いびきの根本的な治療法として注目を集める「レーザー治療」。家族にいびきを指摘されたり、日中強い眠気に悩まされたりしている人にとっては、非常に有効な治療法だと言われています。今回は、いびきのレーザー治療の特徴や注意点などについて、「東京イビキクリニック新宿院」の篠原先生に解説していただきました。
≫いびきは循環器系の疾患を引き起こす可能性があるという事実、睡眠中の「変な呼吸」に要注意
監修医師:
篠原 浩樹(東京イビキクリニック新宿院)
聖マリアンナ医科大学医学部卒業 。その後、内科医として大学病院に勤務し経験を積む。2023年、東京都新宿区に「東京イビキクリニック新宿院」を開院。
いびきを治すレーザー治療とは?
編集部
まず、いびきのレーザー治療について教えてください。
篠原先生
口蓋垂(のどちんこ)とその周りの軟口蓋粘膜を、レーザーを用いて縮小させ、呼吸の通り道を広げる治療のことを言います。レーザー治療により気道が広がって呼吸が楽になり、いびきの改善が期待できます。
編集部
そもそも、なぜいびきをかくのですか?
篠原先生
いびきは何らかの原因により喉が狭くなり、その狭くなった部分を空気が通過するときに起こります。狭くなった部分を空気が通るとき、喉や鼻が振動して音がでるのです。
編集部
レーザー治療の目的は、その狭くなった部分を広くするということですか?
篠原先生
はい。いびきの原因は様々ありますが、その1つに、喉の形が関係していることがあります。口蓋垂が大きい人や、喉の入り口である軟口蓋弓(なんこうがいきゅう)が狭かったり、変形していたりすると、その部分が呼吸のたびに振動し、いびきをかきやすくなります。
編集部
それを、レーザー治療で改善することができるのですね。
篠原先生
従来、レーザーによるいびき治療は口蓋垂などを切除することで、いびきの改善を目指していました。しかし、切除すると痛みが強く、ダウンタイムも長くなります。また、口蓋垂や扁桃腺が大きい人には効果が大きくなりますが、体に対する負担も大きくなります。気道が広がった分、将来的に誤嚥性肺炎のリスクも上昇します。その点、切らないレーザー治療は体に対する負担が少なく、痛みも軽減できるというメリットがあります。
編集部
レーザー治療は保険適用なのですか?
篠原先生
従来のレーザーによるいびき治療は保険適用が認められています。そのため、国内のいずれの医療機関で治療しても、患者さんが支払う金額は一定です。基本的に、切らないタイプのレーザー治療は自由診療となります。
引き締めるレーザー治療とは?
編集部
もう少しレーザー治療について教えてください。
篠原先生
従来の治療法と違って、現在、最新とされるレーザー治療は切らずに「組織を引き締めること」を目的としています。簡単に説明すると、まず口蓋垂など喉が緩んでいびきの原因となっている部分をターゲットにし、レーザーを照射します。すると、レーザーを当てた部位が引き締まって体積が縮小し、その分気道が広がるという仕組みです。
編集部
なぜ、レーザーを照射すると引き締まるのですか?
篠原先生
レーザーの熱で粘膜の深部を激しく刺激します。こうすることで強力にコラーゲン繊維の再生が効率的かつ広範囲で促され、その結果、組織が引き締まります。
編集部
治療は日帰りでおこなえるのですか?
篠原先生
はい。手術時間は15~20分程度です。手術時の麻酔は、注射ではなくスプレーでおこないます。麻酔や手術による痛みはほとんどなく、生活制限も特にありません。
編集部
誰でも治療を受けることができるのですか?
篠原先生
基本的にはどなたでも受けていただくことができます。ただし、非常に重症の場合(例えば重症の心不全を含む中枢性睡眠時無呼吸症候群を発症している場合)などは対応することができません。適応かどうか、まずは無料のカウンセリングでご相談ください。
配信: Medical DOC