ダイエット中に食べるなら? 普通の柿と干し柿のカロリーと糖質の違いを栄養士ライターが解説

ダイエット中に食べるなら? 普通の柿と干し柿のカロリーと糖質の違いを栄養士ライターが解説

柿のルーツはすべて渋~い柿だった?

 秋本番のこれから旬を迎える「柿」。生のまま食べられる普通の柿(甘柿)と干し柿の違いを、それぞれの特徴、糖質や食物繊維などの栄養面に着目して解説します。

 現在、柿には1000種類以上の品種があり、「甘柿」と「渋柿」に大別されていますが、日本で柿の栽培が始まった奈良時代当初はすべて「渋柿」だったそう。「甘柿」は「渋柿」の突然変異として鎌倉時代に入って誕生し、江戸時代以降、品種が増えたと考えられています。

渋柿が極上の甘い干し柿へ進化するワケ

 柿の渋み成分であるタンニンは、「甘柿」と「渋柿」の両方に含まれていますが、「甘柿」のタンニンは不溶性、「渋柿」のタンニンは可溶性という性質の違いがあります。

 もう少し詳しく解説すると、「甘柿」のタンニンも未熟なときは渋い可溶性タンニンなのですが、熟すにつれて不溶性に変化し、口に入れても渋みが溶け出さないのです。

 一方、「渋柿」は実が熟しても果肉がかたいうちは可溶性タンニンのまま。なので、渋柿を生のまま口に含むとタンニンが、だ液に溶け、強烈な渋みを感じてしまいます。

 ところが、渋~い「渋柿」も「干し柿」にすると、あら不思議。可溶性タンニンの不溶化が進み、甘~い柿に大変身します。

 これは、皮をむいて干すことで渋柿の表面に皮膜ができ、可溶性タンニンの不溶化が進むためです。このように渋柿のタンニンの性質を変えて食べやすくことを「渋抜き(しぶぬき)」と言い、干す以外にもアルコールやドライアイスなどを使った処理など、さまざまな方法があります。


普通の柿(甘柿)と干し柿の栄養価比較(筆者作成)/※参照:奥嶋佐知子監修『食品の栄養とカロリー事典 第3版』女子栄養出版部,2022、文部科学省『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』をもとに、糖質は炭水化物から食物繊維を引いた数値を筆者が計算して記載

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