パートナーの単身赴任や病気などにより、ひとりで育児をせざるを得ない状況のことを指すものだけど、「ワンオペ育児」について新聞のウェブ版のニュースが掲載された際、ネット上には意外な声が噴出していた。
それは、妻側からの「うちは別に単身赴任じゃないのに、実質、ワンオペなんだけど!」「実質ワンオペなら、ダンナがいないほうが、むしろラク!」といった声だ。
家事シェアを推進しているNPO法人tadaima! 代表理事の三木智有さんは言う。
「今は何もしない夫は少ないですよね。一応自分でできることはやってくれるけど、『ママ側のニーズに合っていない』ことが多いようです。そして、そのズレに、苛立ちを感じるのが不満の大きな原因のひとつなんですよ」(三木さん 以下同)
●パパが「やりたい」「できる」家事は、助けにならないものばかり!?
tadaima! では、家事シェアの活動を推奨し、パパ向け講座・ママ向け講座を行っているが、そのなかで、パパが「やりたい」「できる」とした家事と、ニーズとのズレが見えてきたそう。
「パパが『やりたい』『できる』とした家事で、最も多かったのは『料理』で、ほかに、『電球を替える』『DIY』『重い荷物を運ぶ』などがありました。でも、これらは一応役には立つものの、ママ側から見ると、『頻度が少ないから、さほど助かることではない』ものばかりなんです」
また、「料理をしてくれるのは良いけど、洗い物がたまり、片付けをしてくれない」「オムツ替えをしてくれても、替え終わったオムツをリビングに放置したまま」など、結局、中途半端なことが多いために「ママの手間が減らない=逆にイライラする」ことになるという。
「そして、そのズレのひとつひとつが細かすぎて、上手く指摘できない、可視化できないことが苛立ちを生むんです」
男性としては良かれと思ってやっていることが妻の求める内容とズレているために、かえって妻にイライラされてしまう。結果、何もしなかったときよりも怒られるのは、なんだか散々な話…。
この苛立ちを解消するには、「ニーズと実態とのズレ」がどういうものなのか、一度夫婦で考えてみたほうが良いのかも。
(田幸和歌子+ノオト)