借金まとめる方法としての「借金一本化」のメリット・デメリットを解説

借金まとめる方法としての「借金一本化」のメリット・デメリットを解説

5、借金一本化ができない!そんな時は債務整理を検討しよう

借入先や借金額が多い人ほど借金一本化の必要性が高いですが、多すぎると審査に落ちる可能性が高くなります。

そういった事情で借金一本化ができないときは、債務整理も検討してみましょう。

(1)債務整理とは〜借金一本化より借金完済への近道!

債務整理とは、そのままでは返済しきれなくなった借金を減額または免除してもらうことによって解決を図る手続きです。

返済総額が減りますので、借金一本化よりも借金完済への近道であるといえます。

債務整理の具体的な手続きには、以下の4種類があります。

①任意整理

裁判所の手続きを利用せず、債権者と直接交渉して今後の返済額や返済方法を新たに取り決める手続きです。

基本的に元金の減額は難しいですが、将来利息をカットできるので返済総額が減ります。

交渉によって返済期間の延長が可能な場合が多いので、返済月額を減らしたい場合に有効な方法といえます。

②特定調停

簡易裁判所の民事調停の手続きを利用して、債権者と交渉して今後の返済額や返済方法を新たに取り決める手続きです。

申し立ての手続きはそれほど複雑なものではありません。

交渉する際は、専門的な知識を持った調停委員が間に入りますので、弁護士に依頼せず自分でも行いやすいといえます。

したがって、弁護士費用をかけずに借金問題を解決したい人に向いている方法です。

③個人再生

裁判所の手続きを利用して、借金を大幅に減額してもらえる手続きです。

借金総額は原則的に5分の1にまで、最大で10分の1にまで減らすことが可能です。

住宅ローンを払いながら他の借金のみを減額できる「住宅ローン特則」もあるので、マイホームを残して借金を整理したい人には非常にメリットが大きい方法といえます。

④自己破産

裁判所の手続きを利用して、すべての借金の返済義務を免除してもらう手続きです。

債務整理の中では最もデメリットも多いですが、免責が許可されるとただちに借金から解放されるという大きなメリットがあります。

返済不能なほど多額の借金を抱えた人の最終的な救済策といえます。

(2)借金一本化と任意整理の比較

以上の債務整理のうち、「任意整理」は借金を継続的に返済していくという点で、借金一本化に似ているともいえます。

そこで、借金一本化と任意整理ではどちらが借金完済に有利なのかを比較してみましょう。

①金利

借金一本化では、金利を下げることはできますがゼロにすることはできません。

一方、任意整理では原則として今後の金利(将来利息)をゼロにできます。

利息をカットできれば今後の返済額が大幅に減るケースが多いので、この点では任意整理の方が有利といえます。

②返済期間

借金一本化では、一般的に返済期間は長期化します。

商品や審査にもよりますが、5年~7年程度となることが多いです。それ以上の期間にわたることもあるかもしれません。

一方、任意整理では3年~5年で完済するのが一般的です。返済総額が減る分、返済期間も短くできますので、この点でも任意整理の方が有利といえます。

③返済総額

借金一本化では借金そのものは減らない上に、金利や返済長期化の影響で返済総額が増えるケースが少なくありません。

一方、任意整理では元金をカットできなくても、将来利息をカットすることで返済総額を減らすことができます。

この点でも、任意整理の方が有利といえます。

④信用情報機関への登録

前記「1」(1)④でご説明しましたが、借金一本化では信用情報機関に事故情報として登録されませんが、任意整理をすると登録されてしまいます。

この点に限っては、借金一本化の方が有利といえます。

ただ、借金一本化をして順調に返済していければ問題ありませんが、後に延滞してしまうと結局、延滞ということで登録されてしまいます。

そのため、上記①~③のポイントを十分に検討して、借金一本化で完済が可能かどうかを判断することが大切です。

(3)債務整理のデメリット

以上のように、借金を完済するためには一般的に借金一本化よりも債務整理の方が有利です。

ただ、債務整理には信用情報機関への登録以外にもデメリットがありますので、利用する際は注意が必要です。

債務整理による主なデメリットは、以下のとおりです。

専門的な知識が必要となる
複雑な手続きを要する
費用がかかる
官報に氏名や住所が登録される(個人再生・自己破産の場合)
手続き中は一部の資格や職業が制限される(自己破産の場合)
借金の使い途によっては免除されないこともある(自己破産)

借金問題を解決するためには、自分の状況に合った方法を選択することが重要ですので、以上のデメリットを踏まえた上で、状況に応じて債務整理も検討してみてはいかがでしょうか。

6、自分に合う解決方法がわからないときは弁護士に相談しよう

どの解決方法が自分の状況に合っているのかを判断するには専門的な知識も必要となりますので、なかなかわからないことも多いと思います。

そんなときは、弁護士に相談することをおすすめします。

借金問題の経験が豊富な弁護士に相談すれば、状況に応じてベストな解決方法を提案してもらうことができます。

債務整理を依頼すれば、複雑な手続きはすべて弁護士が代行しますので、自分で苦労する必要はありません。

もちろん、借金をひとつにまとめる「借金一本化」も解決方法のひとつですが、無理を下結果、かえって借金が膨らんでしまうと解決が難しくなるおそれもあります。

借金の返済が苦しくなったら、早めに弁護士に相談してみましょう。

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