健康診断で「白血球が多い」と診断される原因はご存知ですか?医師が解説!

健康診断で「白血球が多い」と診断される原因はご存知ですか?医師が解説!

健康診断で白血球が多いと言われたらどうすべき?Medical DOC監修医が血液検査の見方や基準値・主な原因と病気のリスク・対処法などを解説します。

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監修医師:
小正 晃裕(医師)

京都大学医学部卒業。循環器内科・臨床不整脈を専門とし、これまで関西電力病院、京都大学医学部附属病院などで勤務。主にカテーテルアブレーション、不整脈デバイス診療に従事。現在は大手企業の専属産業医、複数クリニックで内科外来業務に従事しながら医療DX推進に向けて複数事業を運営中。日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本不整脈心電学会認定不整脈専門医、日本医師会認定産業医。

健康診断・血液検査で「白血球が多い」と診断されたときに考えられる原因と対処法

健康診断で「白血球が多い」と診断された場合、どのように対応するのがよいのでしょうか。白血球が増加する原因は多数あり、まずはその原因を詳しく調べて対応する必要があります。今回の記事では白血球の増加に対してどのように対応するべきか、専門医の診察を受けるタイミングなども含めて解説しています。健診で異常を指摘された場合には、本記事を参考にしてください。

白血球が多いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

健康診断で白血球が多いという診断を受けたとき、まず考えられるのは、体が何らかの感染症や炎症に反応している可能性です。白血球は体の免疫システムの一部で、感染症や炎症に対抗するために増加します。
通常、白血球数の増加は特定の症状を引き起こしませんが、熱や咳、痛みなど感染症や炎症の他の兆候がある場合は、これらに注意してください。これらの症状が見られる場合は、安静にして水分を多く取り、必要に応じて医師の診察を受けることが大切です。
白血球の数が多い原因は多岐にわたります。感染症はもちろん、アレルギー反応や関節炎などの慢性炎症、さらには一部の薬剤の副作用によっても白血球は増加することがあります。また、非常に稀ですが、悪性腫瘍(白血病など)の可能性も否定できません。
一方で、健康な生活習慣は免疫システムのバランスを保つのに役立ちます。十分な睡眠、バランスの良い食事、定期的な運動は全て重要です。また、ストレスを減らし、禁煙や適度なアルコール摂取を心がけることも、免疫システムに良い影響を与えます。

頭痛がして白血球が多いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

頭痛を伴い、白血球が多いという診断を受けた場合、これは感染症や炎症反応の兆候である可能性があります。特に頭痛は、副鼻腔炎や髄膜炎など、特定の感染症の一般的な症状です。
頭痛が強い、または通常と異なる性質の場合、速やかに医療機関を受診することが重要です。発熱や吐き気、視覚障害など他の症状が伴う場合は特に注意が必要です。自宅でできる対処法としては、十分な休息を取り、水分補給を心がけることが推奨されます。
頭痛と白血球の増加は、感染症だけでなく、自己免疫疾患や重度のストレス、さらには一部のがんの初期症状であることもあります。そのため、これらの症状が見られた場合は、専門医による詳細な診断が必要です。

痩せ型で白血球が多いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

痩せ型の人が白血球の数が多いと診断された場合、いくつかの異なる原因が考えられます。白血球は体の免疫応答と密接に関連しており、感染症や炎症が原因で増加することが多いです。
特に注意すべきは、慢性的な消化器系の問題や自己免疫疾患など、栄養吸収を妨げる可能性のある病状です。また、慢性的な感染症や炎症性疾患も、体重減少と白血球の増加を引き起こすことがあります。
白血球の数が多いことが判明した場合、医師はさらなる検査を推奨することがあります。これには、栄養状態の評価、感染症の検査、消化器系の健康状態の確認などが含まれる可能性があります。まずはバランスの取れた食事を心がけ、十分な休息を確保することが重要です。また、症状が改善しない場合や新たな症状が現れた場合は、すぐに医師の診察を受けるべきです。

