「心臓発作の主な5つの原因」はご存知ですか?症状や予防法も医師が解説!

「心臓発作の主な5つの原因」はご存知ですか?症状や予防法も医師が解説!

心臓発作が起きると現れる症状

胸痛

心臓発作を引き起こす原因として最も多いのは心筋梗塞や狭心症であり、その主な症状は胸痛です。典型的には、胸の中心~左側の締め付けられるような、押しつぶされるような胸痛を生じ、冷や汗や吐気を伴う強い症状が起こります。左肩~顎や奥歯まで苦しくなる放散痛を伴うことも多いです。初期の狭心症では動いた時に症状を生じますが、心筋梗塞や重度の狭心症では安静時にも症状が出現します。
すでに病院からニトロなどの血管拡張剤を処方されていれば速やかに使用しましょう。
数分で改善しないような胸痛の場合は、速やかな救急要請が必要となる、非常に緊急性が高い状態となっている可能性が高いです。
もし短時間で落ち着いたとしても、早期の循環器科受診が必要となります。

動悸

心室頻拍のような頻脈発作が出現した際には、動悸が出現することが多いです(心室細動では数秒で意識が消失するため、動悸を自覚する前に倒れてしまうことも多いです)。
極端な頻脈状態となり血圧が下がるため、めまいや血の気が引く感じ、ひどいと失神を伴うこともあります。
強い動悸や血圧低下症状がある際には無理に動かず、横になって楽な姿勢を取り、速やかに救急要請をする必要があります。

めまい、失神

心室頻拍や心室細動などの不整脈が出現すると、前述のように動悸だけでなく、脳への血流が低下することによって血圧が低下し、強いめまいや気が遠のく、失神するなどの症状を引き起こすことがあります。動悸に伴ってこのような血圧低下症状が出現する際には、速やかに救急要請をする必要があります。
中には、短時間の失神やめまいを前兆として認めることもあります。
これまでにない症状が出現したときには、早期に循環器科受診をすることが大切です。

息切れ

心不全を引き起こした場合に生じやすい症状です。
胸痛や動悸を伴うこともありますが、徐々に出現してくることもあるため、年のせいと思って様子を見られてしまうこともあります。それまでできた動作で息切れが出現するようになった際には、一度病院を受診して相談することが必要です。

心臓発作の予防法

生活習慣に気をつける

多くの心疾患は動脈硬化が原因となるため、最も基本的な点は生活習慣に気をつけることです。気をつけるポイントとしては、以下のような点があります。

・塩分をとり過ぎない:1日の塩分量は6g以下を意識する

・カロリーをとり過ぎない:通常成人では、年齢や活動量に応じて1800-2600kcal程度のカロリー摂取が推奨されます。さらに、野菜や果物の積極的な摂取、脂分が多い食品をとり過ぎないことが推奨されます。

・太り過ぎない:BMI(体重[kg]÷身長[m]2)25未満を心がける

・運動習慣:軽く汗ばむ位の有酸素運動を1日60分(歩行なら1日8000歩以上)行う

・節酒:エタノールとして1日、男性20-30ml(日本酒1合、ビール中瓶2本、焼酎0.5合、ワイン2杯、ウイスキーダブル1杯に相当)、女性は約半分の10-20ml以下の制限が推奨されます。

・禁煙:喫煙は高血圧、心臓・脳血管疾患、肺疾患、悪性腫瘍など、さまざまな疾患リスクとなることが証明されています。

健康診断、定期的な検査を受ける

心臓発作の原因となる疾患の多くは、高血圧などの生活習慣病や、心臓の異常であるため、定期的に健康診断を受けて、身体診察、心電図やレントゲン、採血検査などを受けることで早期の診断、早期治療に繋げることが可能です。
より早い段階で診断・治療を行うことで、危険な状態になるまで病気を放置することがなくなり、心臓発作の予防になります。

治療している病気をしっかりコントロールする

心臓発作の原因となるような病気は生活習慣病や慢性的な心臓病が多く、適切な治療を受けることで病気の進行や心臓への過度の負荷を防止することができます。
高血圧や脂質異常、糖尿病などの生活習慣病や慢性的な心臓病は、治療が不十分であったり、治療を中断してしまうと動脈硬化を進行させ、心臓の負担を増やし、心臓発作の原因となるような病気を引き起こしてしまいます。内服をしっかり継続すること、医師による定期的な病状評価をうけること(診察や検査)、治療が不十分であれば治療強化を検討することが非常に重要です。

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