「腎臓がんの治療法」はご存知ですか?費用や副作用も解説!【医師監修】

「腎臓がんの治療法」はご存知ですか?費用や副作用も解説!【医師監修】

腎臓がんの薬物療法

がん治療における薬物療法は、腫瘍を手術で取り除けなかった場合に用いられる治療です。また手術と併用して薬物療法が選択される場合もあります。
薬物療法で使用される薬はがんを攻撃する働きを持ち、入院または通院治療のいずれかを本人の希望や医師の判断で決められます。
では腎臓がん治療に使用される薬物療法について解説しましょう。

薬物療法の種類

腎臓がんで用いられる薬物療法は分子標的薬です。
がん細胞が増えるのに必要なシグナルや、がん細胞が栄養をもらうための血管を作るシグナル伝達を阻害することによって癌細胞の増殖を抑えるお薬です。
これらのシグナルは正常細胞にも存在しているために、副作用が生じることもあります。

薬物療法にかかる費用

薬物療法にかかる費用は診察費・薬代の他、入院した場合に入院基本料・食事代・差額ベッド代などがかかります。健康保険適用分は1~3割負担となり高額療養費の対象になりますが、健康保険対象外の費用は全額実費です。
また薬物療法で使用される薬はそれぞれ単価が異なるため、使用する薬によって金額が変動します。

術後のアプローチ

薬物療法で使用される薬には副作用があるため、入院および通院治療中に異常が起きた場合は専門の医師へ早めに相談してください。
副作用は軽度なものから今後の生活に支障を与えるものがあるため、体調の変化には十分に気を付けましょう。また以下の副作用があった場合は注意が必要です。

皮膚に湿疹・炎症がある

手足のしびれや痛みがある

血圧が上がる

咳や呼吸困難が起こる

この中でも咳や呼吸困難の症状が出てきた場合は、即座に医療機関へ受診し専門の医師へ診てもらう必要があります。
一方皮膚の異常や血圧の変化があった場合は、自宅で記録をして専門の医師へ相談することが大切です。

腎臓がんのそのほかの治療方法

腎臓がんには外科的処置・薬物療法以外にも4つの治療法があります。

凍結療法

免疫療法

放射線療法

監視療法

上記の治療は外科的処置・薬物療法が難しい場合や、外科的処置・薬物療法と併用して用いられることがあります。では4つの治療法について解説します。

凍結療法

悪性化した腫瘍が小さい場合や、患者さんが高齢の場合・持病などにより手術が難しい場合に用いられます。
悪性化した腫瘍へ直接針を刺し、アルゴンガスで凍らせる方法です。腫瘍は凍結させられることで、細胞が壊死して死滅します。

免疫療法

身体の中の免疫を利用して、悪性化し増殖した細胞を排除します。通常、手術で腎細胞がんを切除できない場合に用いられる治療です。
身体の中からウイルスや病原菌を排除する役割を持つ、白血球中にあるT細胞を薬物により活性化させることでがん細胞を排除します。
そのほかにサイトカインと呼ばれる組み替えタンパクを投与することで、T細胞の働きを活性化させる治療法もあります。通常はほかの免疫治療と併用される治療です。

放射線療法

放射線療法とは腫瘍に対し放射線を照射し、がん細胞を死滅させる治療法です。通常手術や薬物療法と併用される治療法で、単独で行われることは少ないです。
がんの進行を抑える目的や、がんによる痛みの緩和を目的として使用されます。

監視療法

腫瘍が小さく転移がない場合や、手術・薬物療法・放射線治療を行うのが難しい患者さんに対し用いられます。
手術・放射線治療・薬物療法等の治療を行わず、定期的に経過観察をする方法です。

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