「心肺停止後に助かる確率」はご存知ですか?AEDの使用方法も医師が解説!

「心肺停止後に助かる確率」はご存知ですか?AEDの使用方法も医師が解説!

心肺停止後に助かる確率はどれくらい?Medical DOC監修医が心肺停止後に助かる確率・意識がない・心肺停止を疑う人を見つけた時の対処法・AEDの使用手順などを解説します。

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監修医師:
小鷹 悠二(医師)

福島県立医科大学医学部卒業 / 専門は循環器内科 / 2009/4月~2013/3月宮城厚生協会坂総合病院 / 2013/4月~2017/3月東北大学病院循環器内科・同大学院医員 / 2017/4月~2018/5月仙台オープン病院循環器内科医長 / 2018/5月~おだかクリニック副院長 / 診療所での外来業務に加え、産業医、学校医としての業務も行っている。 また、医師業務以外の副業も積極的に行っており、ビザスクなどを通して企業の医療アドバイザー業も副業として行っており、年間70社以上の会社にアドバイザーとして助言を行うなどしている。 ライティングも行っており、m3.comや、Ubie病気のQ&A(https://ubie.app/byoki_qa/doctors/yn8ueqd6kjn)などにて定期的に執筆活動を行っている。

「心肺停止」とは?

心肺停止というのは、心臓の機能が停止してしまった状態で、心停止とも呼ばれます。
心臓の機能が止まってしまうと、脳や体の臓器への血流も送られなくなるため、放っておけば確実に死亡してしまいます。
ただし、心肺停止後でも速やかに蘇生処置を行うことができれば、歩いて退院すること、社会復帰することも可能であり、適切な対応を受けることがとても重要です。

心肺停止後に助かる確率

日本では救急要請後、救急隊の現場到着まで9.4分と言われており、救急隊が到着するまで待ってしまうと、救命率は著しく低下してしまいます。
消防庁からの報告では、一般市民が心肺停止に遭遇した際、心肺蘇生処置を市民が実施しておらず、救急隊が到着してから対応を開始した場合には、1か月後の生存率は6.6%、1か月で社会復帰できたのは3.3%とされています。
一方で、市民が心臓マッサージ等の蘇生処置を実施した場合には1か月の生存率は12.8%と1.9倍、1か月の社会復帰率8.8%と2.7倍に増加しています。
さらに、市民がAEDを使用した際には1か月の生存率は50.3%と7.6倍、社会復帰率42.6%と12.9倍まで上げることができます。
このデータからも、心肺停止に遭遇した市民が心臓マッサージやAEDを使用した蘇生処置がどれだけ重要なのか、お分かりいただけると思います。

出典:令和5年版 救急救助の現況

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