賞味期限切れはいつまで食べられる? 目安や消費期限との違いを解説

缶詰などは賞味期限が切れても食べられる?

非常食としてよく使われる、缶詰・レトルト・びん詰の食品はそれぞれ賞味期限が過ぎても食べられるのでしょうか。

缶詰・レトルト・びん詰食品はともに、完全密封後に加熱殺菌して腐敗の原因となる微生物を殺滅しています。不適切な環境下で保管されたり、外装の破損等で新たな微生物が入らなければ中身が腐ることはなく、賞味期限が切れたからといってすぐに食べられなくなるわけではありません。賞味期限をすぎると極めてゆるやかながら中身は変質し、時間が経つにつれおいしさが損なわれることはありますが、食品の安全・衛生面は問題ないと言えます。

例えば賞味期限が製造日から3年(1095日)のものであれば、安全係数が0.8だった場合、賞味期限が切れてからおよそ9か月経った273日後までは食べても問題ないと言えます。

ただし、パッケージを見ただけでは製造日および安全係数はわからないので、やはり賞味期限切れ食品を食べるか否かは個人の判断になります。

どの食品も温度が高い場所に長く置くなど不適切な環境下で保存された場合、中身が変質しやすくなります。温度変化が少なく、湿度が低い場所に保管しましょう。

缶詰はまず外観をチェック

缶詰食品の賞味期限は3年に設定している場合が多く、非常食用では賞味期限が5年以上の商品もあります。

缶詰であれば、缶に穴が開いていたり、サビが発生していなければ中身が腐っていることはないので、賞味期限を大幅に過ぎていたとしても衛生的には問題ありません。

缶詰の食品を食べる際は、まずは未開封の状態で外観をチェックしてみましょう。缶のフタが少し凹んでいるものが良いとされています。フタ部分を押してみて「ペコペコ」とするものやフタが膨らんでいるものは中に空気や微生物が侵入している恐れがあるので食べるのは避けましょう。ただし、缶の胴体部分が凹んでいても中身に影響はないので安心してください。

レトルトも外装の破損の有無を確認!

レトルト食品は1年~3年程度の賞味期限の物が多く、非常食用では5年程度の賞味期限が設定されている商品もあります。

こちらも開封前に外装をチェックして破損がないかを確認しましょう。中身が漏れ出しているほかパッケージが膨らんでいる場合は、中身が腐敗している可能性があります。

缶詰同様、外装に問題がない場合は、賞味期限を過ぎていたとしても中身が腐ることはなく衛生的には問題ありませんが、食べるか否かは個人の判断にゆだねられます。

びん詰はフタがペコペコ・膨らんでいたらNG

びん詰の食品は賞味期限が半年~1年程度の商品が多いです。

びん詰についても食べる前に未開封の状態で外装をチェックしましょう。フタ部分を押すとペコペコとしたり、フタが膨らんでいる場合は食べないようにしてください。空気や微生物が侵入して中身が変質している恐れがあります。

こちらも外装に問題ない場合は中身が腐ることはないですが、ガラスびんに遮光性がないため、光線の影響を受けて未開封でも中身が変色することがあります。賞味期限内であれば、中身の変色は気にせず食べられます。賞味期限が大幅に過ぎたびん詰については、缶詰・レトルト食品と同様に臭いや見た目を確認して食べるか否かは消費者個人の判断になります。

非常食の賞味期限を切らさない工夫

賞味期限はメーカーが「この日付までならおいしく食べられる」と保証するものですから、やはり期限内に食べきるのが理想です。とはいえ、特にしまい込んでおきがちな非常食では賞味期限切れになってしまうこともよくありますよね。そこで非常食を賞味期限内に食べきる工夫について3つ紹介します。

① 賞味期限がより長い非常食を選ぶ

よりロングライフの商品を選ぶのも、賞味期限切れを起こしにくくする一つの方法です。同じ缶詰でも一般的な缶詰ではなく非常食用に売られているものはより長い賞味期限を設定されているものが多いです。

② ローリングストック法

普段から使う食品を多めに備蓄して、常に買い足しながら一番早く賞味期限がくるものから使うのがローリングストックです。よく食べるレトルト食品やよく調理に使う缶詰(ツナ缶やトマト缶など)などはローリングストック向きの食品と言えます。常に在庫がリフレッシュされていくので、賞味期限切れが起きにくくなります。

③ 定期的に賞味期限をチェックして管理する

定期的に備蓄食品の賞味期限を確認する機会を作り、賞味期限が迫っている食品は消費し、新たな在庫を追加します。半年に一回行うなど決めて定期的にチェックすると良いですね。ローリングストックではなく非常食としてしまいっぱなしの食品を賞味期限内に食べきるには必須のアクションです。

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