肥満で白血球が多いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

肥満の人が白血球が多いと診断される場合、その原因は肥満自体に起因する可能性があります。肥満は体内の炎症を引き起こしやすく、これが白血球の数を増加させる一因となることがあります。また、肥満は2型糖尿病や心臓病などの慢性疾患のリスクを高めることも知られており、これらの病状も白血球の増加に関連している可能性があります。
このような場合、医師は慢性疾患のリスク評価や、必要に応じて追加の検査を行うことを提案するかもしれません。患者自身にできる対処法として、体重管理と健康的な生活習慣の維持が重要です。バランスの良い食事、定期的な運動、十分な睡眠などが含まれます。
また、白血球の数が高いことに加えて、他の症状が現れた場合(例えば、疲労感、息切れ、胸痛など)は、速やかに医療機関での診察を受けることが推奨されます。肥満と白血球の増加は複数の健康問題を示唆する可能性があるため、専門医の診断が重要です。

妊娠中に白血球が多いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

妊娠中に白血球の数が多いと診断された場合、これは妊娠自体による自然な変化の一部であることが多いです。妊娠によって、女性の体はさまざまな生理的変化を経験し、これには免疫システムの変化も含まれます。
しかし、白血球の数が極端に高い場合や、発熱、異常な出血、慢性的な疲労など他の症状が伴う場合は、医師の診察が必要です。これらの症状は、感染症や他の健康問題の兆候である可能性があります。
妊娠中の女性にとって、定期的な健康診断は非常に重要です。これにより、妊娠に伴う様々な変化を監視し、必要に応じて早期に対処することができます。また、バランスの取れた栄養摂取、十分な休息、ストレスの管理も妊娠中の健康維持に役立ちます。
白血球の数が多いことが判明した妊婦は、特に健康に注意を払い、医師の指示に従うことが重要です。異常を感じた場合は、迷わず医療機関を受診してください。

健康診断の「血液検査」の見方と再検査が必要な「白血球が多い」に関する数値・結果

ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。
再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。
以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

健康診断・血液検査の「白血球」の基準値と結果の見方

健康診断における白血球の基準値は一般的に、成人では約3,300〜8,900/μLとされています。この数値は、健康成人の白血球の平均的な範囲を示しており、この範囲内であれば通常は問題ありません。ただし、年齢や採血法、測定法によっては基準値が異なることもあります。
白血球の数が基準値を大きく上回る場合(例えば、15,000/μL以上)、これは何らかの感染症、炎症、または血液疾患の可能性を示唆しています。逆に、基準値を大きく下回る場合(例えば、3,000/μL以下)は、免疫不全の可能性や、特定の薬剤の副作用、あるいは骨髄の問題を示すことがあります。
白血球の数値が基準範囲外である場合、医師は通常、追加の検査や詳細な診察を行います。これには、感染症の検査、アレルギー反応の評価、栄養状態のチェック、さらなる血液検査などが含まれることがあります。
検査結果の解釈には専門的な知識が必要です。そのため、結果に関して疑問や懸念がある場合は、医師に相談することをお勧めします。白血球の数値は、体の現在の健康状態を反映しており、適切な対応をするための重要な指標となります。

健康診断・血液検査の「白血球」の異常値・再検査基準と内容

健康診断や血液検査で白血球の異常値が見られた場合、医師は再検査や精密検査を推奨することがあります。異常値とは、一般的に基準値を大幅に上回る、または下回る数値を指します。また、軽度な異常でも繰り返し認める場合には精密検査が必要なことがあります。
再検査では、白血球の数値を再確認するための血液検査が行われます。精密検査には、白血球の種類を詳細に調べる血液塗抹検査や骨髄検査、感染症の検査などが含まれる場合があります。これらの検査は、異常な白血球の数値の原因を特定し、必要な治療を決定するために重要です。
検査費用は医療機関や検査の種類によって異なります。健康保険の適用範囲内で行われる場合もありますが、詳細は直接医療機関に確認することが必要です。再検査や精密検査は一般的に総合病院や専門のクリニックで行われます。
再検査の緊急度は、初回検査の結果と患者の全体的な健康状態によって異なります。通常、異常値が確認された場合は、数週間以内に再検査を受けることが推奨されます。
再検査の結果に基づいて、感染症の治療や内服薬、栄養療法など様々な治療が検討されることがあります。治療計画は個々の患者の状態に応じて個別に決定されます。
白血球の異常値は、様々な健康問題のサインである可能性があるため、再検査や精密検査の重要性は非常に高いです。異常値が見られた場合は、適切な医療機関での迅速な検査と適切な医療対応を受けることが重要です。

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