「白血球」が少ないのは「ストレスが原因?」改善方法も医師が徹底解説!

「白血球」が少ないのは「ストレスが原因?」改善方法も医師が徹底解説!

血液検査で白血球が少ない場合、ストレスが原因のこともある?Medical DOC監修医がその理由と気をつけたい病気のリスク、改善方法を解説します。

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監修医師:
関口 雅則(医師)

浜松医科大学医学部を卒業後、初期臨床研修を終了。その後、大学病院や市中病院で消化器内科医としてのキャリアを積み、現在に至る。内視鏡治療、炎症性腸疾患診療、消化管がんの化学療法を専門としている。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、総合内科専門医。

健康診断や血液検査で白血球が少ない原因は?

普段の生活では、白血球数について意識する機会は少ないでしょう。しかし、健康診断や受診した病院などでの血液検査で白血球の数値が少ないと指摘されることがあるかもしれません。そのような場合にどのような原因が考えられるのでしょうか。今回の記事では、白血球が少なくなる原因や、ストレスと白血球数の関係について解説していきます。

血中の白血球が少なくなる原因とは

白血球は、細菌やウイルスなどから体を守る働きを担っています。
この状態の原因はさまざまですが、一般的には以下のようなものがあります:
骨髄の問題:白血球は骨髄で作られるため、骨髄がうまく機能していないと白血球の生産が減少します。例えば、白血病や骨髄異形成症候群などがあります。
感染症:特定のウイルス感染症は白血球の数を減少させることがあります。
薬剤による影響:抗がん剤や免疫抑制剤などの薬剤は、白血球の数を減少させる副作用があります。
自己免疫疾患:体が自分の白血球を攻撃してしまう病気もあります。
栄養不良:ビタミンやミネラルの不足は、白血球の生産に影響を与えることがあります。

ストレスと白血球はどんな関係があるの?

ストレスは体の防御システムに影響を与えます。
ストレスにさらされる状態が長く続くと、免疫力が低下することがわかっています。これは、抗体を産生するリンパ球という白血球の一種の働きがストレスによって低下してしまうためです。すると、ウイルスや細菌に対する抗体を作る能力も低下するのです。
その一方で、慢性的なストレスは白血球を増やすパターンも知られています。この場合には、白血球の増加などがアテローム性動脈硬化症や心筋梗塞と関連するのではないかと考えられています。

ストレスが原因で白血球が減少することはあるの?

先ほど述べたように、慢性的なストレスが原因で白血球が減少することもあります。
ストレスによって体が放出する化学物質、特にカテコラミンは、特定の白血球の活動を弱めてしまい、その結果免疫システムが弱まることがあります。
ストレス反応が個人によって異なるため、白血球の減少が起こるかどうかは、その人がストレスをどのように処理するかによって変わってくると言われています。

血液中に白血球が少ないとどんな健康リスクがあるの?

白血球が少ない状態を白血球減少症といい、感染症に対する抵抗力が低下してしまうという健康リスクがあります。
白血球は体の免疫系の一部であり、細菌やウイルスなどの病原体から身を守る役割を果たしています。白血球の数が通常より少ないと、風邪やインフルエンザなどの一般的な感染症はもちろん、より深刻な感染症を引き起こす可能性が高まります。
また、何からの病気の症状として白血球が減少していることもあるので、白血球が少ない場合にはその原因を特定して適切な治療を行うことが重要です。

白血球の検査は何科で受けられるの?

白血球の検査は基本的な血液検査項目なので、通常、内科や外科などさまざまな科を受診することで受けることができます。血液検査自体は外来で行える検査です。
発熱があったり、血が止まりにくかったりと、特定の症状がすでにみられる場合には、感染症内科や血液内科などの専門医を受診することもあるでしょう。必要に応じて、他の専門医に紹介されることもあります。また、白血球の検査は、一般的な健康診断の一環として実施されることもあります。

白血球の基準値と精密検査が必要な診断結果

ここまで白血球について説明をしました。
以下では、数値と精密検査について説明します。

血液検査の白血球の基準値(mm・ul)

白血球数の正常値は、3,100〜8,400/μLとなります。これよりもやや多い、8,500〜9,900/μLでは、要注意と判定されます。3,000/μL以下であったり、10,000/μL以上であったりする場合には異常値とされます。

血液検査・血球検査の白血球の精密検査基準と内容

採血検査の結果、3,000/μL以下であったり、10,000/μL以上であったりする場合には精密検査の対象となります。
血液検査で白血球の数値に異常があった場合、詳細な血液分析(例えば、白血球の分類数をより詳しく調べる血液検査)が行われます。また、骨髄に細い針を刺して検体をとり、顕微鏡などでより詳しく調べる骨髄検査なども行われることがあります。
検査費用は、実施する病院やクリニック、検査の種類によって異なりますが、保険診療となります。そのため、人によって保険負担率が変わります。血液検査のみであれば3割負担の場合、3,000円程度が相場かと考えられます。
再検査や精密検査は、最初の検査を行った医療施設または専門の血液内科で行われることが多いです。緊急度は初期の検査結果によりますが、医師が緊急と判断すればすぐに、そうでなければ数週間以内に行われることが一般的です。再検査結果に基づいて、必要に応じて薬物治療、あるいはより専門的な治療が検討されます。

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