スマホの操作を長時間続けていると、肩が凝ったり腰が痛くなったり…。そんな経験はないだろうか? もしかしたらそれは、通称「スマホ首」と呼ばれる現代病の症状かも。これは「ストレート・ネック」というもので、前かがみやうつむきの姿勢が続くことにより首の頸椎がゆがみ、様々な症状を引き起こしてしまうのだ。
『あなたの首の痛み・肩こりはストレートネックが原因です!』の著者で、さかいクリニックグループ代表で柔道整復師の酒井慎太郎先生いわく、成人男女の8割はその兆候があるそう。そこで、酒井先生に「スマホ首」の原因や危険性について教えてもらった。
「人間の頭の重さは約6kg。この重さを支えているのが首ですが、前かがみやうつむいた姿勢の場合、首の後ろ側の筋肉にかかる荷重は、直立姿勢でいる時の約3倍にもなります。6kgもある頭を日々支え続けているうえ、3倍もの負担がかかる姿勢を毎日何時間も続けていたら、首や肩が凝るのも当然です」
「スマホ首」がひどくなると、頸椎症(首や肩のコリや痛み、手のしびれ、頭痛、吐き気など)や頸椎椎間板ヘルニア(首や肩のひどい痛み、手の運動障害やしびれ、麻痺など)といった症状のほか、自律神経失調症やうつ病など、心の病気に発展することもあるそう。このような重い症状にならないためにはどうしたらいいか、酒井先生に、日常的にできる解消法を聞いた。
スマホの位置を目線と同じ高さに
スマホを操作する際は、スマホの位置を目線と同じ高さにして、前かがみやうつむきの姿勢を防止。スマホを持った手の脇の下に、もう片方の手の握りこぶしを入れると、腕の位置が固定されて楽になる。
アゴ押し体操
頸椎を正しい位置に戻すための体操。肩まで背もたれのある椅子か、壁を背に背筋を伸ばして座り、手でアゴを後ろへ押す。長時間のスマホの操作やパソコン作業をしている間は、15~30分に一度を目安に行おう。
寝る時は枕を使わない
枕が高いと、首や肩の筋肉が引っ張られたままになり、寝返りなどの拍子に首が不自然な角度に曲がることも。頸椎をますますゆがめることになる。「スマホ首」の人は枕を使わないのがベストだが、どうしても枕がないと眠れない人は低い枕を選ぼう。
アゴまで浸かる全身浴
入浴時は、39~40度のぬるめのお湯に、アゴ先まで浸かって首や肩を温めよう。血行が促進されることで「スマホ首」の症状の緩和が期待できる。
日常的にできる解消法のほか、最近では、「スマホ首」解消グッズも登場している。
2WAYコンフォート(ベネクス)
休養・睡眠時専用のネックウォーマー。生地に練り込んだナノプラチナなどが発する微弱な電磁波が、休養・睡眠時に首回りの筋肉をほぐし、血流を促進。慢性的な首回りの疲労回復に適しているという。
磁気ネックストレッチャー(ドリーム)
仰向けに寝た状態で首の後ろに敷いて使う、首コリ解消のストレッチ器具。シリコンに包まれた大きな押圧突起が、凝り固まった筋肉を刺激。さらに、大型の突起磁石が筋肉をほぐしながら磁気治療器の磁力で血行を促進させる優れモノ。
首や肩の凝りなど、「スマホ首」の兆候がある人は、解消法と併せてグッズも試してみては?
(赤木一之/H14)
【関連リンク】