【専門医監修!】足の血管が浮き出る「下肢静脈瘤」を予防する!手のひらマッサージ

ふと自分の後ろ姿を見たら、ふくらはぎや膝の裏の血管が目立っていた、凹凸があるなど、自分の足の変化に気づいた方はいないでしょうか?もしかしたらそれは、「下肢静脈瘤」かもしれません。今回は、下肢静脈瘤について「お茶の水血管外科クリニック」の広川 雅之先生にお聞きしました。

成人の2人に1人!?「下肢静脈瘤」とは?

足の重だるさ、むくみなどの症状が出る「下肢静脈瘤」。最近、メディアでも聞くようになった病名ですが、成人の約半分が患うとてもポピュラーな病気だと広川先生は話します。

気づかないことが多い!?下肢静脈瘤の初期症状

「下肢静脈瘤は、15歳以上の約4割、50歳以上ともなると3人に2人はみられます。夕方に足がむくんだり、夜中に足がつるなどの症状があり、女性に多い病気です」。

その他にも、足がほてったり、ピリピリと痛むなどの症状も。初期は、血管が浮き出るといった見た目の変化だけのため、気づかない人が多いといいます。

また下肢静脈瘤の場合の足のむくみは、左右差があることが多いといわれます。

弁がこわれ血液が逆流したり、筋ポンプが作用しなくなることで起こる「下肢静脈瘤」

「下肢静脈瘤は、心臓に血液を戻す静脈の弁が働かなくなることで起こります。この弁は、血液の逆流を防ぐものですが、弁が機能しなくなることで血液が逆流して血管内にたまり、静脈がボコボコと浮き出た状態になるのです」と広川先生。

血液の逆流防止弁の不具合は、遺伝的な要素が多いそうですが、調理師や美容師など長時間同じ姿勢を強いられる職業や、妊娠、運動不足、肥満などが原因になることも。
また、足にたまった血液を心臓にもどすためには、逆流防止弁の働きだけでなく、ふくらはぎの筋ポンプ作用も重要だそう。

「ふくらはぎにあるヒラメ筋は、足を動かすと収縮して静脈を圧迫します。その圧力で心臓に血液が戻るのですが、この筋ポンプ作用が運動不足や加齢でうまく機能しない場合があります。また、女性は男性に比べ筋肉が少ないので、もともと筋ポンプ作用が弱い傾向があります」。

誰でも発症する可能性がある下肢静脈瘤。心あたりのある方は次のセルフチェックシートで確認してみましょう。

もしかしたら「下肢静脈瘤」かも?専門医監修・チェックシート

下肢静脈瘤かもしれない…、と思っても、慌てるべからず。まずは次のチェックシートで自分の状態をチェックしてみましょう。

今すぐチェック!下肢静脈瘤チェックシート

足の血管が浮いている・目立つ
夜間就寝中に足がつる
夕方に足がむくむ
夕方に足が重だるい
足のむくみは、左右で異なる
足に湿疹がある

上記に当てはまる項目が多いほど、下肢静脈瘤の可能性が高いそう。

広川先生は、下肢静脈瘤は命にかかわらない病気で、治療法にもさまざまな選択肢があると話します。

「下肢静脈瘤は、生死に関わる病気ではありません。また、放っておいても歩けなくなることや、後遺症が残るといった心配もありません。具体的な症状を感じていなかったり、血管の凹凸が気にならないのであれば、急いで治療をする必要がない病気でもあります。しかし、見た目が気になったり、足のむくみやだるさ、湿疹や褐色の色素沈着などがある場合は、受診をおすすめします」。

自然に治ることはない下肢静脈瘤。日々のセルフケアで予防や改善を

ただ、下肢静脈瘤は、自然に治るということはないそう。こわれた弁が時間の経過とともに治るということもなければ、浮き出た血管が元に戻ることはありません。
一方で、適切な治療や、日々のセルフケアや生活習慣の改善で、進行を防いだり、むくみなどの症状を和らげることはできるといいます。

日常生活でできるケアには、どのようなものがあるのでしょうか?

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