エアドロップ痴漢で逮捕される?刑罰と逮捕されたときの対処法

エアドロップ痴漢で逮捕される?刑罰と逮捕されたときの対処法

3、エアドロップ(Airdrop)痴漢で逮捕される?

エアドロップ痴漢の行為が発覚した場合、警察に逮捕されるのでしょうか。

(1)逮捕される可能性は十分にある

これまで見たように、エアドロップ痴漢はれっきとした犯罪ですので、発覚すれば逮捕される可能性は十分にあります。

通常の痴漢の犯人が逮捕されたニュースがたびたび報道されていますが、エアドロップ痴漢で逮捕されたニュースも実際に報道されています。

(2)実際の逮捕事例

2018年7月、電車内で正面に座った女性のスマートフォンにわいせつ画像を送信したとして、兵庫県の30代の男性会社員が迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。

不審に思った女性が犯人を撮影していたことから警察に発覚し、逮捕に至ったとのことです。

(3)書類送検された事例

2018年8月には、電車内で数人の乗客のスマートフォンにわいせつ画像を送信したとして、和歌山県の40代の会社員男性が迷惑防止条例違反の疑いで書類送検されました。

逮捕された後に釈放されて書類送検されるケースもあれば、逮捕されないまま書類送検されるケースもあります。

通常の痴漢で逮捕される人が数多くいるのと同様に、エアドロップ痴漢の行為が発覚すれば逮捕されることを覚悟しておかなければならないといえます。

4、エアドロップ(Airdrop)痴漢で逮捕されてしまったときの対処法

エアドロップ痴漢で逮捕された場合、最終的に刑罰に問われる可能性があります。

迷惑防止条例違反の事案では、略式命令(書類のみで行われる裁判)で罰金刑となることが多いですが、その場合でも前科がついてしまいます。

しかし、逮捕後に適切に対処すれば、不起訴処分となり前科を回避できる可能性もあります。そのためには、以下の対処が重要となります。

(1)刑事事件の手続きの流れ

まずは、刑事事件の手続きの流れを簡単に確認しておきましょう。

逮捕された後は、警察官から取り調べを受け、48時間以内に検察官に送致されます。迷惑防止条例違反の事案では、この段階で釈放され、書類送検となることも多いです。

書類送検された後は、検察官からの呼び出しを受けて検察庁に出頭し、取り調べを受けることになります。

送致の段階で釈放されない場合は、送致から24時間以内に検察官が勾留請求を行うか、釈放されます。

勾留された場合は、引き続き警察署の留置場や拘置所で身柄を拘束され、警察官や検察官から取り調べを受けます。勾留期間は原則10日、最大20日です。

勾留期間内に検察官が起訴・不起訴を決めます。不起訴となれば釈放されます。

起訴された場合でも、迷惑防止条例違反の事案では略式起訴(公開の法廷で裁判が開かれず、裁判官が、書面の審理のみで罰金又は科料を言い渡す手続)となることが多く、その場合は裁判所の略式命令を受けて罰金を支払うこととなります。

正式起訴となった場合は、公開の法廷で刑事裁判が行われ、判決の言い渡しを受けます。

(2)不合理な弁解はしない

逮捕された場合、その直後に行われる警察官による取り調べにおいて、どのようなことを述べるかが極めて重要となります。

できる限り罪を軽くしたいと考えるのも当然のことですが、不合理な弁解をすると警察官の印象が悪くなり、厳しい捜査が進められたり、身柄拘束が長引いたりするおそれがあります。

被害者と自分のスマートフォンに証拠が残っていれば、言い逃れは難しくなります。進んで自白する義務はありませんが、やったことは素直に認めて反省することも選択肢の一つです。

事案の内容にもよりますが、罪を認めた場合には釈放されて書類送検となる可能性が高まります。

(3)被害者と示談をする

勾留前に釈放された場合も、釈放されず勾留されたままの場合も、不起訴処分の獲得を目指すことになります。

そのために最も重要なことは、被害者と示談をすることです。

示談が成立し、被害者に許してもらうことができれば、処罰する必要性が減少しますので、不起訴となる可能性が高まります。

被害者の氏名や住所を知るためには、検察官に申し出ます。検察官から被害者に連絡を取り、了解が得られると検察官から教えてもらうことができます。

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