お調子者…は間違い!? 新入学児の「心のトラブル」は4月からリスク急増 親子で向かうべき「場所」とは

お調子者…は間違い!? 新入学児の「心のトラブル」は4月からリスク急増 親子で向かうべき「場所」とは

・「過去の自分」の認識がこれからの自信に

――保育園や先生方と一緒には過ごさなくなったけれど、今までの関わりはしっかり自分の中に蓄積され、これからの自分を後押ししてくれているということですね。

石井 そうです。それが、子どもの「小学校に上がった自分も大丈夫だ!」という自信につながるのだと思います。

また、言葉だけで説明するだけでなく、ぜひ保育園に行ってみてください。保育園の先生にランドセルを見せに行くだけでもいいと思います。「かつてのあなたはここに確かにいて、そこでこれだけの人たちと出会ってきたんだ。小学校に行っても、成長を喜んでくれる人たちがここにいるんだ」と。それって大きな財産ですよね。財産なんて言葉を理解できなくても、子どもには伝わるはずです。

・卒園生と会えることは、保育士も嬉しいもの

――子どもを連れて保育園を訪れたいと思いつつも、もしかしたらご迷惑かなと二の足を踏んでしまう保護者もいるかもしれません。卒園生が保育園に来ることを、保育士さんはどのように感じられるのでしょうか?

石井 子どもたちが「先生、遊びに来たよ」って言ってくれることで、保育園の先生はとても元気になるんですよ。

保育士は、保育している子どもたちの「将来の姿」を目の当たりにする機会が多くありません。保育園にいるうちは、子どもの成長のためにいろいろな取り組みをします。小学校以降も出せる力をどうやって育んでいくかを考え、実践している園は多いです。でも、卒園してからどうなったかを知ることは、なかなかできないのです。

そんな中、卒園した子たちに会うことで、「あの頃こうだった子に、こんなことを働きかけたら、こんなふうに成長できたんだ!」という実感を得られます。だから、卒園した子どもたちと会えることは、嬉しいだけではなく、保育士のためにもなっているのです。

――そう思っていただけるのだとすれば、親としても嬉しいですね。

石井 僕が園長をしていたころも「いつでも遊びに来い!」と言って子どもたちを送り出してきました。

石井 実際に保育園の中に入って会うことが難しいようであれば、通ってた保育園の前を通って「ここに○年間がんばって通ったね」「今ではこんなにしっかり歩けるようになったね」「先生はいつもあなたのことを大切にしてくれたね」などと話してあげるだけでもいいでしょう。それだけでも子どもにはいい影響があります。

普段は無意識ですが、自分はやってきたことを感じさせてあげる、気づかせてあげるということは、とても大事です。

――今まで積み上げられたものを再認識させるんですね。

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