栗の目利きのポイント
「栗って果物なの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、栗は木に実る果物です。
ただし渋皮と中身は「種」であり、果肉ではありません。
栗の果肉は、通常よく見る茶色で固くて剥きにくい「鬼皮」の部分なのだそうです!
トゲトゲのイガが「皮」、茶色の固い殻が「果肉」、渋皮と私たちが食べる中身が「種」ということです。
日本では縄文時代から栗を食していたとされ、当時の遺跡からも栗が出土しています。
中でも丹波地域で採れる「丹波栗」は有名で、古事記や万葉集、日本書紀にも登場しました。
江戸時代の参勤交代により、そのおいしさが全国に知れ渡ったといわれています。
栗の栄養価は高く、ビタミンCやカリウム・葉酸・糖質・食物繊維などがたくさん。
渋皮に含まれるタンニンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用があるといわれています。
栗の出荷量は9~10月が最も多く、11月になるとやや控え目になります。
店頭に並んでいたら、ぜひ早めに手に入れてくださいね。
では、栗の目利きについて、見ていきましょう。
皮にツヤ感があるか
新鮮な栗は、鬼皮がツヤツヤ・ピカピカしています。
栗を選ぶときは、見た目の美しさをチェックしましょう。
先述のとおり、鬼皮は栗の果肉に当たる部分です。
あまりにも固いため変化が少ないように見えますが、時間が経つと水分が失われ、ハリツヤがなくなります。
茶色味が濃く、見た目のよい栗を選ぶのがポイントです。
ただし栗も多彩な品種があって、茶色味の濃さや光沢はそれぞれ異なります。
栗を見るときは、全体を見て色の濃さや光沢の有無を判断してくださいね。
重さを感じるか・固さがあるか
手に持ったとき重みがある栗は、中身がしっかりと詰まっている証拠です。
栗本来の風味や甘味が強く、おいしいものが多い傾向があります。
また栗を押したとき、しっかりとした弾力があることも重要です。
皮がペコペコしているものは、中身の水分が減少している可能性があります。
みずみずしさがない栗はパサパサしていて、口にしてもおいしくありません。
キズや穴がないか
栗の表面にキズや穴があるものは、病気や虫食いが懸念されます。
栗を選定するときは、真っ先に除外すべきです。
また栗の底面である「座」の部分が黒くなっていたりベタベタしたりしているものは、中身が傷んでいる可能性が高くなります。
栗を選ぶときは、座が傷んでいるものも除外してくださいね。
▼甘栗は栗の赤ちゃん?
スーパーでもよく見かける甘栗。
小粒で甘くて美味しいですよね。
この甘栗はご紹介したような栗の赤ちゃんなのでしょうか?
実は甘栗は元々そういう品種なのです。
小粒で皮も剥きやすいという特徴があり、その多くが中国で採れたものになります。
ちなみに、この甘栗も食物繊維や葉酸、ビタミンなど栄養素も抜群です。
▼美味しさを保つ保存方法
栗を保存する場合は、新聞紙で包み、ポリ袋に入れた後、チルド室で保存しましょう。
また、栗は冷凍をしても風味などが損なわれづらいことから、冷凍保存もおすすめです。
皮ごとの場合は、保存袋に入れて冷凍庫に入れます。
皮を先に剥く場合は、鬼皮をやわらかくするため一晩水につけて、底に切れ込みを入れた後、皮を剥いていきましょう。
渋皮も全て剥いたら水に10分程度浸けてあく抜きをし、しっかり水気をきった後、保存袋に入れて冷凍庫に入れます。
食べるときは解凍せずそのまま料理に使い、加熱しましょう。
おまけ:りんごやバナナ、みかんの目利きポイント
スーパーや八百屋ではりんごやバナナなどもよく売られています。
そんな身近な果物の目利きポイントも簡単にお伝えいたします。
りんごの目利き
りんごは
・全体的に赤く、ハリがあるか
・底部分は黄色~赤色か
・ツル(軸)が太く、真っすぐか
・ツルの根本のくぼみや底部分のくぼみが左右対称か
こういったところを見てみると甘くて美味しいりんごの可能性が高まります。
バナナの目利き
バナナは
・先端や房のすぐしたまで太いか
・房のすぐ下まで黄色くなっているか
・房の真ん中部分であるか
・シュガースポットという黒い点があるか
こういった条件を満たしていると甘いバナナである可能性が高まります。
ちなみに、房の真ん中とはどういうことかお伝えしますね。
バナナは通常一つの房に何本も実がついています。
それをスーパーなどでは3~5本などに分けて売っています。
ということは、切り分ける時に、房の端部分と真ん中部分がでてきます。
房が両端切られているかどうかを見るか、房の端のバナナは横にはみ出していますので、それらで判断するとよいでしょう。
みかんの目利き
みかんは
・へたが茶色いか
・へたが小さいか
・皮にハリやツヤがあるか
・扁平型か
・全体的もしくはへた周りが濃いオレンジ色か
こういった条件の場合、甘いみかんであることが多いです。
なお、甘すぎるのは嫌だという方はここまでにいろいろお伝えした内容とは逆の状態のものを探してみてください。
まとめ
秋の訪れを実感できるのが、秋に旬を迎える果物です。
ぜひ食卓に取り入れて、おいしい秋を満喫しましょう。
果物の味や食感は個体差が大きく、ハズレを引いてしまう可能性も少なくありません。
このたびご紹介した目利きポイントを踏まえて、アタリの果物を見つけてくださいね!
ただし、「おいしいものを見極めよう」とするあまり、店頭に並ぶ果物を過剰に触るのは好ましくありません。
目利きは重要ですが、「チェックは節度を守ってほどほどに」を心掛けましょう!
文/カワサキカオリ
配信: ASOPPA!
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