親子登山をはじめる前に知っておきたい10ヶ条

親子登山をはじめる前に知っておきたい10ヶ条

第1回 今年の夏休みは、初めての親子登山に出かけよう!
近年人気のアウトドアスポーツ。なかでも注目なのは「親子登山」です。山で過ごす時間は、子どもの成長を発見し、親子の絆を深める絶好の機会。何より山のきれいな景色と空気、頑張って歩いた達成感は格別です。「でも登山って大変そう……」、そんな初心者ママのために、8歳と4歳の子どもと親子登山を楽しんでいる健康運動指導士の安藤真由子さん(ミウラ・ドルフィンズ所属)にアドバイスをいただきました。

その1 子どもの体力や歩き方を知る

「我が家では映画館に2時間かけて歩いて行ったり、普段から歩くことを心がけています。性格が違うように、兄弟でも歩き方は異なりますね」とは安藤さん。まず子どもの体力や歩き方の特徴を知り、散歩などで慣らしていきましょう。ママの体力アップも忘れずに!

10ヶ条 その1

その2 山選びとコースタイム

「スタートは標高の低い山から。高低差は300~500mほどで、歩行も2~3時間を目安にしましょう」。コースタイムは一般(大人)の1.5倍以上で計算すること。

その3 まず用意したい基本装備

「初めから登山靴は必要ありませんが、ソールに突起のあるスニーカーを選ぶこと。夏でも山は肌寒かったり、天候の急変も茶飯事。上下のレインウエアは必須です」

10ヶ条 その3

その4 食事と水分の摂り方 

「おにぎりなどを休憩ごとに補給させましょう。おすすめはカントリーマアム。小包装で食べやすく、1個で50kcalを補ってくれる行動食です」。水分は電解質飲料を2倍に薄めたものをこまめに。一度の大量摂取は胃に負担がかかるのでNGです。

10ヶ条 その4

その5 休憩の取り方

20~30分に1回を基本として、気分や体調に合わせて取りましょう。「小川で遊んだり、虫や動物を探したり。途中で飽きないような遊びを加えながら歩くことも大切です」

10ヶ条 その5

その6 トイレ&おむつ

登山口などにトイレがある場合は、必ず立ち寄ること。「携帯トイレを持参しましょう。そしてゴミは必ず持ち帰ること」

その7 ケガや病気の予防と対処

傷口を洗う真水や消毒液、バンドエイド、捻挫を固定するテープも用意すること。「虫除けスプレー、日焼け止め、サングラスもあるといいですね。頭を保護する帽子は必携です」

その8 マナー

「走らない、そして石や物を崖下に落とさないこと。下の道にほかの登山者がいる可能性がありますから」。またすれ違う時は登りが優先です。

その9 歩き方

滑落の危険もあるので3m以上離れないようにし、谷側を歩かせないこと。「初めはママが先頭でペースをつくる。慣れてきたら子どもを前に歩かせてもOK。走りだすこともあるので、状況に応じて変えてください」

10ヶ条 その9

その10 楽しく登るコツ

「行程に楽しさを見つけたり、『山頂の売店でアイスを食べよう!』とイベントを用意したり。我が家ではスイカ割りや手巻き寿司をしたことも。カードゲームも楽しみますよ」

10ヶ条 その10
次回からは、関東関西おすすめの山を具体的に紹介していきますので、お楽しみに。

■協力一覧

写真提供:安藤真由子
参考資料:『山と渓谷』2011年6月号、『山と渓谷 別冊付録ファミリー登山BOOK』2014年6月号(ともに山と渓谷社)安藤真由子さんが親子登山について監修しています。

安藤真由子
安藤真由子
昨年80歳でエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎氏率いるミウラ・ドルフィンズ(www.snowdolphins.com)に健康運動指導士として所属。同じく指導士で日本登山医学会評議員、スマートコーチング代表(www.smartcoaching.jp)のご主人と長男が10カ月のときに初めて親子登山に挑戦。以来、北アルプスや富士山を始め、日本各地の山を親子で楽しんでいる。家族のお気に入りの山は山梨百名山の竜ヶ岳、これから挑戦したいのは南アルプスや屋久島。
昨年80歳でエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎氏率いるミウラ・ドルフィンズ(www.snowdolphins.com)に健康運動指導士として所属。同じく指導士で日本登山医学会評議員、スマートコーチング代表(www.smartcoaching.jp)のご主人と長男が10カ月のときに初めて親子登山に挑戦。以来、北アルプスや富士山を始め、日本各地の山を親子で楽しんでいる。家族のお気に入りの山は山梨百名山の竜ヶ岳、これから挑戦したいのは南アルプスや屋久島。