印度カリー子さんが教える「レンジキーマカレー」と簡単スパイスアレンジ

具材を刻んだり玉ねぎが飴色になるまで炒めたり、手間ひまかかるイメージのスパイスカレー。だけどレンジを使えば、材料を混ぜてチンするだけで本格的なスパイスカレーが作れちゃうんです!

そこで、スパイス料理研究家の印度カリー子さんに「レンジキーマカレー」を教わるイベントを開催。読者のみなさんをお招きし、カリー子さんがカレーを作るところを間近で見ながら、質問したり、作ったカレーをワイワイ試食したりと、和やかなイベントになりました。

今回は、そんなイベントの様子をレポートします。

今日は覚えておいて損はない「レンジで作るカレー」をご紹介します。私は凝った料理も作るんですけど、やっぱり人間なので、何も作りたくない日もあるんですよ。だけど外食はあまり好きじゃないから、できれば自分で作りたい。そんなときに大活躍するのがこのレシピです。カレーだけだとあっという間に終わってしまうので、カレーに添えるタクコ(※ターメリック・クミン・コリアンダー)を使ったレシピもご紹介します!

まずはクミンの香るカンタン焼き野菜から!

まずはカレーに添える焼き野菜から作っていきましょう。クミンは野菜や肉などに幅広く使えるスパイスで、私はサラダや肉野菜炒めによく入れます。クミンを入れると塩だけで味が決まり、野菜のうまみが楽しめるんですよ。

材料

野菜(かぼちゃ、レンコン、にんじん、じゃがいも など)…300g 塩、クミンパウダー…各小さじ 1/2 オリーブオイル…大さじ2

作り方

1. オーブンを220度に予熱しておく。2. 野菜を一口大に切る(レンコンは輪切り、かぼちゃはスライス)。3. 大きなボウルにオリーブオイル、塩、クミンパウダーを入れて混ぜ、2の野菜を入れて和える。4. 3を角皿にのせ、オーブンの下段に入れ、220度で20分焼く。


今日はにんじん、れんこん、じゃがいも、かぼちゃを使います。さつまいもやブロッコリー、ごぼうでもおいしいし、夏なら夏野菜もいいですよ。まずは野菜を適当な大きさに切ります。


オーブンは220℃で予熱します。オーブンによっては200℃までしか温度が上がらない製品もあるので、その場合は200℃でもオッケーです。


切った野菜に、オリーブオイルと塩とクミンパウダーをまぶして混ぜます。今日はクミンパウダーだけど、クミンシードでもおいしくできますよ。油を入れるとスパイスが野菜になじんで香ばしくなります。


角皿の上に野菜を並べて…


オーブンに入れて、220℃で20分焼きます。これで終わり!簡単でしょ?

クミンシードを使う場合はつぶしたほうがいいですか?

そのまま入れちゃって大丈夫です。ただし、必ず油を使うこと。クミンシードは油をまとわせずに焼くと、茹でた状態になって、えぐみが出てしまいます。

大根やかぶなど、水分が多い野菜でもできますか?

大丈夫です。心配だったら一度レンジでチンしてから焼くといいですよ。どんな野菜でも、このレシピでうまくいかなかったことはありません!

キーマカレーがあっという間にできちゃった!

続きまして、キーマカレーを作っていきます。

材料(2人分)

A合いびき肉…200gトマト…1/4個 50g(ミニトマト3~4個でもOK)フライドオニオン…大さじ1にんにく(チューブ)…小さじ1しょうが(チューブ)…小さじ1ターメリック…小さじ1/2クミンパウダー…小さじ1/2コリアンダー…小さじ1/2塩…小さじ1/2
プレーンヨーグルト…大さじ1ターメリックライス(or ごはん)…適量チリペッパー…適量

作り方

1. トマトはざく切りにする。2. 耐熱ガラスボウルにAを入れ、軽く混ぜふんわりラップをかけてレンジ(600W)で5分加熱する。加熱が足りなかった場合、様子を見ながら追加で加熱する。3. 加熱終了後にヨーグルトを加え、トマトをつぶすように混ぜ、塩で味を整える。器にターメリックライスと共に盛り付ける。辛味を加えたい場合はチリペッパーを小さじ1/4~小さじ1/2ほど加えましょう。

