【耳鼻科医監修】めまい・吐き気の原因は? めまいの診療内容や流れについて解説

【耳鼻科医監修】めまい・吐き気の原因は? めまいの診療内容や流れについて解説

めまいや吐き気を感じていても「なんとなく不調」で我慢していませんか? もしくは、医療機関を受診したくても何科にかかれば良いのかわからない、どんな検査を受けるのか知らないという方も多いと思います。そこで今回は、耳鼻科医でめまい相談医の岩崎朱見先生(人形町耳鼻咽喉科めまいクリニック 院長)にめまい・吐き気の原因とめまい診療の詳細をお聞きしました。

監修医師:
岩崎 朱見(人形町耳鼻咽喉科めまいクリニック)

東京医科歯科大学医学部卒業後、東京医科歯科大学医学部附属病院(現・東京医科歯科大学病院)耳鼻咽喉科助手、中野総合病院耳鼻咽喉科 医長、JCHO東京高輪病院耳鼻咽喉科 医長、都立駒込病院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍外科 医長などを経て、2017年、東京都中央区に「人形町耳鼻咽喉科めまいクリニック」を開院、院長となる。医学博士、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定専門医、日本めまい平衡医学会認定めまい相談医。

「めまい」とは? 種類や原因について医師が解説

編集部

めまいとはどんな状態を指しますか?

岩崎先生

めまいは、医学的には「安静にしているときあるいは運動中に、自分自身が感じている平衡感覚や位置感覚と現実に乖離が生じ、不快感を伴った時に生じる症状」とされています。グルグル・フワフワといった感覚や、気が遠くなるような感覚、平衡感覚が保てなくなるような感覚を指すことが多いですね。

編集部

めまいにもいろんな状態・症状があるのですね。

岩崎先生

そうですね。めまいの種類には、ぐるぐる回るような「回転性めまい」やフワフワ浮く感覚のする「浮動性めまい」、目の前が暗くなったり気が遠くなったりする「失神性めまい(立ちくらみ)」などがあります。症状も多岐にわたり、立ち上がった時や眠りにつく時などにたまにめまいがするというものから、長期間にわたって症状が続くケースなどさまざまです。

編集部

では、めまいはどんな原因で起こるのですか?

岩崎先生

原因もさまざまですが、「良性発作性頭位めまい症」が最も頻度が高く、メニエール病などの耳の異常によるものが多いです。そのほかにも自律神経の不調から引きおこされるめまいや、ホルモンバランスの乱れからくるめまいなどもあります。また、それらが複合的に組み合わさっていることもあるので、原因といえども複雑です。

編集部

たくさんの原因が考えられるのですね。

岩崎先生

そうですね。ほかには、脳梗塞や脳出血、熱中症、脱水など全身状態の悪化に伴うめまいもあります。この場合は早急な対処が必要ですので、例えば意識レベルの低下や手足の動かしにくさ、激しい頭痛などがみられた場合は早急に医療機関を受診してください。

めまいと吐き気はどんな時に起こるの?

編集部

よくめまいと吐き気は同時に起こると聞きますが、それはなぜですか?

岩崎先生

めまいが起こることで自律神経が作用して、吐き気・嘔吐が起こります。例えるのであれば、船酔いやバス酔いのような乗り物酔いと同じ感覚です。

編集部

吐き気だけでなくめまいとほかの症状が同時に起こることもありますか?

岩崎先生

そうですね。比較的多くみられるのは、めまいと耳鳴り、耳閉感(耳が詰まった感じ)などの症状を伴うケースです。

編集部

めまいと耳鳴りが同時に起こった時は、どのような状態が考えられますか?

岩崎先生

めまいと耳鳴りなどの症状が同時に起こる時は、内耳の異常が考えられます。めまいに加え、耳鳴り・耳が詰まった感じ・聞こえないという症状が突然に起こった方は、突発性難聴の可能性があります。突発性難聴は、早期に治療を始めると回復しやすいのですが、遅れるとその状態で固定する確率が高くなりますので、ぜひ早めに受診してください。

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