「肋骨の右下がズキズキ痛む」原因はご存知ですか?考えられる病気も医師が解説!

「肋骨の右下がズキズキ痛む」原因はご存知ですか?考えられる病気も医師が解説!

「肋骨の右下がズキズキ痛む」の症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「肋骨の右下がズキズキ痛む」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

胆嚢炎

肋骨の右下には、胆のうという臓器があります。胆のうには結石ができることがあり、この結石が胆のうの出入り口にある胆のう管に詰まると、胆のうに炎症が生じます。その結果、胆のうがむくんで腫れ、炎症が進行します。
初期の場合は、お腹の上辺りの不快感や鈍痛です。炎症が進行するとともに、右季肋部痛を強く感じるようになります。胆のう炎の治療では、入院して食事を止めます。そして、抗菌薬や鎮痛薬を使って治療を行います。できるだけ早く胆のう摘出術を行うことが一般的です。
右季肋部痛を認める場合は内科、特に消化器内科を受診するのが望ましいです。あるいは、外科を受診するようにしましょう。休みの日や病院がやっていない時間帯に、痛みが強い場合は救急外来などを受診しましょう。

腎結石

尿路結石は、尿の中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの成分が過剰になり、塊になることで発生します。結石ができる原因ははっきりと分かっていませんが、生活習慣や体質などが関係しているとされています。尿路結石は症状がない場合もありますが、痛みや尿に血がまじることがあります。治療は結石の大きさや症状によって異なり、薬による治療や結石をくだく処置を行います。

肋間神経痛

肋間神経は、肋骨に沿って走る神経です。この神経が何らかの原因で障害されて生じる痛みを肋間神経痛と言います。痛みは深呼吸やくしゃみ、体をねじるだけでも悪化することがあります。肋間神経痛の原因として、帯状疱疹ウイルスが原因となることもあれば、明らかな原因がなく肋間神経痛が発症する場合もあります。
治療は帯状疱疹ウイルスなど原因があればそれに対する治療を行います。原因が明らかでなければ、痛み止めや湿布などを使って痛みを抑える治療を行います。
肋間神経痛のような症状があれば、整形外科や内科を受診すると良いでしょう。

肋骨骨折

肋骨骨折は、さまざまな原因によって肋骨の骨が折れる病気です。机などにぶつけたというような軽い打撲や、交通事故など事故によるものがあります。また、ゴルフなどで体をねじったり、くしゃみで骨折することもあります。
症状としては、骨折した所の痛みや内出血、腫れなどです。また、痛みのために深呼吸やくしゃみがしにくくなります。
痛みが軽ければ、痛み止めの飲み薬や湿布などで経過をみます。痛みが強ければ、バストバンドなどによって固定をします。 肋骨骨折は肋骨近くにある肺や肝臓などを傷つけている恐れがあります。できるだけ早めに整形外科を受診するようにしてください。

クラミジア感染症

クラミジア感染症は、クラミジアという細菌に感染することで発症する病気の総称です。クラミジア感染症では、性感染症の1つである性器クラミジア感染症が最も多いです。そのため、尿をする時に痛みがあったり、尿道の不快感、かゆみなどの自覚症状が出ることが多いです。中には、クラミジアが肝臓や骨盤内の臓器に炎症を及ぼす骨盤内付属器炎をきたすことがあり、その場合は右季肋部痛や腹部の痛みを訴えます。クラミジア感染症の治療は、抗菌薬による薬物療法が基本です。自覚症状があればまず泌尿器科や婦人科を受診すると良いでしょう。

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮の内側にあるはずの組織が、卵巣など別の場所に発生することで起こります。20~30代の女性で発症することが多いとされています。
子宮内膜症は女性ホルモンの影響で月経周期に合わせて症状が出るため、生理前に肋骨の右下が痛みのピークになることがあります。
治療は、薬による治療と手術による治療があります。ただし、年齢や妊娠の希望などを踏まえて、最適な治療法を選択していきます。
女性特有の病気ですので、産科婦人科を受診すると良いでしょう。

「肋骨の右下がズキズキ痛む」ときの正しい対処法は?

肋骨の右下がズキズキと痛む場合は、まず痛み止めを飲んだり、湿布を貼ったり市販薬を試すのが良いでしょう。市販薬を使う際は使用回数や場所などを守ることがトラブルなく使うには重要です。特に、湿布の場合はかぶれたりすることがあるので、その場合は使用を中止しましょう。これらをしても痛みが治まらない場合は、医療機関を受診するようにしてください。また、痛み以外にも発熱や吐き気、嘔吐などの症状があればできるだけ早めに医療機関にかかるようにしましょう。

関連記事: