歯科医が「歯磨き粉」の付けすぎに注意喚起する理由とは? 正しいセルフケアって?

歯科医が「歯磨き粉」の付けすぎに注意喚起する理由とは? 正しいセルフケアって?

歯ブラシの交換頻度は2週間~1ヶ月に一度。歯磨き剤は、つけ過ぎると爽快感で「しっかり磨けた」と錯覚してしまうから注意が必要なのだと、かなめフラワーパーク歯科の上園先生は言います。詳しく話を聞かせてもらいました。

監修歯科医師:
上園 明日見(かなめフラワーパーク歯科)

東京医科歯科大学歯学部卒業。東京医科歯科大学歯学部附属病院(現・東京医科歯科大学病院)で臨床研修後、東京医科歯科大学大学院顎顔面外科学分野入局、博士課程修了。医療法人社団泰青会青葉歯科医院にて勤務、院長に就任。その後かなめフラワーパーク歯科を開院。日本口腔外科学会口腔外科認定医。厚生労働省認定臨床指導医。歯学博士。日本口腔外科学会、日本顎関節学会、癌治療増感研究会などに所属。

編集部

むし歯予防のためにセルフケアで気を付けるべきことや注意点などはありますか?

上園先生

むし歯予防では、歯磨きによるプラークの除去とフッ素の使用が効果的です。そのためご自身の使いやすい歯ブラシやフッ素配合の歯磨き剤を使用すると良いでしょう。また、歯ブラシの交換頻度を守ることも大切です。古い歯ブラシを使用していると、毛先が開いて効果的に汚れが落とせないほか、細菌が繁殖してしまい不衛生。可能であれば2週間に一度、最低でも1ヶ月に一度は交換するようにしてください。

編集部

歯周病予防の場合にはどうでしょうか?

上園先生

歯周病予防には、歯と歯ぐきのすき間(ポケット)に潜む細菌を除去することが重要です。そのため、ポケットまで毛先が入りやすいように、柔らかく細かい毛質の歯ブラシを使用すると良いでしょう。中でも「テーパード毛」と呼ばれる先が細くなったのものがおすすめです。既に歯周病になってしまっていると、歯肉が腫れたり痛みが出ることがあります。そのような場合には歯磨きだけでは治りにくいので、早めに歯科医院を受診してください。

編集部

効果的な磨き方のポイントなどはありますか?

上園先生

ご自身の使いやすい歯ブラシやデンタルフロスなどを使用し、歯の表面や歯と歯の間、歯の付け根までしっかりと清掃し、細かい部分まで有効成分を行き渡らせることが大切です。歯磨き剤は、得られる爽快感によって、実際には汚れが落としきれていないのに「しっかり磨けた」と錯覚してしまうこともあるため、つけ過ぎに注意してください。使用する量は歯ブラシの毛の長さ1/4〜1/3程度を目安にしてください。ほかにも、歯磨き剤を付けずに磨いてみて、しっかり磨けているか確認してみることも効果的です。

編集部

歯磨き以外に、気をつけるべきことはありますか?

上園先生

むし歯や歯周病の予防には、歯磨きだけでなく歯科医院での定期検診やクリーニングも重要です。自覚症状がなくても、定期的な検診でむし歯や歯周病の有無を確認し、歯科衛生士、歯科医師によるクリーニングで歯磨きでは取れない歯石を除去してもらいましょう。

編集部

ありがとうございました。最後に読者の皆様にメッセージをお願いします。

上園先生

ご自身の口腔内の状態から、どんな歯ブラシ、歯磨き剤を使用したら良いか分からないという場合でも、遠慮なく歯科医師にご相談ください。現在使用中の歯ブラシを持参してご自身にあっているか確認してもらうのも良いでしょう。歯科医院では、口腔内のお悩みに合わせてデンタルフロスや歯間ブラシといったケア用品の選び方、歯磨きの仕方を提案してくれますよ。

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