【闘病】トイレで意識を失うことも…「全身性エリテマトーデス(SLE)」発症とステロイド治療の乗り越え方

【闘病】トイレで意識を失うことも…「全身性エリテマトーデス(SLE)」発症とステロイド治療の乗り越え方

全身性エリテマトーデス(SLE)は20~40代の女性に多く発症し、初期症状として発熱・関節の痛みがあるので風邪やインフルエンザと間違えられることもあるそうです。今回お話を聞いたちぃさん(仮称)も、最初の異変からインフルエンザと思っていたところ、症状が悪化してからSLEと診断されたそうです。発症から診断までの経緯や治療のためのステロイド治療の乗り越え方、病気の方へのメッセージをお聞きしました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年11月取材。

体験者プロフィール:
ちぃさん(仮称)

1983年生まれの静岡県在住。高校を卒業した2002年の3月頃から体調不良が続き、4月に入院、5月に「全身性エリテマトーデス(SLE)」と診断される。

記事監修医師:
副島 裕太郎(横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

原因不明の体調不良が続く…トイレで意識を無くして転倒することも

編集部

最初に不調や違和感があった時のことについて教えてください。

ちぃさん

高校を卒業して新卒で会社に入るまでの期間に、38℃を超える高熱が続くようになりました。横になることが多くなり、トイレに行きたくて起き上がっても気づけば意識を無くして倒れるということが頻繁に起こるようになりました。

編集部

それは大変でしたね。では、そこから病院を受診しましたか?

ちぃさん

はい。初めは近くの開業医を受診し、インフルエンザと言われて薬を処方されました。しばらく経っても変わらなかったので大きい病院に行きましたが、診断は変わらず。自宅療養を続けていましたが、熱で身体が辛すぎて救急に駆け込んだところ、採血検査で「CRP(炎症反応)が高すぎる。これはまずい」と言われ、その場で入院が決まりました。

編集部

どんな病気だったのでしょうか?

ちぃさん

「全身性エリテマトーデス(SLE)」という、細菌やウイルスから自分の体を守るための免疫が、自分の体を攻撃してしまう自己免疫疾患でした。このSLEは基本的に完治することはなく、厚生労働省により難病指定されています。

編集部

そのときの心境について教えてください。

ちぃさん

全く知らない病名が出てきて、医師の説明は正直理解できなくてあまり覚えていません。「ステロイドを内服して様子を見る」と言われたことは覚えています。今だったら調べたり、SNSなどで同じ病気の人を探したりしたかもしれませんが、そんな時代でもなかったので、当時は治る病気だとさえ思っていました。

入院中に恋人に振られ、病室で泣く日々

編集部

実際の治療はどのようにすすめられましたか?

ちぃさん

ステロイドの錠剤を60mgからスタートしました。

編集部

受診から手術、現在に至るまで、何か印象的なエピソードなどあれば教えてください。

ちぃさん

1番の出来事は、当時付き合っていた彼に入院中振られたことです。闘病中の心の支えだったので、ご飯も食べられないほど落ち込み、大部屋でしたが毎日病室で泣いてました。ですが、同じ病室の患者さんがそばで励ましてくれて、時には屋上などに連れ出してくれました。病棟の看護師さんも親身になってくれて、今でも感謝しています。

編集部

病気の前後で変化したことを教えてください。

ちぃさん

元々明るい性格ですが、前にも増して明るくなりました。ですが、それは難病になったことで「かわいそう」とよく言われるようになったのが嫌で、無理して明るくしているのかもしれません。いいことなのかは分からないですが……。「強いね」とよく言われますが、本当は全然強くないので病気になってから強がっているのかもしれません。意外とそういう方は多いんじゃないかなと思います。

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