ネット上にも「離婚はしてやらないが、一生恨み続ける」あるいは「離婚した後も恨みが消えない」など、妻たちの夫への憎しみの声を見かけることも。
いったいどんなとき、どんなきっかけで、そこまで夫を恨むようになってしまったのか。オフィスベル代表で夫婦修復カウンセラーの鈴木あけみさんに聞いた。
「女性から夫への恨み言を聞くことはたくさんあります。理由は、『出産に立ち会ってくれなかった』『自分より実家や友人関係を優先する』『黙ってお金を使いこんでしまう』といったものから、浮気の疑惑など、さまざまです」(鈴木さん 以下同)
●夫を恨み続けるのは、一種のDVのようなもの!?
しかし、その多くに共通していることが「自分中心の考え方」であり、「傲慢さ」だと鈴木さんは指摘する。
「そもそも自分のことを好きだと言ってくれて結婚した相手が、自分を満足させてくれないわけがないと思っている女性は多いです。だから、自分の思い通りにならないことで、恨みを抱く。実際に話を聞いてみると、浮気以外のことは『何がいけないの?』と思うような、ささいな理由も少なからずあります」
●恨みを抱き続けるのは、「夫イジメ」になることも
他人から見ると重大事には思えないことでも、自分にとっては大切であることも、もちろんある。それを夫が大切にしてくれない、あるいは踏みにじるような場合、失望し、落胆してしまうことは、少なからずあるだろう。
女性側としては「夫に傷つけられた」「裏切られた」などと感じて恨みを抱く。だが、そうした恨みは、ある種のDVに近いものではないかと鈴木さんは指摘する。
「例えば、出産に立ち会わなかったのは、タイミングが合わなかったからかもしれない。結婚したからといって、飲みに行ってはいけないわけでもないでしょう。それなのに何年も恨み続けるというのは、相手を悪者にし、当たり散らして、自分の気持ちを晴らそうとする『夫イジメ』のようなものですよ」
相手にネチネチとグチを言い、恨みの感情を抱き続ける行為は、女性同士のイジメにも近いものだそう。こうした状況が続けば、夫に対する精神的DVにもなり得る。
そもそも、「恨みを抱く」のは、大きなパワーを必要とすること。「恨みを抱くのは、しんどいだけで何も得るものがない」ということを、夫のためではなく、自分自身のために、一度冷静に考えてみては?
(田幸和歌子+ノオト)