「膀胱がん」の初期症状とセルフチェック方法を泌尿器科医が解説 頻尿・血尿などの異変に要注意!

「膀胱がん」の初期症状とセルフチェック方法を泌尿器科医が解説 頻尿・血尿などの異変に要注意!

膀胱がんになったら手術・治療で治る? 膀胱がんの検査・診断から治療法まで進行度別に泌尿器科医が解説

編集部

膀胱がんの検査や診断は、どのようにおこなわれるのですか?

磯野先生

膀胱がんの診断には、尿検査、超音波検査、膀胱鏡(内視鏡)検査などをおこないます。また、MRI検査もして、がんがどれくらいの深さなのかを確認したり、CT検査でほかの臓器への転移を調べたりします。

編集部

膀胱がんと診断された場合、どのように治療するのですか?

磯野先生

まずは病期を区分します。一般に「T:局所でのがんの進展度」「N:骨盤内リンパ節転移の有無と程度」「M:ほかの臓器への転移の有無」という3つに分け、病期を分類します。この分類をおこなうために、診断と治療を兼ねて「TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)」をします。TURBTは、尿道を通して膀胱内に内視鏡を入れ、電気メスで腫瘍を切り取る手術です。

編集部

その後は?

磯野先生

TURBTで採取したがん組織を顕微鏡で調べて、悪性度と深達度(がんの深さ)を評価します。筋層までがん細胞が浸潤していない「筋層非浸潤性膀胱がん」であるとわかった場合は、いわゆる「ステージ1」です。この場合、手術で根治できる可能性もあります。また、筋層浸潤性膀胱がんであっても転移がない場合は、膀胱全摘除術が標準治療です。膀胱周囲の臓器までがんが浸潤している、あるいは転移があるなど、がんが進行している場合には薬物療法を検討します。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

磯野先生

膀胱がんは、その名の通り膀胱に発生するがんのことを指します。この膀胱がんの最も一般的な初期症状は血尿です。血尿は目に見えるレベルのものから、微量で尿検査時にのみ検出されるものまで様々です。また、排尿時の痛みや排尿回数の増加といった症状も、膀胱がんの可能性を示す兆候として知られています。これらの症状が表れた際、最も大切なのは迅速な受診です。膀胱がんは早期に発見すれば治療の成功率も高まります。したがって、症状に気付いたら直ちに泌尿器科を受診し、膀胱がんの専門的な検査を受けることが大切です。早期の発見と適切な治療が、良好な結果へとつながります。

編集部まとめ

目で見えるレベルの血尿や排尿時の痛み、排尿回数の増加などは膀胱がんを示すものとしてわかりやすい兆候です。もし、こうした症状がみられたら、がんを早期発見するチャンスと捉えて、決して放置せずに受診しましょう。

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