愛犬の肉球がガサガサに!心配な症状と原因、ケア方法について解説

プニプニの感触が気持ちいい犬の肉球は、犬の身体の中でもデリケートな部分。乾燥や拭きすぎなどさまざまな要因で荒れてしまい、ガサガサになりやすいのが特徴です。悪化するとひび割れて痛みや出血を伴うこともあるので、なるべく早く対処してあげたいですよね。

この記事では、犬の肉球トラブルの原因と主な症状、必要なケアについて紹介します。ぜひ正しい方法で肉球ケアを行い、愛犬の肉球を健康に保ちましょう。

犬の肉球の仕組みと主な役割

 

犬の肉球は、弾性繊維・コラーゲン・脂肪などから構成されており、弾力があります。表皮の一番上には分厚い角質層があり、地面の熱や冷気から身体を守っています。肉球ケアの方法を知る前に、まずは犬の肉球の役割について知っておきましょう。

体温調節・汗の排出

全身毛で覆われた犬にとって、肉球は唯一汗をかける場所です。面積が小さいぶん、人間のように全身の体温調節を行うのは難しいですが、肉球から汗をかけばわずかでも体温を下げられます。また、犬の肉球は動脈と静脈が並走する構造になっており、冷たい地面を歩いて静脈の血液が冷えてしまっても、すぐ隣を流れる動脈の血液に温められる仕組みになっています。この特殊な血管の配置により、犬は冷たい地面の上も難なく歩くことができ、手足の冷えから身体を守ることができます。

滑り止め・クッション

肉球には体重を支えたり、歩行時やジャンプの衝撃から足を保護したりといった役割もあります。犬の肉球には細かい突起が集まっているので、ツルツル滑る床や凍った地面でも転ばず歩くことが可能です。地面を蹴って走るときはスパイクの役目も果たしていて、ブレーキや方向転換をする際のグリップとしても活躍します。

犬の肉球トラブルに多い症状3選

 

 

日頃から地面と接触している肉球は、トラブルが起きやすい部分です。再生能力も低いので、一度トラブルが起きると完治まで時間がかかることも多いでしょう。ここでは、主な肉球トラブルとその症状について解説します。

乾燥してゴワゴワと硬くなる

足裏の水分が失われると、肉球はガサガサに乾燥します。放っておくと皮がむけたり、ひび割れたりといった症状もみられるようになるでしょう。

また、皮膚は強い刺激を受けると、内部を守ろうと更に厚く硬くなろうとします。そのため、外で飼われている犬やアスファルトの硬い地面をよく歩く犬は肉球がゴワゴワと硬くなりやすい傾向があります。

炎症によって赤みや出血がみられる

細菌や刺激によって肉球や指の間に炎症が起こると、赤みや出血がみられます。炎症によって肉球が荒れるケースは珍しくありませんが、「たいしたことないだろう」と放っておくと状態が悪くなりやすいため注意が必要です。もし犬が肉球を執拗になめ続けている場合は、皮膚炎を起こしている可能性があるため、早めに動物病院を受診しましょう。

熱や薬剤によってやけどする

熱せられた地面を歩くことで、肉球をやけどしてしまう場合もあります。犬の肉球は他の部位に比べて皮膚が分厚いものの、炎天下のアスファルトや砂浜など、あまりにも熱い道を歩かせるのは危険です。

また、冬場に撒かれることがある「凍結防止剤(融雪剤)」も、肉球のやけどの原因になります。凍結防止剤や融雪剤には塩化カルシウムという成分が含まれており、皮膚に付いたまま放っておくとやけどのような炎症を引き起こすことがあります。もし犬の足裏に薬剤が付着した場合は、水やぬるま湯でしっかり洗い流すことが大切です。

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