そもそも酒粕(さけかす)って何?
最近、酒粕(さけかす)をスーパーでも見かけるようになりましたが、酒粕とはどんなものなのでしょうか?
【酒粕ができる工程】
米、米麹、水を発酵させてこしたものが日本酒で、その搾りかすが酒粕です。日本酒を製造する中で、こうじ菌と酵母の微生物が働きます。こうじ菌が米のデンプンを糖化し、酵母がアルコールへと変化することをアルコール発酵と言います。発酵が終えたお酒のもととなる「もろみ」を圧搾することで、液体部分の日本酒と固体部分の搾りかすである酒粕へと分かれます。
【酒粕の種類】
◆板粕
酒のもろみを圧搾したあと、平たい状態に残った酒粕をはがして、切りそろえたものです。酒粕の中で手に入れやすいです。
◆バラ粕
酒のもろみを圧搾している時、機械からこぼれたもの、柔らかくて板状にならなかったものです。板粕と同じ品質ですが、柔らかく溶けやすいです。
◆練り粕
板粕またはバラ粕をタンクに入れて空気を抜いて押し固め、半年間ほど熟成させたものです。黄金色や茶色をしています。野菜や魚の粕漬、奈良漬け用として使用します。
酒粕の豊富な3つの栄養素と効果
酒粕には豊富な栄養素が含まれており、女性に嬉しい美容効果や健康効果が期待できる成分が含まれています。
【レジスタントプロテイン】
酒粕にはレジスタントプロテインと言う、体内の消化酵素で分解されにくいタンパク質が含まれています。レジスタントプロテインは小腸を通り過ぎながら、コレステロールなどの余分な脂質を体外へ排出し、吸収されにくい働きがあり、ダイエット効果が期待できると言われています。
【食物繊維】
酒粕には不溶性食物繊維が豊富に含まれています。不溶性食物繊維は腸内で水分を含むと数十倍にふくれ、大腸のぜん動運動を促進し、腸内の不要な老廃物と合わせて排便を促します。レジスタントプロテインとの相乗効果により、便秘改善によるダイエット効果が期待できます。
【ビタミンB群】
酒粕にはビタミンB群が豊富に含まれています。タンパク質、脂質、炭水化物の代謝を促進し、肌の再生を助け、シミの原因となるメラニン色素を抑え、保湿効果や乾燥予防にも効果があると言われています。
酒粕の活用方法と保存方法
栄養豊富な酒粕を買ってみたものの使い方がわからない方も多いのではないでしょうか?板粕やバラ粕を料理に使う際は、ペースト状にしておくと便利です。
【酒粕ペーストの作り方】
1.酒粕は細かくちぎり、耐熱ボウルに入れる
2.酒粕100gに対して水50ml加えて電子レンジに40秒かけ、柔らかくします(アルコール分を飛ばしたい場合は、ラップをしない)
3.温かいうちにフォークなどで潰し混ぜてペースト状にする。なめらかにしたい場合、すり鉢かミキサーにかけるとよいです。
ペーストにした酒粕は、カレーのルーやパスタのクリームに加えたりと料理に幅広く使えます。
※酒粕には、約8%のアルコール分が含まれています。お酒に弱い人は加熱してアルコール分を飛ばして食べること、肉や魚に漬けて利用することをオススメします。
【保存方法】
酒粕は冷蔵庫で2〜3カ月ほど保存できます。長期保存する場合は、ラップなどに包み、ジップロックなどに入れて保存します。表面に白い粉のようなものが出ることがありますが、カビではなく、チロシンというタンパク質が結晶したものです。
いかがでしたか?女性に嬉しい効果が期待できる酒粕。今はスーパーや通販でも気軽に購入できるので、日々の料理に活用してみませんか?