2024年中学受験(東京)の振り返りと3年後、4年後の中学受験はどうなるか|低学年のための中学受験レッスン#33

2024年中学受験(東京)の振り返りと3年後、4年後の中学受験はどうなるか|低学年のための中学受験レッスン#33

2024年入試が終わりました。そこで、今回の記事のテーマに選んだのは「中学受験の現在地と未来図」。今年の中学受験を振り返るとともに、現・小学1~3年生のお子さんが受験生になる頃の中学受験情勢について、予想や考えをベテラン受験指導家・宮本毅先生に伺いました。

2024年、過熱する「中学受験熱」は落ち着きを取り戻しはじめた

さて、今年の中学受験はどうだったのでしょうか。

一部には「今年も厳しかった」「今年は例年に輪をかけて厳しかった」といった感想もあるようなのですが、個人的にはここ数年の「中学受験熱」の異常な昂りはおさまり、落ち着きを取り戻しつつあるように感じます。

各学校の応募倍率から読み取れるもの

データの一部のみを取り出せば「相変わらず過熱状態」であるように感じられるかもしれません。

たとえば佼成学園の2/1午前入試の応募倍率は、2022年の2.9倍→2023年の3.7倍→2024年の6.2倍。2/1午後に実施された特別奨学生入試ですと、2022年の20.4倍→2023年の27.1倍→2024年の39.6倍と、今年一気に増加しています。

しかし、数字のみを切り取って「さらに激化」とするのはいささか暴論のように感じます。全体的に見れば佼成学園のように倍率が急増している学校を探す方が難しく、むしろ倍率が下がっている学校も多く発見できます。

やはり昨年人気殺到にも関わらずトラブルが続出し、話題となった芝国際の件が、熱に浮かされていた中学受験業界に冷や水をぶっかけ、みなハッと我に返ったといった感じでしょうか。昨年26.6倍という驚異の倍率をたたき出した芝国際2/1午前入試においても今年は2.0倍と、落ち着いた数値となっています。

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