スパイスカレーを作るときって玉ねぎを一生懸命に炒めますよね。レンジの場合はどうするのかというと、今回は炒め玉ねぎと同じコクがあるフライドオニオンを使います。懸念点は、市販のフライドオニオンには小麦粉を使用している場合があること。それが気になる方は、小麦粉不使用の商品もあるので探してみてください。


トマトはみじん切り。ミニトマト3個くらいでも代用できるし、トマトケチャップでも代用できます。でも、生のトマトを入れたほうがフレッシュな香りがしますよ。


お肉、トマト、フライドオニオン、にんにく、しょうがを入れて混ぜます。そして、塩とスパイスを加えます。スパイスはムラにならないように、ふわーっと振りかけてあげて。

タクコ(※ターメリック・クミン・コリアンダー)は辛くないので、これだけだったらお子様でも食べられます。このカレーは2人分なので、辛いのと辛くないのをそれぞれ作りたい場合は、この状態で二つに分けて片方だけにチリペッパーを入れるといいですよ。


ラップはぴったりかけると破裂してしまうのでふんわりと。あとは600Wで5分チンしたらできあがりです。持っているレンジの出力が弱い場合は、最初に3分加熱して、一旦取り出して混ぜてから再度加熱するとムラなくできます。加熱が足りない場合は、様子を見ながら追加で加熱してください。


カレーを5分ほどチンしました。そしたら、ラップをとってよくかき混ぜます。


はい、こんな感じでもうほとんどできています。辛いのがお好きな方は、チリペッパーを小さじ1/4くらい加えてください。この段階で加えてもいいし、加熱前に加えても大丈夫です。


最後にヨーグルトを加えます。カレーにおけるヨーグルトの役割は、素材やスパイスの香りをまとめること。牛乳もココナッツミルクも生クリームも、すべての乳製品はカレーを一体化させてくれる力があります。


さて、カレーと一緒にいただくターメリックライスをご紹介します。これは、お米2合に対してターメリックを小さじ1/4杯入れて通常通りに炊くだけ。油や塩を入れる方もいるけど、私はターメリック以外入れません。


炊けたのがこちら!ターメリックにはさまざまな効能があり、毎日摂取した方がいいスパイスなので、ぜひカレーのときはターメリックライスにしてみてくださいね。


では、ターメリックライスにカレーをよそって、焼き野菜をトッピングして…


できあがり!本当にあっという間にできちゃうので、疲れているけど家でごはんを作りたいときに便利です。意外と手間ひまかけて作ったカレーより評判がいいこともあって複雑なんですけど(笑)。


みなさん、何か質問はありますか?

ヨーグルト以外を入れる場合、たとえばこういう場合は牛乳がいいとかココナッツミルクがいいとか、何か法則はありますか?

味をまとめてくれるのは脂質なので、脂肪分の多いココナッツミルクと生クリームはうまみが抜群です。だから私は、このどちらかがあれば優先的に使いますね。ない場合は牛乳かヨーグルトを使うんですが、粘度がほしいカレーならヨーグルトを選ぶし、酸味を出したくないときは牛乳を使います。

ホールスパイスを入れるとき、レンジで加熱したらえぐみが出ませんか?

カルダモンやクローブやシナモンなど、茹でても香りが変わらないスパイスなら、レンジで加熱してもえぐみは出ません。レンジは基本的には茹でるのと一緒ですから。クミンシードやマスタードシードなど、茹でるとえぐみが出ちゃうスパイスもあるので要注意ですね。

レッドペッパーを加熱前と加熱後に入れるのとでは、何か変わりますか?

加熱前に入れたほうが、カプサンチンという赤色の色素がよく出ます。ただ、加熱前に入れても加熱後に入れても、味はそんなに変わらないです。どちらでもいいと思いますよ。

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