3分間の工夫で「たたく・かむ」を減らす【保育士解説】困った行動への対処法

3分間の工夫で「たたく・かむ」を減らす【保育士解説】困った行動への対処法

赤ちゃんの行動や仕草には、大人から見ると理由が分からないこともありますよね。たたくやかむと言う行動は、「どこまでOKなの?」と悩む方もいるのではないでしょうか。たたく・かむそのものの理由とその行動の対処法を知ってみませんか?この記事では、保育士ママ5人で運営している【いつママ(@itsumama__)のしずママ】が紹介します。

赤ちゃんの「たたく」は攻撃ではない

自分の意思で自由に手足を動かせるようになった1歳くらいのお子さんが、抱っこをした時や、顔を近づけた時に顔を叩いてきて困ると言うお話を耳にすることがあります。また、髪の毛を引っ張ったり、顔を引っ掻いてくる。目を突っつく。と言うのも同様に困りごとの1つになっているママもお見かけします。

赤ちゃんのそういった行動について、月齢別でひも解いてみましょう。

0歳の赤ちゃん〜1歳くらいまで

「触れている」「なでている」つもりかも

ママやパパをたたくならまだしも、児童館や保育園でお友達の顔をペチペチたたいてしまっていたら、焦りますよね。しかし、1歳前後のお子さんにとっては比較的よく見かけることで、本人は力の加減がわからずに、お友達に触れているだけであったり、なでているつもりだったりすることがあります。

ママに対しても近くにあるものであれば、顔であっても触っているつもりでたたいてしまっているんですね。そんな時は、赤ちゃんの手を持って、ナデナデするんだよ。と、触り方を教えてあげてください。だんだんとナデナデを覚えてくれます。わざと攻撃しているのではないので、心配しなくて大丈夫ですよ。

遊んでいるつもりかも

ママやパパの顔を触ってみると、2人とも何だか声に出して笑ったり、手を握って動いたりする=触ると大人が反応する。それはお子さんにとって、とても楽しいもの。大人が反応してくれると、もっとやってみよう。反応を見てみたい。と言うようになり、遊んでいます。たたいているつもりではなく、反応を楽しんでいるのです。

ですから、一緒に遊んであげられる状況であれば、触れ合う遊びとして触りあいっこをしたり、お子さんの手をとって拍手をするように、リズムをつけて遊んであげるのも良いですね。

遊んであげられない状況であれば、たたいても良いものや、音の出るおもちゃを渡してあげるといいです。ママが、率先してたたいて遊ぶのを見せてから、渡してあげるとなお良いですね。段ボールやペットボトルなどの廃材でも十分楽しめます。けがには十分に気を付けてくださいね。

感情をぶつけるために「たたく」「かむ」をするようになったときは?

月齢が上がってくると、力加減がわかるようになリます。例えば、1歳過ぎの子どもは、積み木を積み上げられるようになって、指先を使った遊びが少しずつできるようになリます。つまり、強く弱くが身についてきているんですね。そして、この時期は、感情表現の入り口にいます。「この気持ちはどんな風に表現すれば良いのかわからない」と言うような気持ちです。

こうしたとき、つい「たたく」「かむ」といった行動が出ることがあります。そんなとき、親がどう返すかが、子どもに感情表現を伝えるうえでとても重要なお手本です。

叩かれても叩き返さない

お子さんが色んな感情を持ち始めて、「眠い」「おなかが空いている」「遊びたい」などの気持ちを表現できずに、ママやパパをたたくことは、とてもよくあることです。悪さをしたいわけではなく「欲求を伝えたい」と言う思いがたたくと言う動作につながっているんです。

パパやママにとっては痛いことですが、子どもとしてはあくまで暴力をふるったのではなく、感情を伝えたくて爆発させてしまった結果です。ここで親が「たたき返す」という行動を取ることはやめてください。

眠い、おなかがすいた、遊びたいなど、かなえてあげられる欲求なら寄り添ってかなえてあげましょう。そうでないときも、気がまぎれるように導いてあげるのがよいでしょう。

表情で伝える

2歳に近づいてくると、自分の意思に反することや思いが言葉にならず、たたいてしまったり物を投げたりと行動で怒りを表現します。そういった時には、行動を叱ることよりも「悲しむ」と言う方法で自覚してもらうと効果的です。大人が手で顔を抑えて、涙は出さずとも悲しいと言う表情を真剣にやってみるのです。

ここで大切なのは、本人に「やってはいけないことをやってしまった」と自覚を持ってもらうこと。ですから、3分間くらいは悲しい雰囲気でいてください。2歳くらいになっていれば、子どもも悲しい空気を感じ取ることができ、いけないことをしたとわかります。

具体的な言葉でゆっくりと伝える

言葉で伝えることも、もちろん大切。とにかくゆっくりとした声かけで伝える音が大事です。この時、ママが何を伝えたいのかを明確にして話すと良いです。例えば「たたかれて痛かったな。悲しかったな」と気持ちを具体的に言葉にして伝えること。「ナデナデして欲しいな」と別の行動を伝えること。

そういった言葉を、たたいたり物を投げたり、かんだりしたときに何度も、真剣に伝えましょう。

表情と言葉を何度も伝えることで、理解と信頼が深まります。

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