冷えで老化が加速する⁉寒さを乗り切る冬の養生レシピで冷え&乾燥対策を

冷えで老化が加速する⁉寒さを乗り切る冬の養生レシピで冷え&乾燥対策を

いよいよ本格的な寒さがやってきます。日差しが出ていて日中は暖かくても、朝晩はかなり冷え込むようになりましたね。寒い季節は、身体の不調も起こりやすいので注意が必要。そこで今回は、『おいしい漢方365』の著者で漢方アドバイザーの久保奈穂実先生に、冷えや乾燥対策にぴったりな冬の養生レシピを教えていただきました。

冬は冷えと乾燥に注意

陰の気が最も強まる冬は、活力が下がり、春に備えてエネルギーを蓄える季節です。一年で最も寒く、肩こりや生理痛など血行障害による不調が起きやすくなります。

また、秋よりさらに乾燥が進むので注意。

冷えは老化を加速させてしまうんだそう……。
しっかりと対策をして冷えと乾燥から体を守り、無理をせずに過ごしましょう。

冬の養生三か条

1. 腎をいたわる

冬と関係が深い五臓は、成長や発育、生殖、ホルモン分泌などに関わる「腎(じん)」。

腎は寒さに弱く、腎が弱ると、膝や腰に力が入りにくくなったりします。また、頻尿などの尿のトラブルや、低音の耳鳴りなどの不調が起きたり、老化が進んだりすることも。

腎を守るために、冷えや過労を避け、無理しないことが大切です。

2. 補腎、温め、潤い食材を

腎が弱りやすい冬は、腎じんを補う食べ物がおすすめ。黒豆や黒ごま、黒きくらげなどの黒い色の食材が代表的です。

また、寒くて冷える時期なので、ニラやえびのような陽を補う食材や、シナモンや唐辛子など体を温める食材もとり入れて。秋に続いて乾燥しやすいので、潤いを補う食材もこまめにとりましょう。

3. 寒邪に注意

冬は、体に寒さによる邪気=「寒邪(かんじゃ)」が入りやすくなります。寒邪が入ると、冷え症や、肩や首のこり、生理痛や頭痛、手足のしびれ、しもやけ、風邪、神経痛などの不調が発生。

衣類でしっかりと防寒したり、体を温める食べ物で、体を冷やさないように気をつけましょう。

冷えや乾燥に!冬の養生レシピ

食の養生もぜひ積極的にとり入れていきましょう。

久保先生考案、冬の養生レシピをご紹介します。

※どのレシピも、分量は適量でおいしく作れるレシピになっています。

冷えによる血流障害に「さばとしめじのねぎダクスープ」

朝晩の冷え込みが日ごとに増し、ふと鏡を見たら顔色の悪さにびっくり。肩こりもひどい気が……。

これは冷えによる血流障害です。こんな症状には「さばとしめじのねぎダクスープ」を。

さばは、血の巡りをよくする食材で、血流障害からくる不調の改善をサポートしてくれます。気血を巡らせるねぎと寒さをちらすしょうがも使うので、この季節にぴったりの一皿です。

作り方

1. 鍋に湯を沸かし、しめじを軽く煮たらさば缶を汁ごと投入。

2. 鶏がらスープの素で味を調え、醤油を適宜加える。刻んだ小ねぎをたっぷりと千切りしょうがをのせて完成。

寒い日には 「鮭のしょうが焼き」

寒くて寝起きがつらい、外に出るのも億劫。そんな日は「鮭のしょうが焼き」で乗り切りましょう。

鮭は気血を補いつつ巡らせ、胃腸を温める食材。しょうがも体を温めて冷えを改善してくれます。豚肉でなく鮭のしょうが焼きなら、胃腸が弱い人でも負担になりにくく安心です。

鮭は、抗酸化作用が高いアスタキサンチンが豊富で、皮には体への吸収がよいとされるフィッシュコラーゲンも含まれています。しめじも同時に炒めれば、補血効果が加わりごはんが進む副菜になりますよ。

作り方

1. にんにくとしょうが少々をすりおろし、酒大さじ1、みりん大さじ1、醤油大さじ1と混ぜ合わせる。

2. フライパンに油を熱し、少し焦げ目が付く程度に鮭の両面を焼く。

3. 1を加え、空いた所にほぐしたしめじを入れ、一緒に炒める。しめじがしんなりして、たれが煮詰まったら完成。

急激な冷えに「ガ ーリックシュリンプブロッコリー」

急激な寒さによる冷えには、温め食材で内側からポカポカに。ぴったりのレシピが「ガーリックシュリンプブロッコリー」です。

えびは、薬膳では温め食材の代表選手。ちなみに、かには寒性で体を冷やす食材。同じ海の生物なのに不思議ですよね。温まりたい日はえびをチョイスしましょう。
 
えびとブロッコリーの共通点は補腎、つまりエイジングケアにぴったり。冬に体の冷え、寝不足や過労、性生活の不摂などで腎を消耗しすぎると、一気に老けてしまいます。食材の力も借りてせっせと補腎しましょう。

作り方

1. にんにく1片をみじん切りにしてボウルに入れ、オリーブオイル大さじ2を加え、和える。

2. 1に殻と背ワタをとったえび(むきえびでも可)を加え、塩こしょうをしてしばらくなじませる。

3. ブロッコリーは軽く塩ゆでしておく。レンチンでもOK。

4. 2のえびを取り出してフライパンで焼き、裏返したら3を加える。1のボウルに残っているオイルとにんにくをかけ、サッと炒める。バター少々で風味と潤い効果がアップ。

※のぼせやほてり、炎症、かゆみがあるときは控えましょう。