子どもの時間感覚を知ったところで、早速時間マネジメントの練習を始めましょう。前段階として、各部屋にアナログ式時計を置いてください。自分で時間を管理できるようにするには、時刻を自然に意識させることが大切。時計はアナログ式の方が、短針・長針の位置で時間の経過を理解しやすく、時間の感覚をつかみやすいです。
では、最初のトレーニング。まずは時刻と行動を結びつけることから始めましょう。時計が読めないうちはアナログ式時計を使って、「時計の短い針が3のところにきたら、おやつよ」などと目で見てわかる工夫をしながら教えていきます。小学生になったら「7時よ。起きなさい」「もうすぐ8時だからお風呂に入ろうね」と、時刻と行動をセットにした会話を生活の中で意識的にしていくといいですね。ただの数字だった時刻が、自分の生活と結びついたものになり、時間感覚を育てるベースになります。
他にも、「今何時だと思う?」と時計を見ないで、時刻を当てさせるクイズを出すのもいいでしょう。「惜しい!4時45分でした」、あるいは「ピンポーン!正解です」なとど楽しい雰囲気で受け答えして、クイズ感を盛り上げてください。
外出先でやれば、「お日さまが上のほうにあるから、もうそろそろお昼かな」「夕飯の買い物をしているお母さんが多いね」などと、ヒントはいろいろ。時刻によって自然が変わり、人が動くということにも気付けるでしょう。時刻を予測することを繰り返すうちに、時刻を意識し、時間が経過する感覚も養われていきます。
次に、時間を意識するために有効なのが、区切りをつけることです。大人でも時間に区切りをつけないで過ごしていると、ダラダラと無駄に時間を消費してしまいます。時間の使い方が上手な人は、何時から何時までは○○の時間と区切ってとらえ、集中して取り組みます。「今は○○する時間」という言葉を意識的に使いながら、子どもが時間を区切りながらとらえられるようにしていきましょう。また、ゲームなどの遊びの時間を「何時まで」と区切って先に決めておくといいですね。時間がきて「あとちょっと」と言ってきたら「あと何分?」と切り返しましょう。
また、「歯を磨く時間」「着替えの時間」「朝ごはんの時間」など、自分の行動にどのくらい時間がかかっているのか、実際に計ってみるのもオススメです。行動するのに必要な時間の感覚が身につけば、見通しを立てることができ、親に言われる前に子ども自身で動けるようになります。
次回はステップアップして、限られた時間を有効に使うために優先順位をつける練習をしていきます。