DVとは何か?6つのタイプと実例、加害者の特徴と背後にある要因を解説

DVとは何か?6つのタイプと実例、加害者の特徴と背後にある要因を解説

自分自身がDV(ドメスティックバイオレンス)の被害者であるのか、不安に感じたことはありませんか?

近年、テレビやニュースで繰り返し報道されるDVや虐待の事件。その背後には、ご家族からの傷つけるような言動が隠れているかもしれません。

警察庁が公表した2022年(令和4年)の「配偶者からの暴力事案等の相談件数」は、84,496 件と2001年のDV防止法施行以来、過去最高を記録しました。 2004年からこの数字は増加し続け、DVの深刻な問題が浮き彫りになっています。

そこで、この記事では、

DVとは何か
DVの原因と加害者の特徴
DVの相談先

について解説します。DVに悩んでいる人やDVから身を守りたいと考えている方々の手助けになれば幸いです。

離婚したいと考えている方は以下のページの記事もご覧ください。

弁護士相談に不安がある方!こちらをご覧ください。

1、DV(ドメスティック・バイオレンス)とは?

(1)DVとは

ドメスティック・バイオレンス(Domestic Violence)に明確な定義はありませんが、日本では「配偶者や恋人などの親密な関係にある、または過去その関係にあった者から振るわれる暴力」という意味で使用されています。

「暴力」というと、殴る、蹴るといった“身体的なもの”を思い浮かべる方も多いでしょう。

実は、言葉による精神的・心理的暴力やお金を渡さないなどの経済的暴力、家庭外の人間関係を遮断させる社会的隔離などもDVに含まれ、身体的暴力にとどまらないという特徴があります。

あなたが受けているその言動はDVなのか。

DVの詳しい意味についてはこちらの記事をご確認ください。

(2)DVの種類は6種類

DVには身体的暴力を含めた6つの種類があります。

①身体的暴力

殴る、蹴る、首を絞める、タバコの火を押し付けるなど、肉体に直接的に振るわれ、傷が残るような暴力が身体的暴力です。

被害者の身体に傷やアザが残るため、比較的発見されやすいDVですが、服で隠れる部分を殴ったり、跡が残らない程度に留めたりするなど、第三者が気づきにくいケースもあります。

②精神的・心理的暴力

嫌がらせ、暴言、中傷、無視、脅迫など、主に言葉によって精神的な苦痛を負わせる暴力が精神的(心理的)暴力です。

中には、PTSDを患う人もいるようです。

身体的暴力と違って証拠が残りにくく、音声や動画で証拠を残しておかないと調停や裁判などで立証しづらいという特徴があります。

③性的暴力

望まない性行為や妊娠、ポルノ映像など見たくないものを強要するなどの行為が性的暴力です。

他には、子供が授からないことを妻のせいにする、自分の浮気を配偶者に無理矢理認めせることも性的暴力に該当します。

性に関することゆえに、他人に相談しにくく、第三者が踏み込みにくい、対処が遅れがちという特徴があります。

④経済的暴力

生活費を渡さない、勝手に妻(夫)の貯金を使う、妻(夫)名義で借金を作るなどの行為が経済的暴力です。

夫婦のうち収入の高い方が加害者になりやすく、お金をコントロールすることで夫婦間や家庭内に上下関係を生み出し、相手よりも優位な立場になろうとする傾向があります。

⑤社会的隔離

親族や友人と会わせない 、外出を禁止する、携帯電話のメールや着信履歴を執拗にチェックするなど、自分以外の外部の人間との交流を絶たせようとする行為が社会的隔離です。

⑥子どもを使った暴力

子どもに相手を攻撃させたり、子どもの前で相手を非難、中傷したりするなど、息子や娘を利用した間接的な嫌がらせもDVに該当します。

被害者にとっても、また利用された子どもにとっても、心に深い傷を残し、後々までトラウマとなってしまうというリスクが考えられます。 DVの種類の詳しい解説は、こちらの記事もご覧ください。

(3)どこからがDV?DVの基準とは

嫌な思いはしている、でもこれくらいみんな我慢してることではー。

そんなとき気になるのがDVの「基準」です。

こうされたらDVです、とはっきり明示してくれていればどんなに助かることでしょう。

しかし結論から言うと、DVに明確な基準はなく、被害者自身が判断するしか無いと言わざるを得ません。

もっとも、DVと認められる行為がどこからかという指標はあります。

こちらの記事をご覧ください。

もう一つ大切な指標があります。

相手との「関係性」です。

相手がどんなことをすればDVなのか、ではなく、相手とどのような関係にあるか、を考えてみてください。

暴力をやめて欲しいと言える関係性か、言えばやめてもらえる関係性か。

そんなこと口が裂けても言えない(言えば暴力される)、という場合は間違いなくDVの関係にあると言えるでしょう。

(4)DVチェックリストを使ってDVかどうかを判断

DVかどうかの判断に指標が欲しい場合、「DVチェックリスト」があります。

DVチェックリストとは、配偶者からの行為がDVに該当するかどうかを客観的にリスト化したものです。

たとえば、身体的暴力チェックには「平手で打たれたり足で蹴られたりして、体にアザを作ったことがある」「首を絞められたことがある」などの項目が列挙されています。

DVチェックリストの詳細はこちらの記事もご確認ください。

(5)DVのおそろしさ

赤の他人から暴力を振るわれた場合、基本的には警察へ届け、加害者に刑事的制裁を受けてもらうことに積極的であるはずです。

しかし、ドメスティック、つまり家庭内における暴力については、この基本形が崩れます。

相手が自分の生活の、人生の「基盤」であるからです。

加害者が自分の生活の基盤であるがゆえ逆らえず、また、理由のない罵りに対してすら自責の念さえこみあげます。

これが他人からの「暴力」と比べた時の、ドメスティックな暴力特有の恐ろしいところです。

どの家庭でも、夫婦という他人同士で暮らす以上、何もかも思うようにいく関係などほとんどないでしょう。

しかし、ある程度「居心地が良い」と感じられる関係でなければ、「基盤」が崩れてしまいます。

「これくらい誰でも我慢してるのでは。」

もしそう思うのであれば、知人、友人、カウンセリングなど、信頼できる人に確認してみてください。

2、DVの主な原因

夫婦間、恋人感など親密な関係にある二人の間でDVが起こりやすいのは、相手を自分の思い通りにコントロールしたいという願望が原因の1つと考えられます。

DVは被害者の多くが女性で、男性が加害者になりやすいという特徴があり、加害者の男性は自分の思い通りに女性をコントロールしたい、支配下に置きたいという願望を満たすために暴力を振るったり、精神的に追い詰めたりします。

被害者の女性は恐怖感や無力感で心身ともに衰弱してしまい、加害者に従わざるを得なくなってしまうのです。

DVの他の原因についてはこちらの記事にもまとめています。

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