「急性骨髄性白血病の治療期間」はご存知ですか?症状や治療法も解説!【医師監修】

「急性骨髄性白血病の治療期間」はご存知ですか?症状や治療法も解説!【医師監修】

急性骨髄性白血病の治療方法

急性骨髄性白血病の治療法について、3つの方法を解説します。

化学療法

急性骨髄性白血病の主要な治療法は化学療法であり、寛解導入療法と寛解後療法の2つの段階に分けられます。最初は症状の安定を目指し、次に完全寛解の維持と白血病細胞の除去を目指します。治療には、骨髄抑制、吐き気、嘔吐、下痢、口内炎、脱毛、発熱などの副作用があり、貧血や血小板減少には輸血で対応します。

造血幹細胞移植

急性骨髄性白血病の治療における造血幹細胞移植の適応は、染色体異常や病型、予後因子に基づいて決定されます。移植方法には骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植があります。最近では、骨髄非破壊的移植(ミニ移植)も選択肢の1つとなっており、大量の抗がん剤治療や放射線治療をせずに、免疫抑制薬を用いることで造血幹細胞の交換が可能になっています。

支持療法

急性骨髄性白血病の治療においては、病気そのものの治療に加えて、総合的なケアが非常に重要であり、これは「支持療法」と呼ばれます。支持療法は、症状や合併症の管理、および治療に伴う副作用を最小限におさえることを目的としています。具体的には、患者の免疫力低下に対応し、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬などを使用して感染リスクを減らします。また、治療中に起こりうる貧血や血小板の減少には、輸血や血液製剤を用いて対応します。さらに、化学療法や放射線療法などの治療による副作用、例えば吐き気や嘔吐を軽減するために、吐き気止めの薬を使用します。支持療法を実施することで、患者の生活の質を維持・改善しながら、急性骨髄性白血病の治療を効果的に進められます。

急性骨髄性白血病の治療期間

急性骨髄性白血病の治療期間は、通常2〜3年とされています。この期間は、初めに聞くと非常に長く感じられるかもしれませんが、実際に入院が必要なのは治療期間の初期と、治療を強化する「強化療法」と呼ばれる期間に限られます。患者は、治療の進行に応じて入院と退院を繰り返すことになります。ただし、入院の期間や入退院の間隔は、患者の病状や治療の進み具合によって異なることがあります。したがって、急性骨髄性白血病の治療は患者1人ひとりの状況に合わせて柔軟に調整されることが重要です。

関連記事: