●賢い子は幼少期の遊び方が違う
「これからの日本社会を担う子どもたちに必要なのは“主体性・思考力・判断力”の3つ。塾に通うだけでは、到底この能力は身につかないので、今後はより、家庭力が問われることになるでしょう。そのためには、今後子どもに関わることは、日常多くの局面で“どうしたい?”“どう思う?”と親が問いかけていくことが大切。そうすることで、子どもは何でも自分で考えるようになり、切り開いていこうとする力がつき、自分の意見を主張できるようになるのです」(松永氏 以下同)
教育環境設定コンサルタントとして、これまで多くの親子を見守ってきた松永氏。将来“賢い人”へと成長し、それが自然と“幸せ獲得”に繋がる子どもは、まず幼少期からの遊び方が違うと説く。
「習い事などもそうですが、親の押しつけや強要で子どもの能力は伸びません。名だたる芸術家、ノーベル賞受賞者、経営者の自伝を読むとよくわかりますが、子どもの能力を伸ばすのは、“夢中になれる一番好きなことをとことんやらせる”の一言に尽きると思います。時代こそ違えど、成功者として取り上げられるほとんどの人たちが、幼少期に外遊びを好んでしていたという事実があります。ゲームやテレビは論外。小学生まではとことん外の世界を体験させ、何よりも“考えさせる力”を養うことが重要。外遊びもろくにさせず、塾に通って勉強漬けにしてしまった親たちが、将来の“頭でっかち星人”や“指示待ち星人”を生み出していることに、まだ気づいていない。子どものためではなく、実は塾を託児所代わりに利用しているということに、親たちはもうそろそろ気がついてもいいはずです」
●将来賢くなる遊びとは?
1.虫取りや川遊び
2.缶蹴りやケイドロ(泥棒、警察チームによる鬼ごっこ)
3.キャンプや焚火
4.街探索や廃材工作
5.パズル
「これらはすべてお金がかかりませんし、何よりも想起力、思考力を育成する遊びと言えます。子どもの頭のなかに“どうすれば楽しめるのか?”“どうすれば成功するのか?”という疑問が湧きたち、それを考え、行動に移すことで主体性も育つ。特に、ケイドロやキャンプなどのチームプレーは、協調性も身につきます」
遠出をせずとも、近くの公園や商店街巡りが立派な街探索になり、工作=お金をかけて工作キットを買うことほど、馬鹿げたことはないと語る松永氏。ゲームやテレビなど受動的なものではなく、実は“あまりお金がかからない遊びにおける工夫”こそが、子どもたちを賢くするという。将来、愛するわが子を“指示待ち星人”にしないためにも…親が今からできることは、きっとある!
(取材・文/蓮池由美子)