「脳卒中」の初期症状・原因はご存じですか? 脳卒中の疑いで倒れたときの正しい対処法も医師が解説

「脳卒中」の初期症状・原因はご存じですか? 脳卒中の疑いで倒れたときの正しい対処法も医師が解説

脳卒中の疑いで倒れたら……緊急時の対処法を医師が解説

編集部

身近な人が突然倒れて脳卒中が疑われる場合、どのように対処すればいいのでしょうか?

清水先生

一刻を争う状態なので、すぐに救急車を呼ぶことが大切です。また、救急隊員が到着したら「いつまで普通の状態であったか」ということを詳細に伝えましょう。もし倒れた瞬間を見ていなかった場合には、「知る限り、最後に元気だった時間」を伝えましょう。その時間によって治療法が変わるので、これらの情報はとても重要です。

編集部

そのほか、伝えることはありますか?

清水先生

既往症や現在服用している薬があれば、その内容も伝えてください。できればお薬手帳や、薬の現物を見せるといいでしょう。

編集部

救急隊員が来る前にやるべきことはありますか?

清水先生

倒れたときに体や頭を強く打っていないかを確認します。また、ネクタイやベルトなどを緩め、呼吸を楽にしてください。それから、水平に寝かせ、毛布などをかけて体が冷えないようにしましょう。

編集部

そのほかにも、気をつけることがあれば教えてください。

清水先生

風呂場やトイレなどで倒れた場合には、救急隊員が搬送しやすい場所に運び、安静にしてください。もし、家族がすぐ病院へ連れていける場合には、車で搬送しても構いません。ただし、本人が運転するのは危険なのでやめましょう。

編集部

どのような姿勢で寝かせればいいのですか?

清水先生

嘔吐した場合には、吐いたもので窒息することがないよう「回復体位」にします。回復体位は、横向けにして、上側の手を顎から顔の下に入れ、下顎を軽く前に突き出した姿勢のことです。これをすることで気道が確保され、呼吸が楽になります。体が後ろに倒れないよう、上側の足を前に出し、膝を90度くらい曲げておきましょう。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

清水先生

脳卒中の治療は、時間との勝負。万が一発症した場合、できるだけすぐに治療を開始することが重要です。そのために重要なのは、脳卒中の初期症状について理解し、脳卒中を疑うのに必要な知識を身につけることです。いざというときの対応なども覚えておくと、身の回りの人が倒れたときに役立つでしょう。

編集部まとめ

脳卒中の治療は一分一秒を争います。もし身近な人が倒れた場合には、たとえ脳卒中かどうか判断がつかなくても、急いで救急車を呼びましょう。あわせて病気に対する理解を深め、動脈硬化や高血圧など脳卒中の危険因子を普段から改善しておく努力も必要です。

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