でも、こうした女子力の高さが、いざ子育てをする段階になると、男性にも育児や家事に参加してもらうためには邪魔になってくることがあるという。
独身時代や結婚当初に自ら築いてしまった関係性を変えるにはどうしたら? パパ向け・ママ向け講座や講演を多数行うNPO法人tadaima!代表理事の三木智有さんに聞いた。
●ママの強いこだわりが夫婦間の意識差を生む
「女子力が高い女性には、自分のこだわりが強い人が多いですが、出産後もそのこだわりのボーダーラインを死守したいのであれば、それなりの覚悟が必要だと思います」(三木さん 以下同)
「覚悟」とは、夫婦間の意識の差に悩んだりイライラしたりしないこと。また、夫婦でこだわりを共有できず、ひとりで抱えるのがつらくなったときには、こだわりを諦めることも必要ということだ。
「仕事も家事も育児も、すべてこだわりを貫いて完璧にやろうと思うと潰れてしまいます。ときには外食したり、レトルトやお惣菜などを取り入れたりと、自分が嫌っていたものを取り入れるほうがラクですよね」
●何にこだわり、何を妥協するか、譲れないポイントを可視化しよう
それができたらラクなのはわかっていても、実際にはやっぱり捨てられないという女性も多いかも。
「その場合は、自分のゆずれないポイントを可視化してみましょう。食材なのか、育児・教育方針なのか、自分のファッションやメイクなのか。どうしてもゆずれないポイントが見えてきたら、それ以外のところだけを夫と共有する、あるいは家事は家事代行にお願いするなど、少し手を抜いたりしてみる。メリハリをつけるだけでラクになるはずです」
自分のこだわりを捨てられないし、夫もアテにできないとなると、ひとりで抱え込む負担が増える一方だ。
そして、「女子力」を頑張って発揮し続けることで、夫婦関係が良くなるならともかく、夫がどんどん助長して何もしなくなることもあるという。
実際、心理学者・バウコムの研究によると、「妻が従順であるほど、中長期的にみて夫婦関係が悪くなっていく」という傾向がわかっているという。
「『夫が手伝ってくれても、やり方が気にいらないことが多いから、結局自分がやるほうがラク』と思う女性もたくさんいますが、そうやって自分の世界を作り上げて、割り切ったクールな夫婦関係で良いのかどうかは、考えてみた方がいいですね」
最終的には夫婦関係が対等なものではなく、依存関係や主従関係になってしまうか、パパが「いなくて良いもの」になっていく可能性アリ。
女子力高い系ママは、孤独な育児に陥らないためにも、自分のこだわりで「捨てられるもの」と「どうしてもゆずれないもの」をまずは可視化してみては?
(田幸和歌子+ノオト)