●帰り道に話す言葉が見つからなくて…
「中学生の頃の初々しい恋バナです。ある日のこと…何かは忘れてしまいましたが、罰ゲームで、Aくんが好きな子にコクることになったんです。で、Aくんにコクられたのがまさかの私。私も、爽やかなAくんのことはけっこう気になっていたんですけど、その時は一瞬“じゃあ付き合う?”っていうことになったものの、まだ幼かったこともあり、自然消滅で終わりました」(Rちゃん。以下同)
Rちゃんは目鼻立ちがハッキリしたスレンダー美女。女優の川島海荷を思わせる顔立ちで、見るからに男子にモテそうな高校1年生だ。
「中学2年生になって、Aくんとクラスは離れてしまったものの、体育委員で同じになりました。LINEでつながって、よく話をしているうちに“今度こそ付き合わない?”ということになって…。私も、彼にコクられて以来、ずっと気になっていたので、すぐにOKを出しました。その翌日、1度学校から一緒に帰ったんです。ただ、今も変わらずなんですけど、私、とにかく男子と話すのが苦手で…。恥ずかしくて彼の顔もまともに見られなくて、彼も何を話していいのかわからないようで、ただただ2人で黙りこくったまま家まで歩いて帰りました。歩いて20分くらいの距離なんですが、とても長い時間に感じられましたね(笑)」
Aくんは、サッカー部のレギュラー選手で、女子の人気は高かったという。彼に片想いしている女子も多数いたとか。
「1回一緒に帰った時、そんな状況でまったく楽しませてあげられなかったので、LINEもお互いメッセージを送る機会を逃したままで、“これじゃあ付き合ってるって言えないよね”と心の中で自問自答していました。でも学校にいても目が合う回数はものすごく多くて、放課後、彼の部活の練習もよく見ていたので、彼は私の気持ちは知っているものだと思っていました」
●2人の恋愛を親友にかき回され…
そんななか、Rちゃんは、悲しい噂を耳にすることに…。
「いつメン(いつも一緒にいるメンバー)のF香とAくんが付き合っているという噂が流れてきたんです。いてもたってもいられなくなった私は、やっと行動に移して、帰り道にAくんを捕まえ、“聞きたいことがあるんだけど…F香と付き合ってるの?”と思い切って聞いてみました。Aくんは申し訳なさそうにうなずいて、“ずっとRに言えなくて…本当にごめんね!”と言うのです。私はその時、やっと“本当にAくんのことが好きだったんだ”という自分の気持ちに気づきました。でも時すでに遅し…でした」
その後、さらに悲しい出来事がRちゃんを襲う!
「実は、F香とA くんをくっつけたのが、親友のYだったことがわかったんです。Yは、私がAくんとの恋愛が上手くいかない時、“最近どうなの?”と聞いてきて、“それが、何を考えているのかよくわからないんだよね~”などと相談していた人物。よくよく聞けば、F香からも恋愛相談を受けていて“Rとはあんまりうまくいってないみたいだから、コクってとっちゃえば?”と後押ししたそうなんです。人の恋愛に首をツッこんでグチャグチャにして…、もう本当にうざい! あちこちでこのようなことをしていることも発覚して、みんな無視はしないまでも、Yにはあきれかえるばかりでした」
お互いピュアなあまり、話す言葉すら見つからなかったRちゃんとAくん。そして、そんな2人の恋愛模様を知ってか知らずか、ごちゃごちゃにかき回すYちゃん。三角関係やすれ違いの恋…邦画が全盛期の今、マンガが原作の胸キュン青春映画が次々公開され、親世代は「しょせんはマンガのなかの話よね…」と思っているかもしれないが、実際の中高生の恋愛でも、同じような事件が日々勃発しているのかもしれない。
(取材・文/バービー)