将来【賢い人】に成長する子どもの遊び方とは?

第2回 賢い子はこうして育つ!
『将来賢くなる子は「遊び方」が違う』(KKベストセラーズ)を出版した「V-net」(教育相談事務所)主宰の松永暢史氏を取材。2020年、いよいよ大学入試センター試験が廃止され、さらなるグローバル化が求められる日本。大きな変革を遂げようとしている現代社会において、AI(人工知能)に支配されず、幸せな将来をつかむ“賢い人”に成長するために、今親は、わが子に何をすることがベストなのか…。「今までのように、ただ塾に通わせるだけではムダ!」と語る松永氏に、アドバイスしてもらった。

●賢い子は幼少期の遊び方が違う

「これからの日本社会を担う子どもたちに必要なのは“主体性・思考力・判断力”の3つ。塾に通うだけでは、到底この能力は身につかないので、今後はより、家庭力が問われることになるでしょう。そのためには、今後子どもに関わることは、日常多くの局面で“どうしたい?”“どう思う?”と親が問いかけていくことが大切。そうすることで、子どもは何でも自分で考えるようになり、切り開いていこうとする力がつき、自分の意見を主張できるようになるのです」(松永氏 以下同)

教育環境設定コンサルタントとして、これまで多くの親子を見守ってきた松永氏。将来“賢い人”へと成長し、それが自然と“幸せ獲得”に繋がる子どもは、まず幼少期からの遊び方が違うと説く。

「習い事などもそうですが、親の押しつけや強要で子どもの能力は伸びません。名だたる芸術家、ノーベル賞受賞者、経営者の自伝を読むとよくわかりますが、子どもの能力を伸ばすのは、“夢中になれる一番好きなことをとことんやらせる”の一言に尽きると思います。時代こそ違えど、成功者として取り上げられるほとんどの人たちが、幼少期に外遊びを好んでしていたという事実があります。ゲームやテレビは論外。小学生まではとことん外の世界を体験させ、何よりも“考えさせる力”を養うことが重要。外遊びもろくにさせず、塾に通って勉強漬けにしてしまった親たちが、将来の“頭でっかち星人”や“指示待ち星人”を生み出していることに、まだ気づいていない。子どものためではなく、実は塾を託児所代わりに利用しているということに、親たちはもうそろそろ気がついてもいいはずです」

虫取りが子どもを賢くする

●将来賢くなる遊びとは?

1.虫取りや川遊び
2.缶蹴りやケイドロ(泥棒、警察チームによる鬼ごっこ)
3.キャンプや焚火
4.街探索や廃材工作
5.パズル

「これらはすべてお金がかかりませんし、何よりも想起力、思考力を育成する遊びと言えます。子どもの頭のなかに“どうすれば楽しめるのか?”“どうすれば成功するのか?”という疑問が湧きたち、それを考え、行動に移すことで主体性も育つ。特に、ケイドロやキャンプなどのチームプレーは、協調性も身につきます」

遠出をせずとも、近くの公園や商店街巡りが立派な街探索になり、工作=お金をかけて工作キットを買うことほど、馬鹿げたことはないと語る松永氏。ゲームやテレビなど受動的なものではなく、実は“あまりお金がかからない遊びにおける工夫”こそが、子どもたちを賢くするという。将来、愛するわが子を“指示待ち星人”にしないためにも…親が今からできることは、きっとある!

(取材・文/蓮池由美子)

お話をうかがった人

松永暢史
松永暢史
「V-net教育相談事務所」主宰
'57年、東京都生まれ。都立西高を経て、慶応大学文学部哲学科卒。受験プロ、教育環境設定コンサルタント、能力開発インストラクターとして子どもや親たちを指導している。主著に「男の子を伸ばす母親は、ここが違う!」「結婚できない男は、12歳までにつくられる」(ワニプラス新書)、「こんな働く母親が、子供を伸ばす!」(扶桑社)がある。
'57年、東京都生まれ。都立西高を経て、慶応大学文学部哲学科卒。受験プロ、教育環境設定コンサルタント、能力開発インストラクターとして子どもや親たちを指導している。主著に「男の子を伸ばす母親は、ここが違う!」「結婚できない男は、12歳までにつくられる」(ワニプラス新書)、「こんな働く母親が、子供を伸ばす!」(扶桑社)がある。