対処法は?

3、替え玉受験は依頼した方も犯罪!問われる罪は?

替え玉受験では、本人になりすました人が実行犯となりますが、替え玉受験を依頼した人も罪に問われる危険性があります。

替え玉受験は、替え玉受験を依頼した人と請け負った人の二者が必ず必要になる犯罪類型といえます。

依頼した人と請け負った人は、互いに「共犯」の関係にあると判断される可能性があります。

共犯の類型には、①共同正犯②教唆犯③幇助犯の3つがあります。

①共同正犯と②教唆犯は、「正犯」として、実行犯と同じ刑が科せられます(刑法60条、61条)。

③幇助犯は、「従犯」として、実行犯よりも刑が減刑されます(刑法62条、63条)。

たとえば、替え玉受験で、実行犯に有印私文書偽造罪・同行使罪が成立する場合、実行犯に依頼した人が正犯となれば、3月以上5年以下の懲役となります。

4、替え玉受験が発覚すると逮捕される?

替え玉受験を依頼した人も請け負った人も、理論上は、逮捕される可能性があります。

逃亡や罪証隠滅のおそれがある場合には、逮捕の必要性があるとして逮捕される場合があります。

たとえば、単身・無職や住所不定の人、警察からの呼出しに応じない人は、逃亡のおそれがあるという理由で、替え玉受験の依頼者と実行犯の間で口裏合わせをするおそれがある場合は、罪証隠滅のおそれがあるという理由で、逮捕される可能性があります。

実際に、替え玉受験で逮捕されたケースをご紹介します。

・ウエブテストを替え玉受験 容疑で関電社員の男を逮捕、4千件以上と自称 女子大生も書類送検

(https://www.sankei.com/article/20221122-QQFBTRJSQVL57B24ZAY3RGW2IM/)

・就活「替え玉」関電社員の男再逮捕 男子大学生2人書類送検 警視庁

(https://www.sankei.com/article/20221219-SYTUVT223JKYVD62WJIOZ2ZTH4/)

関西電力社員の男性が、大学生から依頼されて就職活動のWebテストを替え玉受験したケースです。

このケースでは、実行犯である関西電力社員の男性は逮捕されていますが、大学生はいずれも書類送検のみであり、逮捕はされていません。

替え玉受験の場合、実行犯の方が逮捕されやすい傾向にあるでしょう。

特に、複数人から替え玉受験を依頼されている実行犯で、替え玉受験によって得た利益も高額になる場合、刑罰も重くなることが予想されます。この場合、重い刑罰をおそれて実行犯が逃亡するおそれがあるとして逮捕される可能性があります。

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